伏線の張り方が上手い映画とは? | 新人ライター奮闘記

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自分は今、制作会社に企画要因、プロットライターとして参加しています。

ブログには、プロデューサーとの打ち合わせや企画書の書き方についても書いていきたいと思います。


また、「文章の書き方」、「企画の見つけ方」なども書いて行きたいと思います

伏線とは何か?



「後でおこる事件なりドラマなりを、よくわからせるために、前もってさりげなく観客に示しておく作劇術」


と、ある作家は言っています。




前回のブログを書いた時に、次回は、この伏線の張り方が上手い映画を紹介させて頂こうと思っていたんです。




しかし、なかなか候補がみつかりませんでした。




理由は簡単。




たくさんあるからです(笑)、迷ってしまったんです(笑)




前回で取り上げたヒッチコック作品の中にも伏線の張り方が上手い映画がたくさんあります。




たとえば、「三十九夜」の小指の無い男、「バルカン超特急」の消えたオバサン、「知りすぎていた男」の「アンブローズ・チャぺル」という謎の言葉。




ヒッチコック作品以外にもあります。思いつく限り、ランダムに書いてみますね。




タランティーノ監督作品の「パルプフィクション」に出て来る、代々受け継がれて来たペン、「レザボアドックス」の撃たれたMr.オレンジ。




フランス映画、ジョルジョペナモン監督作品、「アパートメント」の「指輪」、「赤いハイヒール」、「日記」。



ロバートゼメギス監督作品、「バックトゥザフューチャー」の「時計台の落雷」、「マーティからドクへの手紙」、「マーティの父と母の出会いの説明」



などなど、思い出せばきりがないんです(笑)




でも、ここで重要なのは、誰もが納得する説明くさくない伏線を紹介したいという事です。




ありとあらゆる人が納得する伏線の張り方が上手い映画でなくては行けないんです。




そうなると、なかなか難しい(笑)




どれも、それなりに弱点があるような気がしてくる(笑)




よく、どんでん返しの映画で、「ユージュアルサスペクツ」を挙げる映画ファンがいますが、僕は苦手なんです。




なんか、ただ驚かしているだけって感じでダメなんです(笑)




う~ん、かなり困ってしまったわけなんですが、こんな時は、伏線の定義にもう一度、戻りましょう




「後でおこるドラマ、事件なりを、よく解らせるために、前もってさりげなく観客に示しておく作劇術」




この、さりげなくってやつがポイントですよね?




たとえば、主人公の父親が病気で倒れるというシーンを物語の後半部分で考えていたら、前半で伏線を張っておかなくてはいけません。




そうしないと、ドラマじゃなくて、単なるアクシデントになってしまう(笑)




でも、だからって、前半部分で頻繁に咳をさせたりすると、観客に「あっ、主人公の父親は、この後倒れるな!」と、ばれてしまう。




だから、伏線には、さりげなくが重要なんですよね。




いろいろ考えましたが、このさりげなくを、ほぼ完璧にクリアしている作品は、やはり、あの人の作品しかありません。




もう、おわかりですね?(笑)




そうです、ビリーワイルダー監督作品、「アパートの鍵貸します」です。




やっぱり、名前に使わして頂いているので、ここで取り挙げないわけにはいかないと思ったんです。




それに、この作品を挙げておけば、かなりの映画を観ている映画ファンでも、まぁ、納得するだろうという打算的な考えも実はあります(笑)




有名な、「鏡の割れたコンパクト」は、伏線のお手本ですよね。




ストーリーを振り返ってみます。「アパートの鍵貸します」を観ていない方は、内容に触れますので、お気をつけください。




全体を三幕構成で考えます。




第一幕(状況設定)



主人公、CC・バクスターは大きな会社の経理を担当している。彼は、社内のエレベーターガール、フランに恋をしているのだけれど、自分の気持ちを伝えられないでいた。



そんな彼には秘密があった。夜になると、自分のアパートを上司の情事のために貸しているのだ。昔、アパートを友達に貸した事があり、その事が次から次へ人づてに伝わって、ついに上司の耳に入ったというわけなのだ。



本当はアパートを貸す事が嫌で嫌で仕方がなかったが、「いずれ、出世させてやる」という上司の言葉に負けて、ついついアパートを貸してしまい、ここまで来てしまった、バクスター。



第二幕(葛藤)



バクスターは、ある日、フランをデートに誘います。

しかし、待ち合わせの場所にやってこない、フラン。ガッカリする、バクスター。



フランは、バクスターの約束を守るために、約束の場所に行こうとしますが、今、つき合っている男に引き止められていたのです。



その男は、会社の上司で、部長を務めている。フランは部長の強引な誘いを断ることができませんでした。フランは、別れようと思っていたのですが、部長の顔を見ると、愛おしくなってしまうのです。



別の日、バクスターは部長に呼ばれます。ついに、出世したのです。

アパートを貸すのも、部長一人にして、他の上司達は断る事にしていました。



バクスターは、アパートに忘れられていた鏡の割れたコンパクトを部長に渡します。



部長は自分のつき合っている女と喧嘩になり、その時に、コンパクトを投げつけて来たのだ、と笑いながら説明します。



その夜、会社ではクリスマスパーティーが行われました。



バクスターは、胸を張って自分が出世した事をフランに話し、帽子屋で値段の高い帽子を買ったと自慢します。



その時、フランは、「とっても似合うわよ」と、自分が持っているコンパクトの鏡をバクスターに見せます。



その瞬間、ハっとします。フランが持っていたコンパクトは、割れていたのです。



なんと、あの部長に渡したコンパクトと同じものだったのです。



この時、バクスターは悟ります。部長がつき合っている女は、自分が恋するフランだという事を。




どうでしょうか?上手いでしょ?(笑)、注目すべきは、バクスターがコンパクトを部長に渡すシーンです。



このシーンでは、バクスターは出世に喜びワクワクしていて、のちに割れたコンパクトの鏡が伏線として使われると予想出来ません。



あのシーンは部長とバクスターの女についての世間話しをするシーンとして描かれているんです。だから、誰も気づかない。名人芸ですね。




これからも、ビリーワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」は、伏線のお手本として語り継がれて行くと思います。




まだ観ていない方は、ツタヤで借りて観てみてください。