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2005.6.17 am

 16日のニューヨーク外国為替市場は、EU首脳会議で予算や2006年11月に設定していたEU憲法批准時期の延期などが協議され、ユーロ地合いが悪い中、6月米フィラデルフィア地区連銀の製造業業況指数はマイナス2.2となり、前月の7.3から悪化。マイナスに転じるのは2年1カ月ぶりで、事前予想のプラス10.0を下回るなど、米CPI消費者物価指数や対米証券投資に続いて弱い米経済指標が発表されましたが、テクニカル的な強さと地合いの良さにも支援され、ドルはユーロとスイスフランに対して上昇。ドルは指標発表の前から、短期的なロング・ポジションの巻き戻しが先行し、ユーロ/ドルは1.2150を目指す動きになり、ドル/円は下値メドとされていた108.80~90円付近を割り込んでストップロスをつけたことで、一時108.66円まで下落しました。原油価格が55ドルを超えて上昇しているにも関わらず、米長期金利低下なども材料となり、108円後半~109円前半ではテクニカル系ファンドなどの買いが入っていましたが、かなりの量の輸出の売りに上値を抑えられています。ドル/円は、依然、輸出企業のドル売りなどで上値が重いようですが、ユーロが弱含みとなっている限り、円安要因はあまりなく、108円を割り込んで急落する可能性は低いと思われます。しかし、週末要因のドル調整売りや製造業業況指数の数字はドルの頭を抑え、ユーロの1.20ドル試しにネガティブ要因となるのではないでしょうか。ただ、これで米経済に対する肯定的な見方がなくなることはなく、FRBが引き続き慎重なペースで金利を引き上げるという見通しは変わりません。原油価格上昇に関しては、高金利通貨のポジティブ材料。石油コンサルタント会社オイル・ムーブメンツのアナリスト、ロイ・メーソン氏は16日「OPEC石油輸出国機構加盟11カ国(イラクを含む)による7月2日までの4週間の原油輸出量は日量2419万バレル、6月4日までの4週間(同2428万バレル)から同9万バレル減少し、先週の数値に比べると輸出量は同16万バレル増加しており、5月半ばから6月下旬にかけての減少傾向から回復の兆しが見られる。7月には出荷量が再び上向く公算がかなり大きい」としています。また、メキシコのエリソンド・エネルギー相は同日ノルウェーのビドベイ石油相と会談後、記者会見で「原油価格が現在の水準近辺か、それを若干下回る水準で安定することを期待するが、メキシコはフル生産を行っており、価格を押し下げるために増産する余力はない」との見解を示しました。両国はともにOPEC非加盟国。
 また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万578ドル65セントと、前日の終値に比べ、12ドル28セント高で取引を終了。
 今日は、米国で第1・四半期米経常収支(0830EDT、日本時間21:30、商務省、予想-1900億ドル、前回-1879億ドル)、6月米ミシガン大消費者信頼感指数速報値(0945EDT、日本時間21:45、予想88.8、前回86.9)。カナダ4月卸売売上高(日本時間21:30、予想+0.7%、前回+0.5%)欧州で、4月仏経常収支(0645GMT、日本時間15:45、財務省)、4月ユーロ圏鉱工業生産(0900GMT、日本時間18:00、統計局、予想+0.1%、前回-0.2%)、5月独生産者物価指数(0600GMT、日本時間15:00、連邦統計庁)、ECB会議のトゥンペルグゲレル専務理事(0700GMT、日本時間16:00)・ゴンザレス・パラモ専務理事(1215GMT、日本時間21:15)・イッシング専務理事(1415GMT、日本時間23:15)などのパネルディスカッションや、トリシェ総裁の閉会の挨拶(1600GMT、日本時間18日1:00)なども気になるところです。  

