真空管ラジオ『 コロムビア COLUMBIA 1510 』の修復 - Part.13 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
Part.12でコンデンサと抵抗の交換作業が全て終わったので、
このPart.13では念のため半田付け箇所の状態をチェックして、
問題があれば補修します。
そして、パワーオンします。

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これは酷い!
『0.047μF』MPFコンデンサのアース側リードがシャーシ上アース端子の
ハンダから完全に外れています。

抵抗を抑えていた指を、ハンダが固まる前に離してしまったのかも・・・?
ハンダの塊が大きくてハンダごての熱量も大きいので冷めて固まるまでに
長めの時間が掛かるという事を忘れていたようです。

近頃はプリント基板上の半導体や小型部品を扱う事が多くて真空管ラジオを
扱うのは久しぶりなので要注意です。

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補修しました。
ハンダ表面の艶の出方が今ひとつですが。

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『6BA6』の6ピン(スクリーングリッド端子)に接続された『50kΩ』金属
被膜抵抗のリードのハンダが少し足りないような気がします。

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追いハンダで補修しました。

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マジックアイのターゲット電極/プレート電極に電源を供給する『50kΩ』の
金属被膜抵抗のリードにハンダが十分に被っていないようです。

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これも追いハンダで補修しました。
かえってハンダ表面の艶がなくなってしまったような気がするけど、
いじり過ぎてハンダを怒らせてしまうと厄介なので、この辺りで妥協します。

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『6AQ5』カソードのパスコン(『10μF』アルミ電解コンデンサ)のリードと
シールド線のシールド網線の延長錫メッキ線を接続するシャーシ上アース端子の
ハンダがだらしなく広がってしまっています。

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ハンダをコンパクトに格好良くまとめました。

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少しピンぼけ画像だけど、『6AV6』の2ピン(カソード端子)のハンダの
量が少なすぎて表面が荒れている感じがします。

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2ピンのハンダを補修しました(画像のアングルが90度回転)。
我ながら良好な仕上がりです。

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2段目IFTの二次側端子のハンダが少な過ぎるようです。

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追いハンダして補修しました。

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検波出力を音質/音量調節回路や、AVC回路、マジックアイ回路に分配する
分岐点のラグ板端子のハンダが痩せすぎのようです。

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追いハンダして、ふくよかな状態にしました。

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7本?の配線が集中するシャーシ上アース端子のハンダ表面が荒れ気味です。

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追いハンダして形を整えました。少し黒ずんでしまったけど・・・。

これでハンダ付けのチェックと補修は完了です。

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キャビネット底板上の出力トランスの端子にシャーシへの配線を接続しました。

各端子の種類と接続先は、左端から順に以下の通りです。
①出力トランスの一次側巻線端子:電力増幅管『6AQ5』のプレートへ
②NFBネットワーク端子     :低周波増幅管『6AV6』のカソード周辺へ
③出力トランスの一次側巻線端子:半波整流管『5M-K9』のカソードへ
④出力トランスの二次側巻線端子:スピーカーのボイスコイル端子へ
⑤出力トランスの二次側巻線端子:スピーカーのボイスコイル端子とシャーシの
                     アース端子へ

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このバラック状態で電源を入れてみる事にしました。

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B電源の平滑回路入力(=整流管のカソード)の電圧を測定するためにテスターを
該当端子に接続しました。

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電源を入れたら4個のパイロットランプが点灯しました!!

ボリュームツマミを少し上げて、しばらくしてからバリコンのプーリーを
ゆっくり回していったら、NHKラジオ第1放送の番組が受信できました。
テスターの針は『173V』を指しています。

回路図上に主要ポイントの標準的な電圧が表示されていて、このポイントの
電圧は『266V』と表示されています。
これに対して『173V』はあまりにも低すぎます。

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誤配線などによる異常事態をチェックする目的で交流100V電源に接続して
おいた電力測定器(ワットチェッカー)は『38W』を表示しています。

このラジオの定格電力は回路図上の表示によると『42W』なので、想定した
過大電力の異常事態は発生していないけど、逆にやや少なすぎる感じです。

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パワーオンから15分ほど経過しました。
B電源の平滑回路入力の電圧は『235V』まで上昇したけど、標準値『266V』に
対してはまだ低すぎるように思われます。
また、15分間に『60V』上昇するのも異常な感じです。

原因としては整流管『5M-K9』の劣化が疑われるので、交換してみる事に
しました。

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