【穀雨(こくう)】
4/20当日、もしくは4/20〜5/4(立夏の前日)までの期間を指す。
〝春雨が降って百穀を潤す〟という言葉から由来。百穀(ひゃっこく)とは様々な穀物のことを指す。この時季に降る雨は様々な穀物を育ててくれる恵みの雨である。
この時季になると柔らかく暖かな雨が降り、田畑は潤い、新芽や若葉はぐんぐん育っていく。変化の激しい気候も安定し種蒔きに最適な時季に。
《七十二候》
二十四節気をさらに3つに分ける
◎初侯
葭始生(あしはじめてしょうず)
4/20〜24頃
水辺の葭(あし)が芽吹き始める頃。
葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をつける。夏の暑さを遮る〝葦簀(よしず)〟の原料になる。
葭は〝葦・蘆〟とも書き、また忌み言葉として〝悪し(あし)〟に通じることから〝善し(よし)〟とも読まれる。
◎次侯
霜止出苗(しもやめてなえいずる)
4/25〜29頃
作物の大敵である霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。田植えの準備をする時季。
この頃になると夜間の冷え込みもなくなり霜も降りなくなる。
ただ、〝八十八夜の忘れ霜〟という暖かくなり霜の心配を忘れかけた4月下旬頃に思わぬ遅霜に見舞われることもあるという。
◎末侯
牡丹華(ぼたんはなさく)
4/30〜5/4頃
〝百花王〟と呼ばれる牡丹が豪華で華やかな花を咲かせる頃。
牡丹は当初薬草として中国から伝わった。百花王のほか、〝富貴草〟〝花神〟〝花王〟〝天香国色〟が牡丹の異名として用いられる。牡丹の花言葉は『王者の風格』
《穀雨にまつわる言葉》
・春眠暁を覚えず
夜明けがどんどん早くなっていくのは春の訪れが近づいている証拠であるということを表している。 また、春の夜は眠り心地が良く朝が来たことに気づかず寝過ごしてしまうことを表す言葉。
・八十八夜
末広がりの〝八〟が重なることや〝八〟〝十〟〝八〟を組み合わせると〝米〟になるため農作業に縁起の良い日であるとされる。
また、茶葉の産地では立春から八十八日目の夜に茶葉の初摘みを行うとされ、この日に採れた茶葉を使った〝一番茶〟を飲むと無病息災で過ごせると言い伝えられてきた。
・百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)
百穀(様々な穀物)を潤し、芽を出させる春雨のこと。
・木の芽雨(このめあめ)
木の芽や穀物の生長を〝助ける、育てる〟という意味が込められている。
・山笑う
春になり山の草木が一斉に芽吹き、明るく生気に溢れた姿になることを表す言葉。
《穀雨の時季に旬を迎えるもの》
筍、蕗(ふき)、アスパラガス、さやえんどう、春キャベツ、新玉ねぎ、新ごぼう、ニンニク、みつば、ヨモギ、パクチー、新茶、いちご、文旦、ヤリイカ、栄螺(さざえ)、あさり、スズキ、黒鯛、真鯛、鯵、カレイ、ホッケ、赤魚、若鮎、鮎魚女(あいなめ)、もずく
etc
今回は二十四節気【穀雨(こくう)】についてご紹介しました。
4月上旬は不安定な気候からやっと安定し始める穀雨の時季。
春らしい気候や草花、旬の食材をあらゆる感覚で感じつつ気持ち良く過ごしていただきたいと思います。