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2005.6.16 am

 15日のニューヨーク外国為替市場では、米財務省による4月の海外投資家の対米証券投資が、予想の600億ドルに対して474億ドルの買い越しで、米貿易赤字の補填に必要な金額を2カ月連続で下回ったこととなり、ドルは軟化。4月と3月の米貿易赤字はそれぞれ570億ドルと536億ドルです。主要通貨バスケットに対するドル水準を示すドル指数はこの日、過去3カ月で最大の下げ幅を記録。ユーロは、足元のドルのロング・ポジションを解消する動きから、1.21ドル前半を回復して9ヶ月ぶりの安値を挽回しています。また、5月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比0.4%上昇となり、予想の0.2%上昇を小幅ながら上回る内容。FRBが発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、全般的に景気を楽観した見方を示しました。しかし、14日発表の5月PPI卸売物価指数に続いて、インフレ指標である5月CPI消費者物価指数は、エネルギー・コストの2%下落を主因として0.1%下げ、10カ月ぶりの低下となり、4月の0.5%上昇の後、5月は変わらずになるという予想を裏切りました。振れの大きい食品とエネルギーを除くコア指数は同0.1%上昇。予想は0.2%の上昇。このCPIや「インフレ圧力は引き続き緩やかだ」とする米地区連銀経済報告もフェデラルファンド金利の追加引き上げに対する期待感を冷ましました。一方、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0566ドル37セントと、前日の終値に比べ、18ドル80セント高で取引を終了。
 何度か1.20ドル割れを試しても割り込めなかったことから、直近高値の1.2150ドル付近までは、底堅くユーロ買い戻しが続き、ドル/円も高値を目指してのドル買い基調ではないものの、109円前半から下値では買い意欲が増し、前週末に上値のメドとなっていた108円後半はサポートされそうです。
 カナダ中銀のドッジ総裁は、カナダのマニトーバ州のウィニペグで講演し、カナダ中銀がオタワでその講演内容を公表しました。総裁は「強い内需が、経済成長への純輸出の寄与の減少を相殺している証拠が引き続き出ている。成長とインフレの見通しに沿って、金融面の刺激の減少、すなわちカナダの政策金利は依然としていずれ上昇する必要がある。商品価格の上昇につながるエマージング市場の成長や世界的な不均衡が過去2年、米ドルに対するカナダドルの急上昇につながった」との見方をあらためて示しています。
 また、米上院は、CEA経済諮問委員会の委員長にFRBのベン・バーナンキ理事が就任することを承認。
本日は日本時間14:00に4月機械受注が発表となる予定で、市場予想では前月比0.2%の減少、前回は1.9%。振れの大きい指標ですが、大幅プラスとなれば、ドルの買い持ちポジションを巻き戻す手がかり。
 一方、欧州でも25カ国EU首脳会議、ECB理事会がブリュッセルで開かれますが、焦点はフランス、オランダの国民投票で批准が否決された欧州憲法の救済策と、EUの07~13年の予算案です。しかし、憲法救済には具体案がないのが現状で、総額約9000億ユーロ(約120兆円)の予算の交渉も、打開のめどが立たない状況となっています。今後憲法の批准を行うスウェーデンやデンマークなどの国が求めるのは、EUの「明確な態度」であり、EUが明確な憲法を発効させる意思を示さないうちは、批准手続きを進める「意味がない」(デンマーク)との判断で、14日、スウェーデンのペーション首相は議会で「EUは憲法の批准期限を撤廃すべきだ」と述べました。憲法は各国に来年11月までの批准を求めていますが、仏などの否決後、英が批准の是非を問う国民投票を凍結。デンマークやチェコも、憲法否定派の増大を背景に、凍結を検討中です。このままでは、未批准国の不満が高まる可能性があります。 
 15日、欧州議会でEU議長国・ルクセンブルクのユンケル首相が「首脳会議での予算交渉妥結は、欧州に競争力を求める英国と、経済社会の安定を目指す大陸側の考えの違いから、不可能な情勢だ」と発言。英国のリベート(還付金)制度は、英国がEUの農業補助金をほとんど受けないことを理由に、一時的に払った拠出金(EU予算)の還付を受ける制度で、04年で約46億ユーロに上りますが、仏など大陸側はこの削減を強く求めています。しかし、これを守りたい英は、逆に年約100億ユーロに上る仏への農業補助金を「不公正だ」と反撃。最近、当初の「リベート死守」から「仏が農業補助金を削減するなら、英国も応じる」と軟化しましたが、各国が反発している状況です。農業補助金を軸にしたEUのCAP共通農業政策はEU拠出金全体の4割以上。英国が補助金を批判するのは「弱者救済の発想が強すぎ、EU全体の競争力がつかない」ためだとしていますが、14日の英仏首脳会談では、シラク大統領が「CAPは不可欠だ」と反発し、ブレア首相も「違いを克服するのは難しい」としています。英国は7月からEU議長国となるため、今回合意できない場合は議長の指導力を使って農業補助金の削減を推進したい意向。
 余談ですが、EUは労働時間を週48時間に制限していますが、英国などには長時間労働を認める「例外規定」が適用されています。最近EU閣僚会議はこの規定をなくす方向で議論するものの、英国は「好調な経済を壊すつもりか」と猛反対し、協議は無期延期となりました。
 【欧州憲法・・・・EU加盟国が現25カ国から将来約30カ国になることを考慮して昨年採択された、民主的・効率的な運営を目指すEUの基本法。EU大統領・外相の創設や、効率的な多数決方法のほか、EU「国歌」なども規定。欧州の「国家」としての枠組みを作ったもの。本文は全448条で、大部分は00年12月に発表したEU基本権憲章や現行のニース条約(再改正欧州連合条約、03年発効)などの既存の条約を、再掲したもの。】  

