グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑯ 「それはビジネスパーソンとしてのスタイルを作っていくこと」

 

グローバルに通用するビジネスパーソンというテーマで、ここまで15回にわたって、お話してきましたが、まとめとして、お話したいと思います。

文化や価値観、育った環境の違いなどを超えて、また、日本人であることを武器にせず、周りから一目置かれるようなビジネスパーソンとして、チャンスを勝ち取り活躍するためには、やはり、言葉や、価値観、今までの経験だけにとらわれない、それらを超えたものが必要だということをお話してきました。


そして、何よりも大切なことは、周りの人を引き付けるような「何か」を持っているということだと思います。どんな国の人であれ、人は人です、人は人に感動し、感銘を受け、敬意を持ちます。そんな風に、周りの人から、「魅力のある人」と思われる、他の人にはないものを持つことこそが、世界で通用するビジネスパーソンになるために最も大切なことだと思います。


それは、個性であり、独特のスタイルであり、そして、他の人が持っていない卓越した知識や、見識、発想、センス、情熱、人間性、人生観、言ってみれば、ビジネスパーソンとしての生きざまのような、人としての卓越した魅力ではないかと思います。もちろん天性のものを持っている人もいるでしょうし、努力に努力を重ねて、魅力あふれるビジネスパーソンになった人もいるでしょう。



私も、まだまだ成長途上であると、自分にいいきかせ、謙虚に、自分に欠けているものを知り、そして、何よりも、常に新しい知識を身に着けること、そして、自らが熱意をもって仕事に取り組むこと、取り組めることを日々心がけています。



ある意味、自分で自分にプレッシャーをかけつつ、向上心をもって取り組んでいかなければならないことではないかと、長い経験からそう思っています。

皆さんも是非、常に高見を目指して、情熱を持ち続け、努力し続けることで、世界に通じるビジネスパーソンになれるよう頑張ってみてください。

 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑮ 「「必要なのは仕切れる能力、知識、自信」


これは、「外資系の会社と日本の会社の違い」というテーマで以前書いたことと重複する部分もあるのですが、欧米の多国籍企業資の会社では、例え社長であっても、その会議の一番役職の人が、基本会議を仕切るというのが基本的なルールとなっています。従って、その一番上の人が、会議での議論を主導し、結論をまとめ、次のアクションを皆に通達、共有して終わるというのが基本的なプロトコールとなります。従って、基本、資料や会議の進行に必要なパワーポイントのスライドは仕切る立場である上司、上の役職の人が準備し、それに基づいて会議が進行していく形になります。このように、ビジネスのグローバルスタンダードでは、その人の役職にかかわらず、議論や会議を仕切るということがとても大切なリーダーシップの要素なのです。


この仕切れるということは、英語でいうOwnership、つまり、強い当事者意識の表れであり、強い責任感であり、そして、コミットメントとして周りからも受け取られるわけです。

よく言われるように、例え上の役職であったとしても、細かいことまでも理解しようとし、現場におりてゆき、自らが動く、いわゆる「バンズオン」のスタイルが求められます。

そして、ハンズオンで仕事をリードしていくためには、当然現場の状況や細かいポイントまで理解できるだけの知識が必要となり、そして、なによりも、人を巻き込んで進めていくというエネルギーが必要となります。


日本の一流会社でも、最近は役員レベルの方々にも、このハンズオンタイプの方が増えてきているように思いますが、それでも、まだまだ、日本の大きな会社の、いわゆる「偉い人」は事務局や担当の人が準備した資料をもとに、意見をいうというスタイル、また、最悪場合は、自らが責任をとらないで済むように、結論をあいまいにするような会議の仕切りかたをする方もおられるようです。 私見ですが、このタイプのかたは、いかに優秀であるとしても、間違いなく、世界には通用しないと思います。





世界的で活躍するビジスパーソンは、その人がどこの国の人であれ、総じて、みんなこのハンズオンタイプの仕事のやり方です。そして、皆そうですが、自信にあふれ、高いエネルギーレベルで仕事に取り組んでいます。

