友人と私の3人で
楽しいランチのあと、
ある混声合唱団の定期演奏会に行きました。
アカペラで歌う現代宗教作品や
詩 : やなせたかし、曲 : 木下牧子「さびしいカシの木」
詩 : 星野富弘 、曲 : 千原英喜「明日へ続く道」など
優しさ、悲しさ、力強さが表現された歌声と
ピュアで美しいハーモニーに感動しました。
また、宮沢賢治の心象スケッチ「春と修羅」に
現代作曲家の信長貴富が曲をつけた合唱曲は
その世界に引き寄せられ、心に深く刻まれました。
ピアノの演奏も素晴らしかったです。


今年のお正月に
休暇で実家に帰ってきたある自衛隊員は
いとこ夫婦の赤ちゃんに初対面し
緊張しながら抱っこしました。
赤ちゃんの体重と
訓練で使った銃の重さを比較していました。


男性のみで歌ったアカペラの合唱曲で
涙が溢れてしまった曲があります。
とむらいのあとは
作詩 : 木島 始
作曲 : 信長 貴富
たおれたひとの
たましいが
わたせなかったもの
かぞえよう
めあきめくらに
そらのいろ
きわどい あいずかわす
みちあんない
たおれたひとの
たましいが
うたえなかったもの
ゆめみよう
銃よりひとを
しびれさす
ひきがね ひけなくなる
歌のこと
※ 青文字の部分は、作曲されていません。
たおれたひとの たましいが
うたえなかったもの ゆめみよう
銃よりひとを しびれさす
ひきがね ひけなくなる 歌のこと
合唱は、その詩を一度読んだら終わるのではありません。
その詩を、その旋律を、何度も何度も繰り返しました。
音楽というものは
いくつもの音を重ね合わせて
波のように心に打ち寄せてきて
強く訴えかけてきました。


昨年の、この混声合唱団の定期演奏会で聴いた
みなづきみのり の詩を再び紹介したいと思います。
戦場
青年は気が狂ったように
叫びながら敵陣に飛び出した
戦場で
二十五発の銃弾が
彼の大きな身体を貫いた
青年は誰も殺したくなかったから
本当は花の絵を描くのが好きだったから
黙って風景を見ているのが好きだったから
一番最初に死んだのだ
死骸は無残だったので
似合いもしないヘルメットだけが国にもどった
耳の遠い母のもとに