[本] 座標確認 / 朝日ぎらい | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

人との比較をあまり好まないので、自分の考えがどのあたりに位置するものか、ふだん気にすることはありません。
ところが、新聞記事、テレビ番組の討論、ネット上にみられる主張を見聞きすると、自分の立ち位置の座標を見失ってしまいます。
なぜかというと、考え方を分類する言葉の意味が使う人によりかなり異なるためです。

私はこんな考えの持ち主です。

◆日本の国が好き。
◆賃金や役職の決め方は、働きに応じた報酬・登用で若者でも機会を得て報われる仕組みに変えた方がいい。
◆戦争より平和の方が経済的損得からみてもお得。
◆国同士の小競り合いや内戦は、なくしたくてもなくならない。
◆国家による国民の統制より個人の自由を優先する仕組みが好き。
◆平等は機会の平等であり、結果の平等(ないし優先)は過渡期の特別措置。
◆子どもの貧困層は、国家や自治体を含む社会の仕組みが救う。大人についてはどのように救うべきか迷っている。
◆生まれながらの属性(性別・人種・性的少数派など)を理由に理性的扱いを変えてはならない。感情から責めてもいけない。
◆目指すものが正しくてもプロセスがルールから逸脱した進め方は、いつか暴走する。
◆日本すでに持っている軍隊を、自衛の概念を逸脱する暴走を防ぐためにどう統制するか法的に明記する必要がある。
などなど

自分の考えと立ち位置が異なると思われるブログにも目を通します。
立ち位置の修正が必要かどうか、たくさんある事実のフォロー、都合の悪い事実にも目を向けます。

現状を変えるえるべきと考えていることが多いのですが、変えない方がいいと考えていることもあります。
こんな考えはどんな言葉でくくられるのでしょう?


   ◆      ◆      ◆

この本はその整理ための物差しの確認にはうってつけでした。

 

 

朝日新書から「朝日ぎらい」のタイトルで本をだしたところにあざとさも感じますが、この本で設定した問いかけは、私の持っていた疑問をかなり代弁してくれています。
 

人種、国籍、宗教、性別、性的指向、障がいの有無にかかわらず、すべてのひとが自分の可能性を最大化できるっ社会が、グローバルスタンダードのリベラルが理想とするものだ。

日本のリベラルはグローバルスタンダードからずれているような口ぶりです。


リベラルとは何か、保守とは何か? 私はリベラルなのか、保守なのか?
(私と概ね考えを同じくする政党はあるのか?)
いま日本の民主主義は犯されているか?
右傾化が目立つのはなぜか? 自由主義は衰退しているのか?
日本人とはどういう人か? etc.
あらためて問い直します。


   ◆      ◆      ◆

デモクラシー(Democracy)を民主主義と訳すのは誤り。
まえがきから、持っていた常識をこう覆されましたが、その説明を読んで考えはすっきり整理されました。

ネトウヨの政治思想は、保守=伝統主義とは関係ない、と言いきっています。
これは主に人の本能とか本性から説明されています。

差別行動への影響する道徳感の「貯金」に関する調査結果も、人の思いがけない一面をつきつけられました。

 

 

本書のテーマは「リベラル化」と「アイデンティティ化」だ。

まえがきで「リベラル化」と並べた言葉が「右傾化」や「保守化」ではなく「アイデンティティ化」でした。
これが、現状をすっきり整理する切り口でした。

政治的信条がどこにあろうと、一度本書を読んでみると、自分の立ち位置を整理できます。



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