 

 

 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑭ 「大事なのは好奇心」

 

文化や価値観の違いを超えて、周りから一目置かれるようになる、それが 世界で通用するビジネスパーソンと定義した場合、その国での生活や経験の他に、いろんな身に着けていなければいけない要素を話してきましたが、もう一つ、年齢を問わず、大事なものがありあます。それは、「好奇心」旺盛であること。


ここでいう好奇心は、ビジネス上の「好奇心」もありますが、何回も話しているように、「異なるもの」への好奇心のことです。


日本そして日本人は、島国であり、長い鎖国時代を経て、よく、極めて閉鎖的で内向的な  文化、社会であると言われます。これは、ある意味、均一した文化、価値観を育成し、いわるゆる「和」を重んじる価値観といえましょう。もちろん、歴史的に日本は中国の文化に強く影響され、近代化の歴史では欧米から、あらゆるものを取り入れていますので、一概に閉鎖的とは言えないかもしれません、ただ、戦後の高度成長期を経て、豊になった日本、日本人は、あまりにも恵まれているために、日本に欠けているもの、日本からみると異質なものに対して、鈍感になってきているのではないでしょうか。


明治維新前後に、欧米に命懸けででかけて、欧米の文化、文明に魅せられて帰ってきた当時の若い日本人の好奇心によって、日本の近代化が成されたと言っても過言ではないと思いますし、そんな、日本では体験できないものであったり、日本人の価値観とは違うものであったり、また、進化する技術や物の考え方や制度など、極めて単純に、「凄い」と思って、もっと知ろうと思うような対象を常に追いかけることは、自分自身の進化や成長に繋がるという意味でもとても大切なことです。


それがどこの国であれ、面白い、興味深いと思うようなビジネスモデルであったり、取り組みかたやノウハウなど、技術以外にも、ビジネスにおける好奇心の対象は山ほどあると思います、また、好奇心旺盛にいろんな国のビジネスパーソンに質問をしていけば、自ずから、相手も、「この日本人のビジネスパーソン」は面白いと思ってもらえ、その人達との友人関係も広がっていくと思います。


このように、好奇心はまさしく英語よりも、もっと万国共通のものとして、広くいろんな国のビジネスパーソンと交わっていくことにとても有効なのです。

私は、ビジネスの世界に入って、もう45年近くになりますが、今でも、知らないことや新しいことに出会う毎日です。知らないことは知りたい、新しいことは面白いと思えば、どういうことなのか、どういう仕組みなのか理解したい、もっと知りたいと思い、行動を起こします。これがなによりも大切なことだと思います。



この好奇心に基づく行動こそが、前回書きました、情熱や貪欲さというところにも通じ、国籍や言語を超えて、世界で通用するビジネスパーソンとして認められることにつながっていくと思います。

 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑬ 「ただ経験だけではだめ、知識、発想、感性、情熱、そして貪欲さが求められる」(続き)


さて、「なぜ、国籍も違い、また、私が住んだこともない国籍のビジネスパーソンの人達」からメンターになってくれと頼まれるのでしょうか?」という問いに対する答えですが、これは実際にいまもメンティーとしてつながりのある、日本人以外のビジネスパーソンの人達が実際に言ってくれた理由なのです。


彼ら曰く、私は「ちゃんと話を聞いてくれる、そして、その上で自分の経験に基づいた的確なアドバイスをくれる」からだそうです。


ここからは、私自身の理解になりますが。「ちゃんと話を聞いてくれる」というのは、相対的なものだと思います。経験豊かな自分に自信のあるビジネスパーソンは、その人が何人であれ、一般的には、自分のこと、自分の意見を言いたくて仕方のない人が多いものです。ですので、そういうタイプの人に、例えばキャリアのことや、今の職場のことなど、相談やアドバイスをもらいたいと話し始めても、途中で、相談されたほうが、「なるほど、そういう場合はこうだ、私だったらこうする。。。。」などと、十分相談者の話を聞かずに、自分の話や意見を話すことが多いのだそうです。


