大阪アジアン映画祭つながりということで、今回は台湾映画を紹介。


本ブログはまだ始めたばかりでテーマ分けもしていなかったけれど、これでようやく、香港、韓国、台湾、日本の映画を紹介、あとは中国メインランドの映画を紹介すれば、一応は東アジアを網羅することになるのかな。

細々とですが、インド亜大陸まで手を伸ばし、紹介していきたいなと思っております。


さて、前記事に続けて、大阪アジアン映画祭つながりということで、同映画祭で2010年に観客賞を受賞した作品を紹介します。


タイトルは「聴説 Hear Me」(2009 台湾)。

2009年の台湾国内映画興収ナンバーワンだったそうで、私も見ましたが、とってもハートフルなかわいらしい青春映画です。案の定、アジアン映画祭の観客からもベストに選ばれたわけですね。


私はこの映画を台湾DVDで見ました。だから日本語の字幕はついていませんでした。

アジアン映画祭で見ていれば字幕がついていたと思うと悔やまれますが、字幕がなくとも十分に楽しめる映画なのです。

その理由は、タイトルにあり。聴く? 説く?


そう、耳が聞こえない主要登場人物が出てくるので、<手話>のシーンが多用されているのです。

もちろん、私は手話がわかるわけではないし、手話というのは国内でしか通用しないもの。

でも、伝わってくるものはあるわけですよ。

もちろん、出演者の表情も豊か。


そして、一つ一つのシーンが丁寧に作られているようにも感じられるのです。

ストーリーは、耳の聞こえない姉妹の愛情と、姉妹のうちの姉のほうと交流を持つようになった食堂の息子とのなかなか進展しない恋愛を描いた物語。


主演は、食堂の息子にエディ・ポン(彭于晏)。姉妹の姉様役にアイビー・チェン(陳意涵)。


ゴーイン・バックtoちゃいな
書くまでもないでしょうが、右がエディ君。彼も手話が出来るという設定。

左は踊っているのではなく、声を出さずに手話をしているアイビーちゃん。


これを見てもわかると思いますが、重要なシーンは身振り手振りたっぷりで感情を表現してくれます。

そして、ネタバレになるので書けませんが、青春シーンが続きながらも、驚きの事態に。

最近の台湾映画は、『海角七号 - 君想う、国境の南 -』(2008)以来、良い作品がどんどん生まれているような気がします。


海角七号は2008年トップ。そして翌年のトップがこの映画。

その意味でもぜひ見て欲しい映画なんですよね。


見てもらうために推しておくか。

アイビーちゃんが衝撃的に可愛い映画だという点も。


妹を見舞いに来たアイビーちゃん

ゴーイン・バックtoちゃいな
優しいお姉さんという感じです。


もはや反則的なかわいさ。大道芸人に扮するアイビーちゃん。

ゴーイン・バックtoちゃいな
こういう扮装すると美少女という感じ。


よし、女性向けにエディ君もプッシュ。


あらぬ妄想で鼻血を出してしまったエディ君。

ゴーイン・バックtoちゃいな
もっと良いシーンを選択しろって感じですが。。。


さわやかカップル。

ゴーイン・バックtoちゃいな
うーん、エディ君が間抜け面なのばかり選んでしまった。


さてと、この映画は、アジアン映画祭で高評価を得たのに、日本では公開されないまま二年経過。

DVDも発売される気配がありません。


本当に台湾映画が好きな人は、私みたいにYESASIAの通販とかで買うでしょうが、そこまでではない人には、YESASIA通販は、ちょっと敷居が高いですよね。


本ブログでこの映画を見たい!と思った人が少しでも増えて、日本でのDVD発売につながれば嬉しいのだけどなぁ。


というわけで台湾映画篇でした。

第7回大阪アジアン映画祭で、特別招待作品として『捜査官X(武侠)』がクロージング作品として上映される。


下の写真はアジアン映画祭サイトより拝借


ゴーイン・バックtoちゃいな
左は金城武、右はドニー・イェン(甄子丹)。


武侠というタイトルからわかるように、本格的なカンフー映画に推理や謎解きの要素を入れたもの。写真を見てわかるように、金城君が捜査官だ。対して、ドニーは・・・まぁ、ネタバレになるから書かないけれど、分かりますよね。


