『捜神記』読了。 | 呉下の凡愚の住処

呉下の凡愚の住処

春秋戦国の楚国、三国志の孫呉にすべてを捧げて生きています。
現在はあまり更新していませんが、
何も持っていなかった過去の自分が想定読者でした。
詳細は「プロフィール情報を詳しくみる」をご覧ください。

昨年10月11日に購入したもの(記録が残ってた)。
下にAmazonへのリンクを張っておきます。
平凡社の東洋文庫のもので、完訳本です。全464話。


成立は東晋で、著者は干宝
東晋は江南の王朝なんですよね。首都が建業とか感動をおぼえる。


『捜神記』には江南・江東地方の話が多く載ってます。
舞台となっている時代は漢(前後とも)が多め。三国時代も割とあり。
つまり三国時代にあの地方を治めていた呉の話は結構多いです(笑)。


江南が“荊蛮の地”などと呼ばれていたのは
三国時代から千年以上も前のことではありますが、
それでも権力の中心は中原にあったと見て間違いないですよね。
なので中央から離れた地のほうが、
変な話が広まりやすかったんじゃないでしょうかね。
中央だとそんな変な話をする人は殺されてしまいそうな……って妄想ですが。



もちろん北のほうの話も皆無ではないです!
曹操が土地の神を退治した話(巻十七・407『度朔君』)なんかは有名なのでは。
武帝記にも載ってますもんね。


廬植の祖先とされる盧充という人は幽霊と結婚したそうで、
幽霊さんとの間に生まれた子供は立派に成長し、
その子孫は二千石を食む郡太守などを歴任したそうな。
中でも特に天下に名を知られた子孫が廬植なんですと。(巻十六・397『幽婚』)


袁術の家の羊がいつの間にか神になってたり(笑)(巻十八・431『消えた羊』)
主よりも家畜のほうが偉くなってるよ! という残念な話(笑)。


こういうおもしろい話があるからやめられない。


孫権はその名がやたらたくさん出てきます。
たまーに話に絡んだりもするので(『三国志』の注でも取り上げられていない)、
呉ファンにはお得感満載な捜神記!
そのうち孫呉時代の話だけでもまとめたりしたいですねえ。


ちなみに何かしらの官位についてる人の話が多め。
庶民の話というのは意外と少ない気がする。
当時の暮らしぶりとか、お家の構造とかが随所に出てくるので楽しいです。
神様もめっちゃいっぱい出てきます。八百万の神というやつですね。
怪異に遇うのは強気な人が多いから、読んでてあまり恐怖を感じないのもよい。
(本人悪いことしてないのに死んじゃう人もいますが……かわいそうすぎる)


志怪小説は本当にたまらぬですよ!
オススメすぎます! みんなで読めば恐くない!



捜神記 (東洋文庫 (10))/干 宝



¥2,940

Amazon.co.jp