2005.6.15 am

 14日のニューヨーク外国為替市場では、オプション絡みの取引からドルがユーロに対して続伸し、新たな9カ月ぶり高値。ドルは最近の上昇でテクニカル的にも強い状態にあり、米5月小売売上高(季節調整済、前月比マイナス0.5%、自動車を除いたベースは同0.2%の減少)や5月PPI卸売物価指数(季節調整済、前月比で0.6%の下落、市場予想は同0.2%低下、コア指数は同0.1%の上昇)が予想を下回りましたが、米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁などの発言が、FRBの継続的な利上げ見通しを後退させる内容ではなかったことなどで、FRBが正常で中立とみなす水準まで利上げを継続するとの市場の見方は変わらずです。1.20ドルに大きなストップロスが控えているという噂もあります。もし、ストップが付けばドル/円も110円台に向けて上値を伸ばす可能性があります。また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0547ドル57セントと、前日の終値に比べ、25ドル01セント高で取引を終了。
 本日は米国で5月CPI消費者物価指数、4月対米証券投資、5月鉱工業生産、地区連銀経済報告発表、ミネハン米ボストン地区連銀総裁やコーンFRB理事が講演を行う予定。 また、OPECは日本時間15日午後5時(0800GMT、現地時間午前10時)からウィーンで総会を開き、原油生産枠に関する協議を開始する予定。OPECは生産枠を日量2800万バレルに50万バレル引き上げることを検討中。原油価格が1バレル50ドル超の水準にとどまった場合、さらに50万バレルの追加増産を決定できる権限をOPEC議長に付与するかどうかに注目です。原油相場は今年に入って25%上昇していますが、OPEC生産枠引き上げ観測には反応していません。生産枠を引き上げても、実際に新たな原油が市場に直ちに供給される公算は小さく、現在の過剰生産を追認するに留まるとみられているようです。14日のNYMEXニューヨーク商業取引所の原油先物相場は、前日の上げを受けた利食い売りに反落したものの、1バレル55ドル台を維持。ディスティレート在庫の動向も気になるところですが、前日の急伸から、利益確定が高まりました。米EIAエネルギー情報局は本日、6月10日までの1週間の石油在庫統計を発表しますが、ロイター通信のアナリスト調査では、意見は分かれているものの、平均では原油在庫は小幅減少と予想されています。 