この映画、香港電影迷の間では、話題になっていたもの。

やれ金城君がコナン君のようだとか、メガネまでしてやっぱりコナン君を意識してるだ、とか。


いずれにしろ待ちかねていた作品なんだよね。


ちなみに、監督は、『ラブレター(蜜柑柑)』など甘い恋愛映画に定評があるピーター・チャン(陳可辛)。

本作の前に、往年のショー・ブラザーズ全盛期に大ヒットした『ブラッド・ブラザーズ 刺馬』(1973)のリメイク作『ウォー・ロード(投名状)』で、歴史アクション巨編に挑戦しているから、満を持してカンフー映画に参入した形だ。


こちらはブラッド・ブラザーズのDVD。最近、一気に復刻されたショー・ブラザーズ(SB)ものの一つ。
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下部の中央にいるのがティ・ロン(狄龍)。


そして、こちらがウォー・ロードの方。


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ジェット・リー(李連杰)の悪役が光ってたね。

あ、こっちも金城君が出ていたか。


話をもどして、捜査官X。

実は私はすでに海外で見ちゃったんだよね~。

うらやましいでしょう。フフフ。


その私から一言で言おう。アジアン映画祭で絶対に見逃すな!


どうせ日本で公開されるかどうか怪しいですよ。

(後日注:4/21から新宿ピカデリー他で全国ロードショー上映が決まりました!)


だいたい邦題の力の抜け方はどうだ! カンフー映画であることすらわからん。

私もアジアン映画祭のプログラムを見ながら、見落とすところだった。


しかし、しかーし、この武侠(遊星からの物体Xっぽい邦題より、原題のままでいいよ、ったく)は、ドニーさんもスゴイ力の入れようなのだ。


例えば、ドニーさんのスタント・チームのリーダー格である我らが谷垣健二さんも悪役として出演している。

アクションがハンパないところは、ぜひYoutubeで武侠の予告編を探して見ていただきたいが、とくに冒頭の谷垣さんともう一人の悪役との格闘シーンは芸術的なアクション映像だ。


ついでながら、こちらが谷垣さん。夕張ファンタ映画祭にはドニーを連れて一度来て、その後に代理でも来ている。自らの作品をひっさげてきたときもあったから常連さんですな。


ゴーイン・バックtoちゃいな
カツラ丸出しですが。。。


それから、もう一つの見所は、『ラスト、コーション(色・戒)』で中国映画を干されてしまったタン・ウェイ(湯唯)の本格的な復帰作でもあること。もちろん、香港映画だから復帰できたのであって、これが中国映画だったらまだ出られなかったと思うけれど、彼女のノーメイクに近い顔で言葉少なに演技する感じは良いですよ。


こちらが撮影に臨むタン・ウェイさまのショット。


ゴーイン・バックtoちゃいな
香港の市民権を獲得したらしい。これからは香港映画にたくさん出てね。


とにかく、3月18日の18時半から、遊星からXではなく、捜査官Xを見逃すな!

サーチナでチャウ・シンチー(周星馳)が、「西遊記」の新作を横店(上海近郊の映画スタジオ。日本で言う太秦?)でクランクインしたと報じられたのは、2011年7月のことだった。


旧・西遊記は、日本での公開タイトルは、「チャイニーズ・オデッセイ」で前・後篇の二作に分けて公開された。

私は香港にたまたま行っていたので後篇のほうだけ鑑賞した。1995年のことですよ。返還前。あー、懐かしい。


監督はジェフ・ラウ(劉鎮偉)。はちゃめちゃな映画ばかり撮っているけれど、あのウォン・カーウァイ(王家衛)の盟友で、彼が「楽園の瑕(原題:東邪西毒)」の完成が難航して苦しんでいるときに、ジェフが同じキャストを使って、「大英雄」(原題:射鵰英雄伝之東成西就)」をあっという間(二週間くらい)で完成させ、しかもヒットさせちゃったのは有名な話。


