真空管ラジオ『 コロムビア COLUMBIA 1510 』の修復 - Part.11 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
このPart.11では、Part.9の続きの組み立て作業を行います。

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マジックアイのソケット端子間に抵抗が取り付けられているのを見つけました。
回路図では『 RS 1MΩ 1/2W 』と表示されていて、マジックアイのプレートと
ターゲット電極の間に接続されています。 “RS”は“ソリッド抵抗”の意味か?

全ての抵抗を新品に交換する方針なので、この抵抗も新しい物に交換します。

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古い抵抗を取り外してテスターで測定してみたら『 約1.5MΩ 』でした!
ソリッド抵抗には「抵抗値の経年変化が大きい」という特徴が有るらしいので、
“+50%”というのは半世紀分の経年変化としては妥当なものかも知れません。

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しかし、このテスターも約40年前に購入した製品なので相当劣化しているのでは
ないか?と疑って、新しく購入した『 1MΩ 1/2W 』の抵抗を測定してみました。

結果は『 ほぼ1MΩ 』を指したので、少なくとも抵抗測定の×10kΩレンジに
関しては、ほとんど劣化していないようなので安心しました。

また、コンデンサだけでなく抵抗も全て交換するという方針は正しかったようです。

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ソケットの端子間に新しい『 1MΩ 1/2W 』の抵抗を取り付けました。

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次に、周波数変換/局部発振管『6BE6』と1段目中間周波トランス周辺の
部品を取り付けて、配線しました。

次は電力増幅回路と低周波増幅回路周辺を組み立てます。

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電力増幅管『6AQ5』のカソードに接続するバイアス抵抗『 200Ω 1W 』と
パスコン『 10μF 450V 』の抱き合わせ部品を作りました。

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『6AQ5』のカソードとアースの間に接続しました。

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低周波増幅管『6AV6』のプレートと電力増幅管『6AQ5』のコントロール
グリッドの間に接続するカップリングコンデンサ『 0.01μF 400V 』は、
オプション接続用?のコネクタを経由するため距離が長くなるので、一方の
リードに長~い錫メッキ線を継ぎ足しました。

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リード線にヒシチューブを被せて『6AV6』のプレート端子(緑円内)と
オプション接続用コネクタの5ピン(黄円内)の間に接続しました。

オプション接続用コネクタの5ピン(黄円内)と3ピン(赤円内)は通常はプラグで
短絡されていて、薄緑色の配線を経由して『6AQ5』の7ピン(青円内:コント
ロールグリッド端子)に接続されています。

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次にボリューム調節用可変抵抗器の配線に使用するシールド線を作ります。
手前の元々使われていたシールド線を見本にして、先ず外皮を切断しました。

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芯線の被覆をカットして、シールド網線を細く束ねて末端処理は完了です。

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『6AV6』の1ピン(緑円内:コントロールグリッド端子)とシャーシ裏側の
可変抵抗器の端子の間を接続しました。

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『6AV6』の1ピンにズームイン。
こちら側のシールド網線は外皮と同じ位置でカットして、どこにも接続しません。

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シャーシ裏側の可変抵抗器です。
芯線(白色)をボリューム可変抵抗器の真ん中の端子(可動接触子の端子)に接続し、
シールド網線を束ねた導線(黒色)は、シャーシ(アース)に接続された端子に接続
しました。

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Part.8に書いたようにこのラジオには『負帰還回路』が採用されているので、
低周波増幅管『6AV6』のカソード周りの回路が複雑で、多くのコンデンサ
と抵抗が使用されています。

1つの端子に4~5個の部品を半田付けする必要があって作業が難しいので、
予めコンデンサと抵抗の抱き合わせ部品を3組作って対応する事にしました。

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3組とも取り付けが完了しました。

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シャーシ全体の現状です。
完成が間近です。

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