JR日暮里駅から徒歩1分、



3/5 タケミツメモリアルで行われた、ツィメルマンのリサイタルに行ってきました。


私が前回ツィメルマンの演奏を聴いたのは、過去のブログを調べたら2012年12月のことでした。

なので、6年2ヶ月ぶりということになります。

(もちろん、ツィメルマンさんはその間に何度か日本でコンサートを行なっていますが、私が行くチャンスがなかったのです)


この6年間で、いろいろなピアニストのコンサートに行きましたが、
中でも一番印象に残り、衝撃を受けたのが、この時のリサイタルでした。



いえいえ、牛田君に遭遇したのが衝撃?だった訳ではなく(笑)

ツィメルマンの紡ぎ出す、ドビュッシーの多彩な音色の変化に、衝撃を受けたからでした…


この時は、ブログにもあるように、最前列の席が手に入ったので、手元足元、大変良く見えました。
タッチの繊細さ、ペダルの微妙な調節にも、非常に感銘を受けました。


さて、今回のリサイタルでは、あえて3階の最後列の左端の席を選んでみました。


タケミツメモリアルの客席の中で、一番後ろの一番端っこに当たります。
(もちろんB席)

前回は最前列、今回は最後列…
別に遊んでるわけではないのですが…
(やっぱり遊んでますかね😅)

こんな後ろに座るのは初めてなので、音がどんな風に聴こえるのか、ちょっと楽しみでもありました。


今日のプログラムは、
ショパンマズルカ
ブラームスソナタ2番と、
ショパンスケルツォ全曲。


ショパンスケルツォは昔からツィメルマンの演奏が一番好きだったので、それを生で、しかも全曲聴けるとは、なんと贅沢なプログラム‼️
生きていて良かった、とさえ思ってしまいました🎶


楽譜を手に舞台に登場した、6年ぶりのツィメルマンはすっかり髪が真っ白になり、歩き方もややお年を召したかな?という印象でした。

ゆるやかな角度に倒した譜面台に、丁寧に楽譜の紙を広げます。
前回も楽譜を見て演奏していましたが、今回も全て楽譜を置いての演奏でした。
譜めくりは全てツィメルマン自身で行なっていました。
曲によっては、暗譜なのか譜めくりせずでしたが、ちょっと驚いたのは、スケルツォ4番で、曲の途中で本当に微妙に止まって、片手で譜めくりをしていたことです。

止まって、と言っても音を切るわけではなく、長い音のところで、少し余計に伸ばしている、といった感じで、ほとんど分からない程度の時間の伸びなんですが、

「リサイタルでそれアリなんですか⁉️」と少し驚いてしまいました…


しかし、譜めくりは慎重に、決して音を立てず、本当に上手なめくり方ではありましたけれど…

譜めくりの失敗は許されないですし、
暗譜はしているのでしょうけれど…
歳をとると暗譜は不安なものです。
(身につまされる)


スケルツォ全曲はさすがに素晴らしかったです。
録音とはまた違った、ライブ感あふれるダイナミックな演奏。やはり生は違います。

しかし、やや荒い?というか、録音やYouTubeでの、かっちりとしたお手本のような演奏に慣れてしまっていたせいか、スケルツォ、演奏し過ぎてすっかり慣れてしまった結果、流して弾いているのかな??と多少感じたことは事実です。



最後列で聴く音は、やや遠いかな?と感じたものの、響きは良く、細部までちゃんと聴こえました。
それに、オペラグラスを持って行って正解だったのは、この位置からだと両手、両足、全ての動きが実に良く見えた事です!


ショパンマズルカでの指のタッチは本当にデリケートなものでした。
鍵盤を撫でるように、奥から手前へと、伸ばした指で「弾く」のではなくただ「触れる」ように見えました。

ブラームスのフォルテシモも、決して鍵盤を下まで打ちつけないで、弦を最大限に大きく鳴らすタイミングが上手い!

とにかくどんな音も濁らず、ピアノ本体を響かせているのです。
弾く、というより、響かせる、という言葉が浮かんできます。

このデリケートな音の出し方、非常に参考になりました。

ペダルは、前回のドビュッシーの時ほどは、微妙な使い方はしていませんでしたが、
左のペダルをかなり効果的に使っていて、こんなに左を使うのか、と感じるほど出番が多かったように思います。


アンコールはブラームスの4つのバラードから3曲。
音の厚み、内声、実に味わい深い演奏でした。


もう一度聴きたい。
あまり間を置かず、ぜひまたリサイタルを開いて欲しいです。