ちなみに、顔がドラえもんに出てくるジャイアンに似ているので、脚本を書くときのペンネームは技安(中国語圏でジャイアンのこと)。ちゃんとチャイニーズ・オデッセイのクレジットでもそうなってます。(写真参照)


ゴーイン・バックtoちゃいな

気になるジェフですが、出たがりのため、俳優として同映画に出演してます(しかも三役くらいこなしている)。

以下は、そのショットです(うしろがシンチー)。


ゴーイン・バックtoちゃいな
どうでしょ? 似てますかね。

それにしても、まだ若いなぁ。


この旧・西遊記は日本でもファンが多いと思う。シンチーがいつものコミカル演技はもちろん、シリアスに、ときに格好良く、もっとも感情豊かな演技をしている作品。

私も大好きな作品だ。DVDなんか買っちゃってますから。


その新作となればいやがおうでも期待は高まる。

しかし、残念ながらシンチーは今回は孫悟空は演じないらしい(2008年のサーチナの記事では主演もやると書いてあったのだが)。


だが、そりゃそうだ。あれから17年も経っている。


とはいえ、新作の仕上がりが気になった私は、ふたたびサーチナを検索。なんと既に昨年12月にクランクアップしたとの記事を見つけた。


2012年に上映予定の新作タイトルは『大話西遊之除魔伝奇』。


今回は、旧作の二編「西遊記第壹佰零壹回之月光寶盒」と「西遊記大結局之仙履奇縁」の前という時代設定になるらしい。


ゴーイン・バックtoちゃいな
インタビューに答えるシンチー(サーチナ2011年12月5日記事より)


ただ、この記事を見ても、シンチーは出演するのか、何の役なのか、全くわからない。

撮影のために痩せてしまったと書いてあるから、出演しているのは間違いないのだが。

シンチーも極秘を貫きたいようだ。


だが、別のニュースソース<Twitch>によると、主演はシンチー自身とある。

うーん、本当か?

とにかく、あと一年、日本公開はもっと先だが、楽しみなことには違いない。


編集に一年かけると書いてあるから、公開は来年の正月かな。


ところで、今回の西遊記ではジェフ・ラウはまったく関わりがないようだ。

ただ、このジェフさん、既に「西遊記リローデッド(原題:情癲大聖)」なる作品を2006年に作っている。

主演はニコラス・ツェー(謝霆鋒)。三蔵法師の役をやっています。

おきまりの「オンリー・ユー」の歌を歌ったりするから、前監督作と全くつながりがないわけではないけれど、シンチーは絡んでません。


ゴーイン・バックtoちゃいな
ジャケット画像はamazonより拝借しました。


上記ジャケットをご覧頂ければわかるように、既にDVDになっているから、こちらは日本でも観ることができます。


私は観ていますが、なんというか、10年前のギャグを現代で、しかも、ものすごいCGを使って(カネかけて)やってしまっているのが、なぜか反対にどことなくチープな感じに仕上がってしまっている。

主立った俳優陣が全てイケメン・美女ってところはゴージャスなはずなのだけどね。


ジェフさん、最近CGに頼りすぎている感もあって、「カンフー・サイボーグ(原題:機器侠)」なんて作品では、ほとんどトランスフォーマーな映画もつくってる。お金がかかっている割には、リアル感が足りないんだよなぁ。俳優陣もレッド・クリフに出ていたフー・ジュン(胡軍)とか出ていて、豪華なはずなんだけど。



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カンフーサイボーグのDVDジャケット(amazonより)


とにかく、現状では満足できる西遊記は他にないから、はやくシンチーの新・西遊記が見たいよ。

香港映画への思いの丈を語るはずの本ブログ。

今日は邦画。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

なぜか?

真田広之のJAC時代(ジャパン・アクション・クラブ)の作品や、志保美悦子が活躍していた時代に比べて、現在の邦画は興行収入こそそこそこ稼ぐものの、本物のアクション作品が少ないと思いませんか?