私も、他の経験を積み重ねたビジネスパーソンと同様、もちろん、自分のことを話したいと思いますし、そういう気持ちはいつでもあります。ただ、私は、何人であれ、30歳台や40歳台のビジネスパーソンから相談をもちかけられるようなケースでは、多くの場合いは、どこかその人が悩んでいることに、視点が欠けていることがあるのではないかと思うので、まずは、相談者の話をよく聞いて、その人の考えや物の見方のどこに欠けている点があるかを常に考えるようにしています。そういう考えで、話を聞くと、当然、じっくりと話しを聞くことになりますし、話を聞いてあげたあと、相談者の人の考え方や物の見方に欠けている部分を指摘してあげると、「とても説得力のあるアドバイスをもらった」と感じるのではないでしょうか


もちろん、じっくりと話しを聞いてあげて、アドバイスをするだけでは、特に異なる国籍のビジネスパーソンの人達か一目置かれることにはなりません。やはり大切なのは、自分がするアドバイスが自分の経験や、今現在取り組んでいることや姿勢に裏付けされているということが最も大切です。


いくつになっても、新しい知識や経験を追い求め、時代の変化やビジネスを取り巻く環境や技術の進化に敏感でなくては、相手の人から「過去の人」と思われてしまうでしょうし、年齢に関係なく、ビジネスや成果に対する強い熱意がなければ、「単なる評論家の意見」になってしまうのではないでしょうか?





グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑫ 「ただ経験だけではだめ、知識、発想、感性、熱意、そして貪欲さが求められる。


さて、経験を通して、感覚的に価値観や文化の違いを理解し、日本人以外のビジネスパーソンとより理解しあえるとしても、それが世界に通じるビジネスパーソンになったことにはなりません。「世界に通用する」ということは、日本人であるという枠を超えて、他の価値観や文化のもとで育ったビジネスパーソンからも一目置かれたり、信頼されるビジネスパーソンになることだと思います。そして、それは、自分ではなく、相手がそう評価し、具体的には所属する会社や組織の中で、日本という国の中だけの職責ではなく、その会社や組織の日本以外の国や地域においての職責を担うことを通して、具体的に体現されるものだと思います。


少々しつこくなりますが、ここでいう日本以外の国や地域というのは、日本企業の東京本社から派遣され、その会社の海外の現地法人に勤務するというイメージではなく、例えば、国連や、国際組織の本部で、日本以外の地域や世界全体に関する職責を持つようなことをイメージしています。


そして、このような日本人が日本のビジネスのプロトコールで対応できないような職責を担うには、ただ、経験だけではだめで、豊富な知識、発想や、感性、そして、何よりもエネルギーレベルの高い、仕事に対する情熱が求められ宇と思います。


文化の差や、価値観の差を超えて、ビジネスのプロとしての知識や発想、そして、ビジネスを成し遂げようとする熱意は、どんな国のビジネスパーソンにも理解され、また、尊敬される部分だと思います。


私も、アメリカでの生活しか経験がありませんが、とくにアジアや中国のビジネスパーソン達と、この15年はほぼ毎日のように仕事を一緒にしていますが、例え、アジアの国や中国に住んだことがなくとも、アメリカでの生活、アメリカ人とのビジネスをはじめ、多国籍の人達とビジネスを一緒に長年やってきた経験と、見識は、アジアや中国の人達から、一目置かれるような、アドバイスをしたり、難しい判断をすることによって、少しずつ信頼関係を築くことができました。


私は、年齢的なものもあって、この10年ぐらいは、たくさんの30歳台や40歳台の人達からメンターになって欲しいと頼まれることが多く、現在では、日本人の方が半分、あとの半分は、ドイツ人、中国人、台湾人、香港人など、多国籍のかたとメンターとメンティーとしての信頼関係を築いています。


一つの例ですが、では、なぜ、私は国籍も違い、また、私が住んだこともない国籍のビジネスパーソンの人達からメンターになってくと頼まれることが多いのでしょうか?