2005.6.14 am

 13日のニューヨーク外国為替市場では、米欧の金利差を背景にドルが一時ユーロに対して9カ月ぶり高値。ユーロ圏と比較した米経済の堅調さ、フランスとオランダがEU憲法批准を否決したことを受けた欧州の政治的結束をめぐる懸念、といった要因が、ここ数週間の、ユーロの大きな圧迫材料。一方、米貿易赤字が事前予想より小さかったこと、グリーンスパン議長の先週のコメントが明るい内容だったこと、などを背景に、FRBが一段の利上げを行うとの観測が高まっています。また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0522ドル56セントと、前週末の終値に比べ、9ドル93セント高で取引を終了。
短期的にドル円は110円台を狙った動きになりそうです。
竹中経済財政・郵政民営化担当相は、閣議後の会見で、13日に発表された1~3月期GDP2次速報値が、前期比プラス1.2%(1次速報値はプラス1.3%)と下方修正されたことを受けて「経済の見方に対する基本的なスタンスを変える必要はない、」と語っていました。

2005.6.13 am

 ドル/円は、108円台で堅調な動きが予想されている。週末G8財務相会合本会では為替に言及なし。朝食会や会合後では、為替の柔軟性や人民元について言及がなされました。前週末は、グリーンスパンFRB議長の議会証言が、市場にくすぶっていた米国の利上げ頭打ち観測を後退させ、4月米貿易統計が小幅な赤字拡大にとどまったことや谷垣財務大臣とスノー財務長官の会談が材料となり、ドルが全面的に上昇。対ユーロを初めとして、ドルは一段高のきっかけを探る展開。ドル/円は前週末高値の108.70円付近は実需の売りなどでいったん重くなりそうですが、ユーロが下げ幅を広げれば、109円台まで上値を伸ばす可能性もあります。ただ、米景気の不透明さや既にドルロングポジションが高水準に達していることから、一段のドル買いにはさらなる材料が必要でしょう。巨額の米経常赤字が長期的にドルを圧迫する恐れがあるという不安感が広がる中で、14日の5月米小売売上高、15日の5月米消費者物価指数、6月NY連銀景況指数、17日に6月米ミシガン大消費者信頼感指数など、米インフレ指標や経常収支、対米証券投資の統計など、米経済の構造面での健全さが焦点です。14、15日に開かれる日銀金融政策決定会合では、当座預金残高30~35兆円とする現行政策が維持される見通しで、決定会合後の福井日銀総裁の会見が注目されます。
 一方、ユーロは仏蘭のEU憲法の批准否決が色あせても、景気減速懸念など依然として不透明感が強い。16日から開催されるEU首脳会議が注目。また、16日には日本4月機械受注が発表。

 内閣府が発表した2005年1~3月期実質GDP国内総生産の2次速報値は、前期比プラス1.2%。年率換算の実質成長率はプラス4.9%。1次速報値では、それぞれプラス1.3%、プラス5.3%でした。民間設備投資の2次速報値はプラス2.4%(1次速報値プラス2.0%)。民間在庫品増加の成長率へ寄与度はプラス0.3%(同プラス0.4%)。一方、名目GDPは前期比プラス0.6%(同0.6%)、GDPデフレーターはマイナス1.0%(同マイナス1.2%)。また、本日13時30分経済産業省発表予定の4月鉱工業生産確報は、速報では、生産の前月比は2.2%上昇、3カ月ぶりの上昇。出荷は同2.7%上昇で2カ月連続上昇。在庫は同横ばい。

2005.6.11

 10日の東京外為市場では、グリーンスパンFRB議長の議会証言が米景気の底堅さと慎重なペースながら利上げの継続性を示唆したことから、ドル買いが先行し、円相場は続落。米国の対中貿易赤字額によって、人民元の切り上げ圧力が強まるとの見方と4月米貿易収支が拡大したものの予想より少なく、対日赤字も縮小、ドル買い。一時、前日比1円25銭円安・ドル高の1ドル108円69銭と、今月1日以来の円安水準をつけました。
 米商務省が発表した4月の貿易赤字は569億6000万ドルとなり、前月の535億6000万ドル(改定値)から拡大。エコノミスト予想は、赤字580億ドル。4月の対日赤字は71億8000万ドルに縮小しました。

