今年の日本選手権100mは予選から波乱が起きました。
優勝候補大本命の栁田大輝選手がまさかのフライング失格で1本も走らずに姿を消すと、先月下旬に股関節を痛めていたサニブラウン選手も予選敗退と標準記録突破者とワールドランキング圏内の有力者二人が消える展開となりました。
予選で好調さを見せたのが、2020年以来の優勝を目指していた桐生祥秀選手でした。
向かい風1.5mの悪条件の中、大きく流しながら10秒23と非常に出来が良かったのが印象的でした。
この時の桐生選手は二次加速ピッチが+0.12と二次加速ピッチが上がって来る桐生選手は後半までしっかり伸びて来ます。
しかし、準決勝では予選とは対照的な走りで、二次加速ピッチが-0.08とピッチダウンの走りとなってしまい、組1着を守選手に譲る結果となりました。
Xで散々桐生選手の好不調のバロメーターは二次加速ピッチが上がるかどうかと呟いていますが、決勝に向けて桐生選手にとって最高のレーン配置だと感じていました。
桐生選手は決勝3レーンで隣の2レーンは前半得意の木梨選手で、どんな試合であろうとしっかりとピッチアップ出来る選手です。
実際のレースでも前半桐生選手と木梨選手はほぼ並んで走っており、木梨選手のピッチに影響されて桐生選手はしっかりとピッチアップ出来た事で後半までしっかり走れて完勝に繋げました。
もし、隣が順調に準決勝を突破してきた栁田選手であれば、逆に悪影響を受けたかもしれません。
栁田選手のスタートの飛び出しは桐生選手を上回るので、スタートで前に出られてしまうでしょう。
栁田選手のピッチと桐生選手のピッチは全然違うので、栁田選手のピッチに惑わされると後半失速するレースになった可能性も十分あります。
桐生選手にとって隣の木梨選手は自身のパフォーマンスを最大化してくれる最高の相性の選手だったと思います。
今大会の優勝記録10秒23(+0.4)に対して不満を述べるコメントが見られるようです。
これは、日程も影響していると思います。
決勝で良いタイムを望むには、初日に予選、二日目に準決勝・決勝(準決勝から決勝までしっかりインターバルを取る)を行う日程にするべきだと思います。
初日に2本、少なくとも準決勝を全力で走ると、二日目への影響が大きいように思います。
そして、1日で2本走る場合は、1本目より2本目の方がタイムを伸ばす選手が多い印象です。
女子100mでも200m予選をこなした井戸選手が完勝したように2本目にパフォーマンスが最大化される事が多いように見えます。
予選を初日、準決勝・決勝を2日目にするためには、200mの日程を考えると日本選手権を3日間ではなく、4日間にしなければならないでしょう。
100mのタイムを出させようとするなら日本選手権を4日間開催にし、初日に予選、準決勝・決勝を2日目にする日程にした方が決勝で好タイムが望めると思います。
