グローバルに通用するビジネスパーソンとは ⑧根本的な考え方や仕事やキャリアへの取組みの考え方の問題」つまりは「価値観」の問題

 

私は極めて無謀だと思われるような転職を経験しているのですが、その一つが、39歳で日本の商社をやめ、ある意味まったく畑違いのいわゆるWall Street企業、生き馬の目を抜くような環境である、アメリカの投資銀行のCapital Market部門に転身したことです。


この時の私の転職の理由は、誘われたそのアメリカ投資銀行のNYC本店で、会ったExecutiveの人たちが、みな若く、また、自信に満ちていて、それまで私が17年間のビジネスパーソンとして出会ってきた、様々な優秀な人たちとはまた違う、独特のオーラを感じさせるような人たちだったからです。


とにかく、自信がすごい、それと質問が鋭い、また、頭の回転、そして、実際に仕事を一緒にしてみると、とにかくアクションが早い、日本の大企業の意思決定のスピードを1とするとその10倍ぐらいのスピードで物事を決め、アクションがとられていくような環境でした。


私が前述したように、無謀な転職に踏み切った理由は、「こういうすごいビジネスパーソンと一緒に仕事をしてみたい」という極めて単純な理由だったわけなのですが、現実、そんな影響を受けたそのアメリカ投資銀行のCapital Market 部門の幹部は、ほとんどがアメリカ人、またはユダヤ人の20台後半から30代前半の人たちで、実際に一緒に仕事をしてみると、とにかく、猛烈に仕事をしますし、早い、金儲けが大好きといったいわゆる野心満々の連中でした。 そんな彼らと、何度か夜中まで、一緒に飲んで人生論を戦わせたことがありましたが、そんな時、彼らの一人が「お前は、世界を変えられると思っているか?俺は変えられると思っている、だから、この仕事をしている」みたいなことを堂々と言っていたのをよく覚えています。そして彼いわく、「俺は少年のころから、自分の手で世界を変えてみたいと思っていた、だから勉強もして、MBAも取った。。。

それを聞いて、「ああ、やっぱり、子供の頃から発想が違うんだ」と、あっけにとられたのをよく覚えています。

 

このような人はアメリカ人といえども、ほんの一握りでしょう、ただ、ここまでいかなくとも、私が仕事を通して知り合ったり、その後、縁あって一緒に2か月間ボストンで勉強した、いろんな国の成功しているビジネスマンの中にも、こういうような、日本人のビジネスパーソンにはちょっといないような、具体的なビジネスパーソンとしての目標を学生の頃から、あるいはビジネスパーソンとしてキャリアをスタートさせた若いころからもっていた人たちが多くいたように思います。(続く)