Part.11に引き続いて、新しいコンデンサや抵抗を取り付けて配線します。
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検波出力信号からマジックアイのグリッド駆動電圧を生成する積分回路に
『 2MΩ 1/2W 』の抵抗が使用されていたけど、同じ定格の新しい抵抗が入手
できなかったので、『 1MΩ 1/2W 』の抵抗を2個直列に接続して『 2MΩ 1W 』
の抵抗を作りました。
念のため、テスターで『 2MΩ 』になっている事を確認しました。
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作った抵抗を2個のラグ板の端子間に接続しました。
左側の端子は検波出力信号、右側の端子はマジックアイのグリッドへの配線と
積分回路を構成する『 0.047μF 』のMPFコンデンサが接続されています。
画像では2個の抵抗の接続部分が真空管ソケットの端子に接触しているように
見えるけど、実際は上下方向に十分な間隔があるので大丈夫。
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今度は、局部発振コイルと『6BE6』のコントロールグリッドの間に接続する
『 47PF 』のマイカコンデンサと『 150Ω 1/4W 』の金属被膜抵抗の複合部品を
作ります。
標準的な5球スーパーの回路図では『 50PF 』のコンデンサだけで接続されて
いる場合が多いようだけど、このラジオの場合は『 150Ω 』の抵抗が直列に
接続されていました。
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作成した複合部品をバリコンプーリー下のラグ板の端子と『6BE6』の1ピン
(コントロールグリッド端子)の間に接続し、『6BE6』の1ピンとアースの間
には『 20kΩ 1/4W 』の抵抗を接続しました。
ラグ板の端子には局部発振コイルからの既存配線が接続されています。
次は、操作パネルの『電源スイッチ-音量調節(SW-VOLUME)』用可変抵抗器と、
『音質調節(TONE)』用可変抵抗器、そして『モード選択(SELECTOR)』用の
ロータリースイッチ周辺の配線作業です。
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左側から、SELECTOR用ロータリースイッチ、SW-VOLUME用可変抵抗器、そして
TONE用可変抵抗器です。
TONE用可変抵抗器には可変抵抗器の中点位置で切り換わるタイプのスイッチが
付いていて、音質のモードを切り換える目的に使用されています。
また、抵抗体の中点タップ端子が付いている珍しいタイプの可変抵抗器です。
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TONE用可変抵抗器の中点タップの端子からVOLUME用可変抵抗器のアース端子
へ配線しました。
VOLUME用可変抵抗器のアース端子は錫メッキ線の既存配線でシャーシのアース
端子に接続されています。
この錫メッキ線の半田付け部分に接触不良があって、それがPart.1~Part.8に
書いた“『ガリガリ』『バリバリ』という最大音量の雑音”の原因になって
いたのではないかと推定しています。
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ロータリースイッチのアース端子をVOLUME可変抵抗器のアース端子に接続しました。
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ロータリースイッチの端子にコンデンサを4個取り付けました。
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オリジナル状態ではVOLUME用可変抵抗器のSW(電源スイッチ)部の端子に交流100V
電源線を接続する用途に3芯シールド線を使用していたので、新しい3芯シールド
線材を購入して、オリジナルと同じ形状に加工して使用する事にしました。
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シールド線のSW(電源スイッチ)側の末端処理です。
交流100V電源の片方のラインをオン、オフするだけなので2芯で良いはずだけど
何故かオリジナル配線では3芯が使用されていたので、それを踏襲しました。
芯線被覆の色は、オリジナルの“赤-黒-青”が“赤-黒-白”になりました。
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オリジナルに倣って、赤と黒を1本に束ねて右側のSW端子に接続し、
白は真ん中のSW端子に接続しました。
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シールド線の反対側はシャーシの穴から裏側に通し、シールド網線の先端が
アース端子に届くように錫メッキ線を継ぎ足しました。
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こちらも赤と黒の芯線を1本に束ねました。
シールド網線とそれに継ぎ足した錫メッキ線にはビニール?チューブを被せました。
この黄色いビニール?チューブはオリジナル品をそのまま再使用しました。
品質の良い材料が使われていたらしく、半世紀経過しているにも関わらず柔軟性が
十分あり、表面に艶があります。
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赤と黒を束ねた芯線は電源トランスに繋がるソケット端子に接続し、白の芯線は
交流100V電源の既存配線が繋がるラグ板の端子に接続し、シールド網線に継ぎ
足した錫メッキ線はシャーシ上のアース端子に接続しました。
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TONE用可変抵抗器のスイッチ端子に接続する複合部品を作ります。
片方のリード線だけを絡ませた“半抱き合わせコンデンサ”です。
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錫メッキ線を継ぎ足しました。
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参考にしたオリジナル品です。
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各リード線にヒシチューブを被せて完成です。
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ロータリースイッチの端子とTONE用可変抵抗器のスイッチ端子の間に複合部品を
接続して完成です。
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VOLUME用可変抵抗器とTONE用可変抵抗器の端子間にコンデンサと抵抗を1個ずつ
取り付けて、この部分の配線は完了です。
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この部分のオリジナル状態の写真です。
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これでシャーシ上の配線は完成しました。
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裏側です。
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キャビネットの底板に取り付けられている出力トランスです。
端子板に取り付けられていた NFBネットワークを構成するコンデンサと抵抗は
Part.8で取り外したままなので、新しい部品を取り付けます。
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“0.47μF 400V”のメタライズド・ポリエステルフィルム・コンデンサと、
“1kΩ 1/4W”の金属被膜抵抗です。
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端子板の該当する端子にに取り付けました。
これで、このラジオの老朽化したコンデンサと抵抗の交換は、一部を除いて
完了しました。
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この続きは“Part.13”(公開済み)へ・・・

