って、昭和時代を生きた人しかわからない話題ですいません。

志保美悦子は今や長渕剛の奥さんとして芸能活動からは完全に引退ですが、あのアクションは本物でした。


すわ未来の志保美エッチャンか! と期待させたのが水野美紀さんでした。

彼女はあれだけの美形ですが、実は倉田アクションクラブ出身。


千葉ちゃん率いるJACにくらべ、アクション映画が下火の時代も人材を育成していたのが倉田アクションクラブだったんですよね。しかも、水野さんは、幼い頃から少林寺拳法をならっていたという本格派だったんです。

しかも、体躯にも恵まれているしね。


彼女がわかりやすい形でアクションができることをお茶の間に見せてくれたのが、「恋人はスナイパー」というテレビ朝日系列で二時間ドラマとして放送された作品でしょう。

2001年の頃でした。本作はのちに劇場版が2004年に公開されましたね。


以下はテレビ版がDVDになったパッケージ(amazonから拝借)。
ゴーイン・バックtoちゃいな
内村光良が主人公なんですが、彼は王凱歌という中国人の設定。名前は言うまでもなく、中国人に一般的なウォンという名字と、チェン・カイコー(陳凱歌)の下の名前を拝借したんでしょう。ウォンはもしかしたらバリー・ウォン(王晶)からとったかもしれない。香港で有名な映画監督の名前と、中国で有名な監督の名前を拝借した?


水野さんは他にもいくつかの本格アクション作品に出ています。

古くは、「現実の続き 夢の終わり」(2000)。こちらはノワール系ガンアクション。


ゴーイン・バックtoちゃいな
けっこうシリアスな作品です。気合いも入ってます。

でもなぜかそれほど話題にはなりませんでした。


最近だと「ハード・リベンジ、ミリー」(2008)

ゴーイン・バックtoちゃいな

アクションはすごいけれどもグロテスク描写(スプラッター的な)が多く、やはり一般的とは言えません。

翌年に続編が出たので、そこそこはヒットしたのでしょうか。


ということで、水野さんには引き続き、もっと頑張って欲しいとともに、ちゃんとしたメジャー作品で彼女をアクションスターとして扱って欲しい、と日本映画界には願わずにはいられません。

例えば、あの「踊る○○」だって、水野さんにアクションをさせたらよかったのに。


今の邦画界はアクションを前面に出すと、なんとなくB級感がただよっちゃうのが悩ましいのです。

でも、私は引き続き、応援したいです。


さて、ここまで水野美紀さんネタを書きながら、今日の本題は、水野さんではありません。


未来のアクションスターを! ということですから、新時代の“平成の”女優さんが求められていると思うのです。


そこでイチオシなのが、カラテガールこと武田梨奈さん!

本格的なカラテ猛者として女子高生時代からテレビやCMにたまに出るなど、その筋(?)では有名だったのはもちろん、現在は女優としても活躍中です。


武田さんの有名化への道をご紹介すると、


まずは2008年の大塚食品の清涼飲料「MATCH」のCMにて、バット割に挑戦する女子高生として登場。このとき彼女は、実際もホントの女子高生。


ゴーイン・バックtoちゃいな

このあと、見事にバットが割れました。スゴイ!


そして、2009年には初主演映画の「ハイキック・ガール!」が公開。

以下はそのワンシーンです。
ゴーイン・バックtoちゃいな
大学空手部の主将に挑む17歳の武田ちゃん。


ちなみに「ハイキック・ガール!」にはこんな人も共演していた。


ゴーイン・バックtoちゃいな
今を輝くAKB48の秋元才加さんです。

彼女は実は合気道の心得があるらしい。確かにガタイがいいよね。

(ま、ほんの数分しか出演してないけど)


香港映画アクションを見慣れた私から見れば、武田ちゃんの技は本物。しかも、手足が長いのか、「見せるキック」が上手です。そうですね、例えるならば褒め過ぎかもしれないけれど、ドニー兄さんの足技に近いのです。

