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人妻マユさん達の
京都旅行に同行した
調査員Ｙ君が無事任務を終え
大阪に戻ってきた。
『只今帰りましたっ！』
『わあ～お帰り～～どうやった～？』
この様なツアー旅行参加の
同行調査は・・・失尾（相手を見失うこと）は・・・ない。
その辺りの安心感はあるが
顔を覚えられてしまうので
その後の調査には出動できなくなる
面がつぶれてしまう分
積極的に本人と仲良くした方が
状況がより把握できると山崎は思うのだ
さて・・・・
京都旅行から戻ったＹ君は
ツアーの集合写真を差し出した。
そこには仲良く微笑んでいる
マユ＆レインボーさん。
そして・・・・前列の人とかぶって
不自然なほど
全く顔が写っていない二人が
調査員Ｙ君夫婦である。
写真は後々・・・残ることからの
探偵的・ベストな動きだ。
京都バスツアー二泊三日。
観光バスに乗り込んだ調査員Ｙ君は
会話が聞こえるように
レインボーさん達の真後ろの席を確保した
前夜の寝不足のためか？
移動中はほとんど眠っていたふたり。
半年振りに恋人と再会した
嬉しさは見受けられなかった。
ただ・・・人妻マユさんが
レインボーさんの肩に頭をすりよせ
時々甘えたような目つきで
彼を見つめていた事が
座席の隙間から確認できたという・・・
観光地に到着しても同じく
冷めた感があり
人妻マユさんのみが
熱い視線を送ってたそうだが
レインボーさんには
愛情が感じられなかったと言う
が・・・しかし。
お酒が入る、夜のお食事では
溢れんばかりのエネルギーを
発揮していたレインボーさん。
調査員Ｙ君達は
隣の席を確保していたので
やっとこ話しかけるタイミングを見つけたっ。
「あの～バスツアーって
僕達は初めてなんですよ～」
「は～～っはっは～！！
僕達も個人旅行が多いんだけど
バスツアーは気軽だねっ！」
ビールをぐぃっと飲み干し
気さくに受け答えを始めた。
「お住まいは・・・大阪なんですか？」
「いーーーや。違う。・・・何処だと思う？？」
「いや・・・雰囲気からすれば・・・なんか・・・
日本っぽくないっすね～」
調査員Ｙ君は知っているのに聞いてみた。
「当たりッ！！ボクはニュー・ジィー・ラ・ン・ド・・・に
住んでいるんだっ！！」
細かくお国名を区切りながら話し出す。
「えっ？マジっすか～～っ？ご夫婦で？？」
確信に触れていく調査員Ｙ君。
「いや。彼女は大阪。」
ぐいぐいビールを飲みながら
会話を続けた・・・
「遠距離で別居なんて・・・奥さん寂しいですよね～」
しみじみと話し誘導するＹ君
「彼女は奥さんではなく・・・ボクの同志なんだっ。」
「同志？？えっ？てっきりご夫婦だと思いましたっ」
ちらりと人妻マユさんを見ると
不満げな表情。
こんな旅行の自分の立ち位置は・・・
やはり『奥さん』で通したい。
もしくは『恋人』でもいい。
『同志』？？
同じ志を持つ者。
夜の趣味の方向性が同じくだからなのかっ？！
しかし・・・
『同志』と言われて嬉しい女子はいない。
レインボーさんなりの
心まで深入りさせない配慮なのかもしれないが
男の勝手な言い分であると思うのと同時に
「好きだ好きだ」と言いながら
振り回すより潔いと山崎は思うのだ
相手にそれ以上の期待感を持たせない
ある意味線引きしている
オトナなレインボー谷口さん。
ハイピッチのお酒・・・
ご機嫌満開・レインボーさんは・・・
「よしっ！地下にあるラウンジで飲みなおそうっ！
君達もよければ行きますかっ？？」
不満げな人妻・マユさん
きっと二人きりで居たかったに違いない。
調査員Ｙ君たちを
次の席にお誘いしてくれたのである。
エンジェル的に絶好のチャンス。
写真取り放題。
会話し放題。
「はいっ！いきますっ！」
元気よく、即答したＹ君・・・
「でも・・・ボクは年上だけど・・・
割り勘だよ～～～～っ！」
きちんと釘を刺す
外国チックなレインボーさん。
４人は浴衣でフラフラと
地下にある古びれたラウンジに向かった・・・
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