今月になってから、もうすぐ60年のつきあいになろうかという幼なじみKと二人で会いました。
会う日時や場所をメールで相談して、平日の昼間にうちの近くの喫茶店で待ち合わせになりました。
(そこを選んだのは、ホールスタッフがメイド姿だからではありません。コーヒーがおいしいからです。念のため。ほんとだよ)
私が人と会うときは、杯をかたむけ食事をとりながら、そしてどちらかといえば昼より夜というのがパターンです。
今回のような会い方になったのも年齢のせいと言えないこともありません。
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Kはもともと酒は飲みません。
仕事はもう十数年前に家庭の事情で辞めました。それでも暮らしには経済的には心配ありません。
私も経済的には不安定ながら、時間は自由になります。
そこに、コロナ禍が過ぎたと思ったらKを病が襲いました。
手術、療養、リハビリを経て、ゆっくりであれば歩けるようになりました。
恰幅のよいKが、悠々とした面持ちで杖を片手に歩く姿は、病み上がりというより泰然と映ります。
さらに、もともと持病があって食事制限も厳しい状況にあります。
こうなると、夜に飲みに出ると言う選択はきれいに消えます。
往き帰りとも足もとが明るい時間帯に、家も近い私たち二人の近所でお茶でも、ということになるのです。
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そういえば、今月、都内で学生時代の仲間と集まったときは休みの日の昼間でした。この面々はまだ酒が欠かせませんが、まだ勤めている者も多く、遠方に住み休日に日帰りなら参加できるメンバーへの配慮です。
それでも、今後、勤めをはなれたり、病をえる者が増えると、この集まりも集まる日時が変わってきたり参加人数は減ったりといった変化がでてくるかもしれません。
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こうして高齢になっても続いている若いころからの付き合いには、いくつかの共通点があります。
常に話題と雰囲気を自分中心&優位に向けよう(マウントをとろう)とする者がいないこと。
かつて上下関係を集まりの話にあまり持ち込まない。かつての上役が聞き上手(=いい上司)。
昔話はわずかで、近況とこれからのこれからのことが多く話題となる。
また、集まる人数が多い場合は固定された複数の幹事がいると続きやすいようです。
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じゃぁ、またね、
と別れ際、二人同じ言葉を口にして
体をいくぶんそれぞれが帰る方に向けながら
彼が左手を私が右手をかるく上げる
のは、60年近くたっても変わらないあのころのルーティンです。
次回は、この日にちらりとでた話題、彼の音楽コレクションのことを聴きたいなぁ。
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