 谷垣財務相は10日、スノー米財務長官との会談で「最近の米国経済は非常に良い姿にあるということと、年金改革も含め、財政構造改革へ努力されていることについて、われわれとしても非常に良い方向に向かっていると考えている。中国人民元高になっても、われわれとしては円高にはならないと思っている。また、中国経済が拡大するなかで、「最近、過剰流動性のような状況も見られるが、やはり自らの政策自由度を高める意味からは(人民元改革を)早めに対応することが必要だと思っている」との日本側の考えを説明。スノー米財務長官からは「日本の商法改正で取り扱いが変わった擬似外国会社について、米国側は懸念しており、何らかの対応ができないか。また、郵政民営化におけるイコールフッティングへの配慮が必要」との発言がなされました。 
 G8サミット財務相会合、IMFや世界銀行などに対する貧困国債務の100%免除で合意し、G8と新興国の朝食会で為替の柔軟性必要との発言が複数国からあったものの、声明は「世界的不均衡への取り組み求める」で、為替には言及せず。ブラウン英財務相は「主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)の準備としての会合であるサミット財務相会合は、為替レートについて言及する場ではない。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明で、為替に関する文言を盛り込むのが慣例。主要国首脳会議の準備の段階で、為替について言及しないのが慣例だ」としています。一方で、スノー米財務長官は、会議終了後の記者会見で、アジア新興国に対し、為替のさらなる柔軟性を求める姿勢を示していました。
 ドイツ6大経済研究所の1つ、DIWドイツ経済研究所のチーフ・エコノミスト、アルフレッド・シュタインハー氏は10日、ECBが9月末までに政策金利を、景気押し上げのシグナルとして0.50ポイントが望ましいとしながらも、0.25ポイント引き下げるとの見通しを示し、さらに、05年のドイツ経済成長率が「1%をわずかに下回る水準」と、04年実績(1.6%)から低下すると予想。また、ドルに対するユーロ下落については、プラスの変化だとしながらも、今年後半になってようやく景気を押し上げるとの見通しを示しました。

 USDA米農務省は同じく10日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)検査で陽性反応が出たことを確認。農務省のジョハンズ長官はこの死亡牛の組織について、追加的な検査を英国の研究所に委託することを明らかにし、死亡した牛の肉は食品チェーンなどには出回っていないと強調しました。輸入再開にはまだかかりそうです。
 また、バクダッド北西部のシーア派居住区で10日午後10時(日本時間午前3時)ごろ、駐車していた自動車が爆発し、11人が死亡、29人が負傷。

2005.6.10 am

 9日のニューヨーク外国為替市場は、不安定な商いの中、グリーンスパンFRB議長が上下両院経済合同委員会議会証言で「米経済は十分にしっかりしており、インフレ基調は抑制されている。5月のFOMC連邦公開市場委員会では、慎重なペースでの利上げ・金融緩和解除を継続できる」との見方を示したことが、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁発言など、米利上げ局面が終わりに近づいているという最近のドル買い不安感から安心感へとつながることとなり、ドルの支援材料となって小幅ながらドルが上昇。
 ユーロはドルに対して0.2%近く下落して1ユーロ1.2215ドル。一時は1.2177ドルまで下げ、先週つけた8カ月ぶり安値に迫る場面もありました。ユーロは1.2150ドルにバリア・オプションがあり、その水準に売りオーダーが集まっているとの思惑が出ていたことが、午後の取引で1.22ドルをわずかに上回る水準で推移した理由でしょう。ドルは対円でも0.2%上昇して107.51円。対スイスフランでは1.2597フランに上昇し、先週つけた8週間ぶり高値に迫っています。ポンドは0.2%下落して1.8196ドル。

