見応えのあったダイヤモンドリーグユージーン大会
2022年世界陸上が行われたスタジアムで開催されたダイヤモンドリーグユージーン大会。風は絶好の条件というわけではなかったものの各種目で好記録がマークされました。今大会一番のサプライズは男子200mで18歳の高校生(日本に置き換えると大学1年生)のテイト・テイラーが自己新記録となる19秒75を-0.9mの悪条件の中マークして圧勝したことだと思います。テイト・テイラーのイメージは、SEIKOゴールデングランプリでのライルズよりも遅く、すぐ頭が上がってしまうスタートの大きな出遅れから後半の爆発力というものでしたが、今回は全く違いました。綺麗な前傾を保ちながら大きなストライドでスタートからグングン進んで行き、最初の100mを10秒21で通過しています。持ち味の後半でも後半型のテボゴのラスト100mを0.13秒上回る9秒54でカバーして完勝しました。同世代のガウトガウトと比較されることも多いと思いますが、このレースを見るまでは、両選手ともスタートに難ありで後半の爆発力が持ち味という認識でしたが、テイラーは弱点を克服してガウトガウトよりも1枚も2枚も上手の印象です。男子100mは今季10秒72(+2.2)を記録し絶好調のアジャイが、世界王者のセビルに完勝しました。アジャイのデータは9秒84(+0.1)RT0.1821~16歩3秒1116~21歩1秒01歩数45.1歩二次加速ピッチ+0.13中盤以降のピッチ-0.08身長は高くないように見えるので、1~16歩は身長を考えるとかなり大きく入っています。そこからピッチアップし、三次加速はストライド重視のボルトスタイルのデータとなっています。最近は、中盤以降のピッチの数値がプラスである三次加速でもしっかりピッチを刻んで行くスタイルが多くなっていますが、三次加速をピッチ重視(セビル等)で行くかストライドを重視するか(アジャイ等)はその選手の好みで良いと思います。女子100mは新旧世界王者に新進気鋭の三つ巴の争いとなりました。優勝したメリッサ・ジェファーソンウッデンは初戦で課題となっていた1~16歩を早く入ってしまったために二次加速ピッチが上がらなかった点を修正し、しっかりピッチアップして東京世陸の走り方に戻っていました。シャキャリ・リチャードソンは昨年の不調を完全に脱して2戦連続10秒7台をマークしました。リチャードソンはこれまでよりも1~16歩をかなり大きく3秒21で入り、16~21歩を1秒02で走って二次加速ピッチ+0.23としっかりピッチアップしてダイナミックな走りを見せています。前戦の1~16歩は3秒08で10秒77(+0.3)とパフォーマンスは変わらないので、今後も今日のようなかなり大きな走りで行くのか、それとも通常の入りに戻すのか注目したいです(その中間くらいという選択肢もありますが)。3位に入ったアダイヤ・ホッジは2006年3月生まれの20歳にして男子顔負けの筋肉粒々の姿が印象的で、2024年に禁止薬物で2年間の出場停止を科されている選手なのは気になる所です。好記録で盛況だったダイヤモンドリーグユージーン大会は、非常に見どころが多く、早起きして生配信を見る価値があった大会でした。