サーチナでチャウ・シンチー(周星馳)が、「西遊記」の新作を横店(上海近郊の映画スタジオ。日本で言う太秦?)でクランクインしたと報じられたのは、2011年7月のことだった。
旧・西遊記は、日本での公開タイトルは、「チャイニーズ・オデッセイ」で前・後篇の二作に分けて公開された。
私は香港にたまたま行っていたので後篇のほうだけ鑑賞した。1995年のことですよ。返還前。あー、懐かしい。
監督はジェフ・ラウ(劉鎮偉)。はちゃめちゃな映画ばかり撮っているけれど、あのウォン・カーウァイ(王家衛)の盟友で、彼が「楽園の瑕(原題:東邪西毒)」の完成が難航して苦しんでいるときに、ジェフが同じキャストを使って、「大英雄」(原題:射鵰英雄伝之東成西就)」をあっという間(二週間くらい)で完成させ、しかもヒットさせちゃったのは有名な話。
ちなみに、顔がドラえもんに出てくるジャイアンに似ているので、脚本を書くときのペンネームは技安(中国語圏でジャイアンのこと)。ちゃんとチャイニーズ・オデッセイのクレジットでもそうなってます。(写真参照)
気になるジェフですが、出たがりのため、俳優として同映画に出演してます(しかも三役くらいこなしている)。
以下は、そのショットです(うしろがシンチー)。
それにしても、まだ若いなぁ。
この旧・西遊記は日本でもファンが多いと思う。シンチーがいつものコミカル演技はもちろん、シリアスに、ときに格好良く、もっとも感情豊かな演技をしている作品。
私も大好きな作品だ。DVDなんか買っちゃってますから。
その新作となればいやがおうでも期待は高まる。
しかし、残念ながらシンチーは今回は孫悟空は演じないらしい(2008年のサーチナの記事では主演もやると書いてあったのだが)。
だが、そりゃそうだ。あれから17年も経っている。
とはいえ、新作の仕上がりが気になった私は、ふたたびサーチナを検索。なんと既に昨年12月にクランクアップしたとの記事を見つけた。
2012年に上映予定の新作タイトルは『大話西遊之除魔伝奇』。
今回は、旧作の二編「西遊記第壹佰零壹回之月光寶盒」と「西遊記大結局之仙履奇縁」の前という時代設定になるらしい。
インタビューに答えるシンチー(サーチナ2011年12月5日記事より)
ただ、この記事を見ても、シンチーは出演するのか、何の役なのか、全くわからない。
撮影のために痩せてしまったと書いてあるから、出演しているのは間違いないのだが。
シンチーも極秘を貫きたいようだ。
だが、別のニュースソース<Twitch>によると、主演はシンチー自身とある。
うーん、本当か?
とにかく、あと一年、日本公開はもっと先だが、楽しみなことには違いない。
編集に一年かけると書いてあるから、公開は来年の正月かな。
ところで、今回の西遊記ではジェフ・ラウはまったく関わりがないようだ。
ただ、このジェフさん、既に「西遊記リローデッド(原題:情癲大聖)」なる作品を2006年に作っている。
主演はニコラス・ツェー(謝霆鋒)。三蔵法師の役をやっています。
おきまりの「オンリー・ユー」の歌を歌ったりするから、前監督作と全くつながりがないわけではないけれど、シンチーは絡んでません。
上記ジャケットをご覧頂ければわかるように、既にDVDになっているから、こちらは日本でも観ることができます。
私は観ていますが、なんというか、10年前のギャグを現代で、しかも、ものすごいCGを使って(カネかけて)やってしまっているのが、なぜか反対にどことなくチープな感じに仕上がってしまっている。
主立った俳優陣が全てイケメン・美女ってところはゴージャスなはずなのだけどね。
ジェフさん、最近CGに頼りすぎている感もあって、「カンフー・サイボーグ(原題:機器侠)」なんて作品では、ほとんどトランスフォーマーな映画もつくってる。お金がかかっている割には、リアル感が足りないんだよなぁ。俳優陣もレッド・クリフに出ていたフー・ジュン(胡軍)とか出ていて、豪華なはずなんだけど。
とにかく、現状では満足できる西遊記は他にないから、はやくシンチーの新・西遊記が見たいよ。