本作、あまり話題にはなっていませんし、実はストーリーもなんじゃこりゃ、という感じ(途中からオッサンが主役に、なんで?)なんですが、彼女のアクションだけは光ってました。


そして多少のブランクをはさんで第二の主演映画へ。

「KG(カラテ・ガール)」(2011)です。


ゴーイン・バックtoちゃいな
既に高校は卒業した武田ちゃん、でもまだ若いので制服でも大丈夫。


KGもアクションはかなり良い線を行ってます。そしてノースタント・ノーワイヤーを合い言葉にしているだけあって、香港映画だったら、ワイヤーワークになるところを自分の跳躍力でこなしています。これは水野さんには出来ません。本当に逸材だと私は思うのです。


ただ、残念ながら、ストーリーはやはりなんじゃこりゃ、なところがあります。

これだけの逸材なのだから、ぜひ良い脚本で良い監督、良いアクション監督を得て、あたり役をつかんで欲しいなと私は思います。


はやく彼女がメジャーにならないかなぁと思う。

彼女を活かせなかったら、日本映画界の損失かもしれない。いやマジでそう思う。


武田梨奈ちゃん、がんばれ!


世の中の韓流ブームは衰えることを知らない。

TSUTAYAに行っても、年々韓流DVDコーナーは増えるばかり。今や邦画と洋画を合わせたくらいの面積がある。最近はCDコーナーも浸食中だ。


それはいいのだ。

だが、かつてあった中華コーナーとか香港映画コーナーがなくなり、韓流コーナーの中にひっそりと「アジア」とひとくくりにされてしまったことが私には寂しい。


嫌いではない。むしろアジア映画が全て好きな私には韓国映画のコーナーが拡がるのは嬉しい。

でも、押し出された中華・香港映画は相当なものなんですよ。

まぁ、レンタル期間が終わったってのもあったでしょうよ。でも、地元のTSUTAYAでは、確実に香港映画の本数は減っている。もう、TSUTAYAディスカスとかDMMでポストに返すしかないのねぇ。。。


って愚痴はこれくらいにして、今日は道士ネタつながりで、カン・ドンウォン主演の「チョン・ウチ 時空道士」です。ちなみにチョン・ウチはカン君が演じる人の名前です。
私はこれをわざわざ東京まで見に行ったけれど、先月DVD化したので、ネタとしては時期的にちょうどよいでしょ。


まずはビジュアルだ。


ゴーイン・バックtoちゃいな
現代の映画撮影所の舞台セットに紛れ込んだシーンだったかな。

(写真は公式サイトから拝借)


香港映画の黄色の服の道士とはだいぶんイメージが違うでしょ。

(時代も違うので)


一応、カンくんはまだ半人前の道士で、妖怪退治の師匠についている助手的な立場だったのだが、あるライバル道士の策略にはまり、師は殺され、カン君演じるチョン・ウチは絵の中に閉じ込められてしまう。


けれども、500年後の現代韓国に妖怪が跋扈してしまったので、仙人達の手によってカン君が絵から蘇るってのが大筋の話。あとはドタバタ劇が二時間半にわたって続きます(長い!)。

(すいません、これ以上はネタバレなので、ストーリーはこれくらいに)


でも、まぁ楽しいシーン(間抜けな仙人とか)が多いので、それなりに楽しめます。

そして、私はカン・ドンウォンの映画をたまたまたくさん見ていて、アクション映画も多いので、ちょっと好感をもっているってのもある。


例えば、最初に見たのは、「デュエリスト」。名優アン・ソンギとの共演。そして、タンゴなどを取り入れたという、まるで舞踏のようなアクションシーンが、よく言えば美しい。悪く言えばスピード感に欠けてちょっと退屈。


ドラマ「チェオクの剣」で有名になったハ・ジウォンが主演なのだが、正直、彼女の魅力も引き出せていなかったような感じでした。でも、カン君の美しいたたずまいは誰もが納得する映画でしょう。

既にこの頃から、映画館は50代くらい女子(で合ってますよね?)ばかりでした。


デュエリストでのカン君の役名は「悲しい目」


ゴーイン・バックtoちゃいな

(画像はKBOOM.clubより)