 グリーンスパン議長はさらに、「生産性の伸びの鈍りが単位労働コストの上昇につながっているが、そのことがコアインフレを押し上げるのか、あるいは企業業績を押し下げるかどうかは不透明である。また、最近の経済指標によると、春季初頭の経済は減速を示す内容は、より深刻な減速の前兆ではない」とした一方、全国的な住宅バブルの可能性については否定的な見解。「一部地域においては持続不可能とみられる水準まで価格が上昇しており、実際にバブルの兆候が見受けられるようだ」と語りました。フェデラルファンド金利については、「中立水準を予想するのは非常に困難であるものの、経済がより均衡に向かえば明白になり得る」との認識を示した一方、「債券利回りの低い水準は市場における低インフレ期待やFRBによるインフレ対応の支持を示すものであると信じたいが、問題なのは仮にそうであってもわれわれには何ら有益な情報をもたらさないということだ。低い長期金利が米国の住宅価格の高騰を招いているが、全米規模の住宅バブルが発生する可能性は小さい」と述べました。
それからまた、議長は、「原油価格の上昇が、長期的には世界全体で石油消費の減少につながる」との認識を示しました。原油高による米景気の減速懸念から、利上げ休止の観測が出ていましたが、FRBは今月29、30日のFOMCで、短期金利を0.25%引き上げ、年3.25%にするとみられます。OPEC石油輸出国機構のアハマド議長は「来週ウィーンで開催の総会で、第3・四半期生産枠拡大の可能性について話し合う」との見通しを示しました。また、ナイジェリアのダウコル大統領顧問(石油・エネルギー担当)は、「原油相場が十分に高い水準にあれば、OPECは来週の総会で、既に産油量は若干OPECの生産枠を上回っているものの、単なる現状の追認か正式に実質的な原油増産を決める可能性がある」との見解を示し、米エネルギー省のボドマン長官は9日全米石炭評議会での演説後、ブッシュ政権がOPECの原油増産を強く望んでいると語っています。
加えて、グリーンスパン議長は、「米経常収支不均衡の是正に寄与するように、いずれ、価格や貿易条件、金利、最終的には為替レートなど市場は調整する見通しだが、財政赤字を市場で調整・修正することはできず、それがより懸念される。われわれは、それに重点的に取り組んでいく」との認識を示しました。
FRBによると、2005年第1・四半期の米国の家計純資産額は、不動産価格の上昇などにより48兆7900億ドルと過去最高を更新。2004年第4・四半期は48兆5300億ドルから48兆4700億ドルへと修正。一方、2005年第1・四半期の非金融債務は、連邦・州政府などの債務拡大により、前年同期比で10%の増加となり、2004年第4・四半期の8.2%増から伸び率が拡大しました。

IMF国際通貨基金のラト専務理事は「不均衡を秩序だって是正する措置が講じられない限り、投資家がドル建て資産を手放す可能性がある。また、中国や他のアジアのエマージング諸国にとって、為替の柔軟性は優先課題だ」と述べています。
また、スノー米財務長官は9日ブルームバーグTVでのインタビューで「中国に対し、より柔軟な人民元相場に移行するよう要請している。また、アジア地域全体がより柔軟な為替相場へ移行していくことを希望する。これはG7のとる立場であり、今後も変わりはない」と語りました。
 柔軟な為替レートへの移行問題は、10日から2日間の予定でロンドンで開かれているサミット財務相会合で協議される予定。