その答えは次回に。(次回に続く)




 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑪ 「最も必要なのは経験」(続き)


さて、経験を通して、「感覚的」に理解する、日本人と外国の人との価値観の違い、つまりは、文化の違いは、よくいろんな角度から分析されたりし、対比されています。

一つの例を見てみましょう。


 

この表の中で、ビジネスに関連して、非常に興味深い点は、動機付けや、人生の目標、論理といったところかと思います。


日本人ビジネスパーソンは私がいろんなテーマで話してきたように、大多数の人は、運命共同体的な論理で、組織に「従属的」に貢献しようとし、お金や物質的なものにとらわれる人を軽蔑するという価値観、論理をもって、ビジネスに取り組んでいるのだと思います。それに対して、アメリカ人や中国人のビジネスパーソンは、自己本位で、自分の成功、お金、そして資本の論理をベースにビジネスに取り組んでいるわけで、自ずから相いれない価値観をもつ相手であると認識することから始めないといけないと思います。


もちろん、同じ会社の仲間として、またお客さんやパートナーの会社の相手として、お互いにビジネス上の利害が共有できれば、その限りにおいては大きな問題はないかもしれませんが、大事なことは、特に長期的な観点で、日本人のビジネスパーソンと同じように、共通の経験や成功がいつまでも、お互いの信頼関係であると思いこまないことが必要だということです。




グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑩ 「最も必要なのは経験」

 

 




前回いろいろお話した、「価値観」の違いを理解するには、実際に外国に生活してみて、いろんなトラブルにも巻き込まれたり、家を買ったり、売ったり、借りたり、車の免許をとったり、子供を現地校に入れてみて、他の子どもの親と交流したり、学校の先生と話したりすることで、仕事を現地ですること以上に、まさに生活を通して、トラブルも含めて、いろんな経験をすることで、日本との、また、日本人との「違い」がわかります。

そして、「なぜそんな風に考えるのか?」「なぜ、そういうルールになっているのか?」「なぜ、日本人のようにはしないのか?」等どいう疑問を持ち、その理由を考えるようになります。こういうことは、もちろんいろんな本や、同じような経験をした人からの話で、頭では理解できるかもしれません、ただ、もっと大事なことは理解することよりも、その経験を通して、「なにを感じたか」だと思います。


この「感じる」ことが、まさに必要な経験であり、それが、理屈としての理解ではない、「感覚的」な理解として、ビジネスパーソンとして、異質な価値観の人、異質の文化で生まれ育った人と一緒に仕事ができる大きな要素となると思います。


この、感覚的な価値観の差の経験を通しての理解こそ、私は、文化の違いを理解することだと思います。アメリカに10数年生活した経験のある私は、アメリカ人の価値観や文化に対しては、この経験を通した理解があり、感覚てきにどう一緒にやっていけばいいかはわかりますが、実際に生活をしたことのなり、ヨーロッパの人々や、アジアや中国の人達とは、ある程度一緒に仕事をすることで理解できる部分もありますが、やはり、私のアメリカ人に対する理解とは、異なるように思います。


もちろん、「何人」であるかということよりも、「人」としての、その人の価値観や人間性が、素晴らしかったり、理解しやすかったりすることも多いのですが、その「人」の理解をするにも、日本以外の国で生活し、感覚的に経験するということがある人とない人では、すこし差があるのではと、そう私は思います。(続く)




 

 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑨根本的な考え方や仕事やキャリアへの取組みの考え方の問題」つまりは「価値観」の問題 (続き)

 

ビジネスパーソンとして大きな組織に入り、そして、その組織のルールや伝統、文化というものに慣れ親しみ、また、組織の先輩や後輩と価値観や使命感を共有することが、大切と考えるような、いわゆる従属的な価値観を大切にする日本人ビジネスパーソンは、確かに、組織や会社にたいする忠誠心は素晴らしいし、たからこそ、終身雇用制度や、愛社精神といった日本人ビジネスパーソンならではの価値観、人生観も形成されるのだと思います。