それから、現代劇も見たなぁ。

「私たちの幸せな時間」で、カン君は死刑囚の役。

彼に関わっていくイ・ナヨン演じるわがまま大学講師とのやりとりはなかなか印象に残りました。

イ・ナヨンって、「英語完全征服」ってマイナー映画に出てたキュートな女性役だったのね。

本作では感情の起伏が激しいエキセントリックな役をやってました。女優としてはいい印象ですよ。


こちらが「英語完全制服」のキュートなナヨン。


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そしてこっちが、「私たちの幸せな時間」での泣きのナヨン。


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言うまでもなく、「私たちの幸せの時間」にしかカン君は出てません。

そして、なかなか良い映画でした。もう見てから5-6年経つのかぁ。


本題。朝鮮における道士というのは、どういった存在か、ということ。

実は私も不勉強でわからない。


道教の信仰を極めた人物だから道士なわけだが、道士が発生したのは老荘思想で言う「道(タオ)」がもとになっているとするなら紀元前からあることになる。

Wikipediaを見てみると、教団化したのは仏教の伝来が影響を与えているとある。

きっと、日本や朝鮮に伝来する過程で儒教とまざりながら、姿を変えて行った可能性もある。

ちなみに日本に伝来した道士の技は、道教自体が禁止された後に、陰陽師が受け継いだという。

確かに陰と陽にわけたあのマークは道教のもの。

霊幻道士の使っていた服や鏡も陰陽マークだった。


霊幻道士の服が見えるシーン


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ちなみに上はニセ道士役のリチャード・ン(呉耀漢)


とにかく、上のチョン・ウチの衣装と比べても全く違う。

香港映画の霊幻道士シリーズは清代を舞台にしていたから、違うのは当たり前なんだけどね。

チョン・ウチは1500年頃の時代っていう設定だから。

それにしても、韓国では道教の寺はどのくらいあるのだろう。

中国や台湾にはたくさんあるけれど、韓国では見たことがないなぁ。


というわけで、今日は道士を軸にとりとめのない話になってしまった。

カン君ファンの人も満足させられなくてすいませんセヨ。


Yes娯楽新聞中心というサイトの12/27の記事に「周迅導演處女作《五行伏妖》 梁朝偉首度出演僵尸片」と出ていた。私は中国語は読めませんが、まぁ、香港映画通の人なら、なんとなく分かりますよね。


このままGOOGLE翻訳にかけると「周迅(ジョウシュン)の監督デビュー作、"ファイブV悪魔"トニー初のゾンビ映画のスター」となる。

これも香港映画に詳しい人なら、ゾンビってのがキョンシー(殭屍)のことだと予想がつきますね。


そうです。トニオさんが演じるのは、あの故ラム・チェンイン(林正英)の出世作「霊幻道士」のような作品なんです。これ、初回のネタにも書きましたね。


ポスターは下の通り。(Yes娯楽新聞から拝借)


ゴーイン・バックtoちゃいな

英語タイトルは、Five Demon Trapsかぁ。デーモンって悪魔だから、キョンシー退治よりも大きな敵が出てくるのかしらね。

昔は霊幻道士の英語タイトルを「Mr. Vampire」とつけていました。ドラキュラに例えていたわけだ。

確かに、キョンシーは生き血を好むし、キョンシーに噛まれると生きている人もキョンシーになっちゃうから、ドラキュラなんだけどね。


デーモンとドラキュラは本来は別の世界のものですが、さてさて、どんな話になるやら。


でも、嬉しいのは、ジョウ・シュン(周迅)がこういうジャンルの映画を初監督作に選ぶって事だ。

1976年生まれの彼女は霊幻道士ブームを、子供の頃に体験しているはず。

(霊幻道士の公開年は香港で1985年)


ちなみに龍虎も霊幻道士は大好きだった。勅令と書かれた札を赤い筆で書いて、部屋に貼ったものです。

(魔除けのつもり)


ちなみに下が本来の勅令札の使い方


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ジョウ姐さんは、浙江省芸術学校の出身だけど、これは、いわば日本で言う宝塚歌劇学校のような感じのところだと思うので、彼女は演出を専門に勉強したわけではないはずだ。


四小名旦(四大若手女優)のなかで、導演(監督)に興味を持っているという点では、シュー・ジンレイ(徐静蕾)もそうだけど、彼女は北京電影学院卒で、こちらは大学レベルの映画・放送教育を受けられる学校だし、監督業に興味を持つのも納得できる。


下は「ウォーロード(投名状)」出演時のジンレイ。


ゴーイン・バックtoちゃいな


ジョウ姐さんには、キョンシーもののようなエンタメ性の強いもので勝負して欲しいな。


そういえば、ジョウ姐さんが妖怪役で、道士っぽい役のドニー・イェン(甄子丹)と闘う「画皮 あやかしの恋(畫皮)」って名作もある。これは2012年に公開が予定されていると噂があるが、本当か。

2009年の沖縄国際映画祭で公開され、これに行けなかった私は歯がみしていたけれど、吉本興業が出資しているというから、現実味はあるのかな? だいたい沖縄映画祭のときは、あやかしの恋なんてサブタイトルはなかったし。

それにしてもなぜ今頃になって? ドニー兄さんの人気が日本でも上がってきたから?


ちなみにドニー兄さんの役は道士ではないそうな。
ゴーイン・バックtoちゃいな

この作品は、基本的には上田秋成の「雨月物語」に近い話だから、かの「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(倩女幽魂)」に内容としては近い。ただ、香港映画に詳しい人は、ユン・ピョウ(元 彪)主演の「画中仙」を思い浮かべた人もいたかもしれない。私もその一人。

実際には、それらよりももっと、おどろおどろしい作品です。


いわずとしれたチャイニーズ・ゴースト・ストーリー。下の画像はトニオさんが出ているパート3のね。


ゴーイン・バックtoちゃいな

(2011年にまたリメイクされたが、そのレビューはまた後日)


それから、ジョイ・ウォン(王祖賢)主演で内容がかぶってる画中仙がこれ。



ゴーイン・バックtoちゃいな
貴重な画像はアマゾンから拝借

(一番下の中央に写っているのがユン・ピョウ)


あれ、いつのまにか話がそれてしまった。

とにかく画皮と五行伏妖の両方にからむジョウ・シュンの今後に期待。

あ、ちなみに五行伏妖の方ではジョウ・シュンは監督に専念するという噂。


昨年の東京国際映画祭(TIFF)にも出品していた「夢遊 スリープウォーカー」。

オキサイド・パン(彭順)監督のホラーで、主演は奥様でもあるアンジェリカ・リー(李心潔)。


画像はTIFFより


ゴーイン・バックtoちゃいな

オキサイド・パンあるいはパン・ブラザーズの作品と言えば、

2002年のThe EYE(見鬼)をあげる人が多いだろう。

それほど、この映画はすごかった。原題の鬼・見えるってのが、そのままストーリーだ。

香港/シンガポール合作の映画っていうのも珍しかった(と思う)。


考えてみたら、このときの主役も心潔(シンジェと読む)。

以下、このコンビ作が続く。

2006年の「リサイクル死界(鬼域)」。これもまぁまぁの出来だった。


期待してた「風雲2」への出演はなかったが、出さない方がよかった。

あれは、少々残念な出来だった(この話は後日)。


そして2011年の「夢遊」だ。

結論から言うと、久々の会心の出来かもしれない。


なつかしい顔も出ていた。


ゴーイン・バックtoちゃいな
チェン・ジュツイ(鄭則士)

大昔の香港映画でデブキャラといえばこの人。

でも、ジェット・リー(李連杰)主演の「ターゲット・ブルー(中南海保縹)」(1994年)以来、観てなかった気がする。そんなことないかな。でもそれくらい印象がしばらく残ってない。

いやはや久しぶりっす。


それから、チャーリー・ヤン(楊采妮)も出ていた。ちょい役なんだが、TIFFの舞台挨拶も来ていたし、やはり大物扱いをされていたぞ。たぶん、youtubeにそのときの舞台挨拶シーンがアップされているから気になる人は観るべし。画像は有名過ぎる女優なので省略。