ただ、それと、前述したような、「世界を変える」的な、個人的な価値観や、キャリアやビジネスパーソンとしての目標設定を重視する、いわゆる欧米のビジネスエリートとの違いは、大きなものがあると言わざると得ません。


ここでは、どちらが正しいかという議論ではなく、日本人ビジネスパーソンの従属的な価値観に基づいた仕事や自らのキャリアへの取組み姿勢で、どうやって、個人的なアグレッシブな価値観をもっている人たちと一緒に仕事をして通用していくことができるであろうかという問題だと思います。

 

やはり、世界で通用するために、一般的な日本人ビジネスパーソンに欠けている要素の一つが自らのビジネスパーソンとしてのキャリヤや目標に向かっての、より個人的、主体的な、考え方を持つことではないでしょうか?

 

日本人として生まれ、いわゆるいい学校にはいり、そして、伝統ある一流の日本企業に就職し、そこでビジネスパーソンとしての経験を積み、先輩や、チームメイト、あるいは取引先からも有形・無形に育てられ、やがて、組織の管理職としてさらなる経験を深め、

運と才覚があれば役員にまで上り詰め、日本人ビジネスパーソンとしては、成功者となる。

でも、それだけで世界に通用するような能力やスキルが備わるのでしょうか。


いわゆるグローバルスタンダードでのビジネスパーソンとしての成功ではなく、日本スタンダードあるいは、所属する組織のスタンダードでの成功ということに限定されているのかもしれません。




 

 

グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑧根本的な考え方や仕事やキャリアへの取組みの考え方の問題」つまりは「価値観」の問題

 

私は極めて無謀だと思われるような転職を経験しているのですが、その一つが、39歳で日本の商社をやめ、ある意味まったく畑違いのいわゆるWall Street企業、生き馬の目を抜くような環境である、アメリカの投資銀行のCapital Market部門に転身したことです。


この時の私の転職の理由は、誘われたそのアメリカ投資銀行のNYC本店で、会ったExecutiveの人たちが、みな若く、また、自信に満ちていて、それまで私が17年間のビジネスパーソンとして出会ってきた、様々な優秀な人たちとはまた違う、独特のオーラを感じさせるような人たちだったからです。


とにかく、自信がすごい、それと質問が鋭い、また、頭の回転、そして、実際に仕事を一緒にしてみると、とにかくアクションが早い、日本の大企業の意思決定のスピードを1とするとその10倍ぐらいのスピードで物事を決め、アクションがとられていくような環境でした。


私が前述したように、無謀な転職に踏み切った理由は、「こういうすごいビジネスパーソンと一緒に仕事をしてみたい」という極めて単純な理由だったわけなのですが、現実、そんな影響を受けたそのアメリカ投資銀行のCapital Market 部門の幹部は、ほとんどがアメリカ人、またはユダヤ人の20台後半から30代前半の人たちで、実際に一緒に仕事をしてみると、とにかく、猛烈に仕事をしますし、早い、金儲けが大好きといったいわゆる野心満々の連中でした。 そんな彼らと、何度か夜中まで、一緒に飲んで人生論を戦わせたことがありましたが、そんな時、彼らの一人が「お前は、世界を変えられると思っているか?俺は変えられると思っている、だから、この仕事をしている」みたいなことを堂々と言っていたのをよく覚えています。そして彼いわく、「俺は少年のころから、自分の手で世界を変えてみたいと思っていた、だから勉強もして、MBAも取った。。。

それを聞いて、「ああ、やっぱり、子供の頃から発想が違うんだ」と、あっけにとられたのをよく覚えています。

 

このような人はアメリカ人といえども、ほんの一握りでしょう、ただ、ここまでいかなくとも、私が仕事を通して知り合ったり、その後、縁あって一緒に2か月間ボストンで勉強した、いろんな国の成功しているビジネスマンの中にも、こういうような、日本人のビジネスパーソンにはちょっといないような、具体的なビジネスパーソンとしての目標を学生の頃から、あるいはビジネスパーソンとしてキャリアをスタートさせた若いころからもっていた人たちが多くいたように思います。(続く)




グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑦「はたして英語力だけだろうか?」(続き)

 

 私が日本の商社で、一度目のアメリカ駐在から帰任して東京本社で勤務していた頃、丁度入社10年目、32歳ごろのことだったと思います。ニューヨークに10年勤務し、私が帰任する2年前に東京に帰任され、部長代行を務めておられた同じ部署の上司の上司から、5月の連休直前に呼ばれ、「藤岡君、もし予定が入っていなかったら、連休の最後の日曜のお昼に、ちょっと時間作ってもらえないか?」

とお誘いをいただきました。事情は彼がニューヨーク滞在時にお付き合いのあった、アメリカの石油会社の社長が来日していたのですが、その石油会社とはビジネスの直接の関係はないが、その社長のお付で来日している部長さんとが、私の上上司とずっと親交があり、一緒にランチをしたいと申し出があったとのこと。偉い人からの依頼であり、特に予定もなかったので、「はい、よろこんで」と引き受けたのでした。

 

 当日のアレンジは、椿山荘でのランチ、その前に私がゲストお二人を帝国ホテルでピックアップし、椿山荘までお連れし、ランチのあと、また、帝国ホテルまでお連れするというもの。 当然、初対面のお二人でしたが、5年間のアメリカ駐在のおかげで、アメリカ人のあしらいは慣れていたので、帝国ホテルから椿山荘までの車中は、抜かりなく、世間話や東京のことなど、当たり障りのない会話で、それなりに、お迎えの責務を果たし、ランチの席へと向かいました。

ところが、その後、上上司とゲスト2人の会話には全く入れず、やはり、英語力だけじゃなく、ビジネスに関する、見識、あと、会話力の差を感じていました。極めつけは、席上、アメリカの石油会社の社長さんから、「いま行われている日米の半導体交渉について、日本はどうすべきだと思うか」との質問があったときです。当時、石油関連以外のビジネスや、国際間のいろんな動きにきわめて疎かった私は、まず、その会話の中で、「半導体」という英語も理解できなかったくらいですから。(後で辞書をひいてわかった次第です。)

「いったい何の話?」とひたすら黙って、食事や飲み物の状況に配慮するぐらいで、聞き役に徹していたわけですが、私の上上司は見事に、交渉の現状に対する自分の認識、日本の立場、そして自分の意見をとうとうと述べたのです。


あまりの見事さに、唖然としながら感心するとともに、「ああ、やっぱり、全然レベルが違う」と、自分のビジネスマンとしての、また、日本のビジネスマンとしての見識の甘さを認識した次第です。


この上上司の方は、ニューヨークに10年間勤務されたからだけではなく、すごい勉強家で、とくに英語の表現や言い回しは、すばらしいものがありました。もともと頭脳明晰で、理論的な方でしたから、やはり、論理的な表現が合う英語が特にこの方には、フィットしていたのだと思います。そんなわけで、この方が当時の部門の役員のなかで、英語が苦手な役員が外国からのゲストと会うときや、取引先の石油会社や電力会社の役員のかたが、海外からのゲストに会うときなど、この方が通訳をされる場に何度が同席したのですが、その通訳の見事さは、もう、完璧なまでで、いわゆる言葉として通訳するのではなく、その会話の中で、何を伝えたいか、その意見、趣旨をきわめて的確に、英語から、日本語、日本語から英語に訳されていたのには、本当に、ただただ、すばらしいと感動したのを覚えています。


その後、私も、外資系の会社に転職、毎日の仕事の中で、英語を使うようになり、また、時として、外国人の上司や、同僚と顧客を訪問したり、また、英語が得意ではない日本人との対話やプレゼンテーションの通訳する機会が多くありましたが、この方の(Kさん)のすばらしい通訳がいつも、自分の中での、目標というか、ベンチマークになりました。もちろん、私の英語力や単語力では、言い回しには、限度があるのですが、ただ、言葉を訳するのではなく、意味を伝えるという部分は、自然と私の通訳のスタイルのベースになっていったのは、やはりKさんの影響だなと思います。