脇道にそれたので本題。


ともかく、本作がパン作品のなかでも成功を収めているとしたら、謎が最後の最後までわからないところだろう。

シンジェ自身も、それを追う警察にも真実はわからない。観客にもわからない。だから、なんとか二時間を飽きさせずに観ることができたのだろう。


あと、シンジェもよかった。最近はアイドル然としたところはまったくなくなり、いささか疲れ顔だけれども、本作にはそれがマッチした。主人公のシンジェが多少おかしくなっちゃったかも、と思わせるようなところも本作の狙いだが、それにも成功していたと思う。狂気がうまく出ていたのだ。

かつてのシンジェは、「ザ・アイ」も「カオマ(救命)」も泣き叫ぶだけって感じだったからそれとは大違い。

ただしカオマは、作品としては面白いのです。たぶん、カリーナ・ラム(林嘉欣)の演技がよかったのでしょう。


冒頭のこんなイントロも前振りとしてよかったと思う。


ゴーイン・バックtoちゃいな

ちなみに、カオマの表紙。(アマゾンより)


ゴーイン・バックtoちゃいな
監督は、ロー・チーリョン(羅志良)。

代表作は私的には「フル・スロットル烈火戦車」。


というわけで、シンジェの演技力向上に拍手かな。
彼女が大人になった分、私も老けたわけだわ(涙)。


夢遊はTIFFに出品したから日本語訳をつける作業は済んでいるはずだけど、たぶんDVDにはならないかなぁ。ちなみに私は得意のYESASIA通販で購入。残念ながら日本語字幕はありません。中国語か英語で見ましょう。


30年来の香港映画ファンである龍虎、アメブロに挑戦します。


けれどもブログ自体まったくやったことがありません。


ブログのタイトルもどうしよう。


最近は純粋な香港映画ってすくないんだよなぁ。
中国映画、台湾映画、合作も含めて「アジア映画なう」とかにするかなぁ。

悩んだあげく、大好きな安藤裕子のカバー曲にちなんでタイトルつけた。


第一回は、私が見たい映画ってことになっちゃった。

(見た映画を書いてオススメしろよ! って声もあるでしょうが、それは追々)


んで、トニー・レオン(梁朝偉)主演「大魔術師」。1/21から中国本土と香港で上映中。

これを見るためにチャイナへGOすることも考慮中。


ゴーイン・バックtoちゃいな
トニー(梁朝偉)と共演のジョウ・シュン(周迅)

(2人は主題歌も歌ってます)


まずは、この映画の見所はトニオさんの長いブランクからの復帰作ってとこ。

なんだかもう大昔のような気がするレッドクリフⅠ・Ⅱ(2008-2009)以来だそうな。


それから、いつ完成するかわからんウォン・カーウァイの「一代宗師」で特訓した

カンフーアクションが活かせるシーンも多い点。


例えばこんな感じ。


ゴーイン・バックtoちゃいな
暗くて分かんないかな。

なんでも、共演のジョウ・シュン姐さんは、自分の初監督作で、トニーさんを主役

それも道士役として起用するそうな。

レコードチャイナの記事によれば、この映画で「トニオで道士」と思いついたとか。

たぶん、こんなシーンを見ているうちにピンと来たんでしょう。

私は霊幻道士も好きだったから、わかるよ。その気持ち。ジョウ姐さんもやるね!


はい、道士と言えばこの人。故ラム・チェンイン(林正英)


ゴーイン・バックtoちゃいな
ちゃんと火を出す技を使えるんです。


ジョウ姐さんが道士を思い起こしたくらいなら、きっと面白いに違いない。

早く観たい映画の筆頭だな~。でも日本じゃ観られないぞ。

行こう! チャイナへ。


というわけで、ゴーイン・バック・トゥ・チャイナなブログの第一回目でした。


今後は、見てきた映画、映画祭などの見聞情報もちゃんと書きます。


龍虎