一方、9日付の米ニューヨーク・タイムズ紙によると、ライス国務長官は8日、訪米中のドイツのフィッシャー外相との会談で「ドイツの国連安保理常任理事国入りへの支持を拒否する。米国が明確に支持表明しているのは日本だけだ」考えを伝えています。
そのドイツでは、前倒し総選挙が9月にも行われる予定。それに関して、シュレーダー首相が辞任、来年の任期切れまでに与党・社会民主党(SPD)のミュンテフェリング党首に禅譲するのではないかとの憶測が流れ始めています。SPD幹部が禅譲のシナリオを書いているとの7日の一部の報道によると、SPDは、総選挙前倒しの評判が良くないことから前倒しをあきらめ、人気が下降気味の首相が同党首に首相の座を禅譲。来年9月の任期切れまでに人気回復を目指すという内容です。首相や与党幹部は報道を「根拠のない憶測」と否定しています。
 また、ドイツのIFO経済研究所ジン所長はミュンヘン経済協議分会で「好景気の世界経済に支えられこの2年維持されてきた金利2%が、小康状態にさしかかりつつある経済状態に適しているとは思えない。欧州経済の活性化を図るため、ECBは、現行金利を0.25%引き下げ、向こう3カ月でそれがどのように作用するかを見守るべき」と提案しています。IFOの業況指数をはじめ、最近の経済指標は、欧州最大のドイツ経済が減速傾向を示しています。イタリアなど、その他のユーロ圏主要経済の見通しも悪化。
そして、シラク仏大統領は同日ルクセンブルクのユンケル首相との会談後「フランスが折衷案として、EUからのフランス農業への直接援助・農業補助金削減案を受け入れることはない。EUが予算案の合意にたどりつけるよう、英国が欧州のために連帯責任のジェスチャーを示すべきだ」と呼びかけました。現状、EU財源から英国への払戻金の目減りは避けがたい状況になってきており、ブレア首相は厳しい決定を迫られています。
ECBのトリシェ総裁は「単一通貨ユーロは成功し、非常な低金利の市場金利はECBの信認を示しており、好ましいイールドカーブはユーロ圏の投資を押し上げるが、良い金融政策だけでは成長水準を押し上げることはできない」と述べた。また、ECBのイッシング専務理事は9日、EUの構造改革の概要を示した「リスボン・アジェンダ」に関するパネル討論に出席し「物価の安定は、インフレなき持続的経済成長と雇用・社会的結束を実現するための重要な要素だ。過去6年半、ユーロ圏の長期フォワード金利は、98年末までに収束した低水準から離れていない」としています。

また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万503ドル2セントと、前日の終値に比べ、26ドル16セント高で取引を終了。GMなど、低迷が続いていたアメリカを代表する企業が大幅リストラ策を打ち出した事などが好感。また、各国中銀の統計によると、中国を除く5月のアジアの外貨準備は46億ドル減少。この減少は、ドルがユーロや主要通貨に対して上昇したことにあり、ドル高は、米経済の強さ、ユーロ圏経済の不振、フランスとオランダの国民投票でEU憲法が否決されたことから来る不透明感などにあります。3月末時点の中国を含むアジアの外貨準備は、2兆5300億ドル。中国は4月と5月の数字を発表していません。

本日午前は、大幅安が一服となったユーロとともにドルも手がけづらい状況。消去法的に朝方の市場ではじわりと円売りが進み、5・10日要因で仲値の不足観測が高まっていることに加え、週末のポジション調整に伴う買い戻しが先行しています。
日銀が発表した5月のCGPI企業物価指数速報によると、国内企業物価は前年比1.8%の上昇。4月の同1.9%(改訂値)から伸び率が縮小。前月比は0.1%の低下でした。4月の同プラス0.7%(改訂値)からマイナス。ロイターの調査では、民間調査機関予測の中央値は前年比1.7%の上昇、前月比では0.1%の低下。発表された前年比の数字は予測を上回り、前月比の数字は予測通りでした。
 谷垣財務相は、閣議後の会見で「人民元は中国や世界経済のためにも、もう少し柔軟性あった方がよい。ただ、それは中国が責任をもって判断することだ」としました。
本日1230GMT(日本時間午後9時30分)に発表される4月の米貿易収支や、5月米財政収支(1800GMT、日本時間11日午前3時)に注目。ロイター調査によると、貿易赤字が3月の549億9000万ドルから580億ドルに拡大すると予想。米国が貿易および財政赤字を賄う十分な資金を集められるだろうかという懸念が圧力となり、ドル指数は昨年末までの3年間で30%下落していました。一方、フランスでは、4月仏貿易収支(0645GMT、日本時間午後15時45分)、4月仏鉱工業生産(0650GMT、日本時間午後15時50分)など、また、サミット財務相会合(11日まで、ロンドン)、IEA国際エネルギー機関6月の石油月報などに注目。

2005.6.9 am

 サッカー06年ワールドカップドイツ大会バンコク・スパチャラサイ国立競技場でのアジア最終予選B組第5戦で、北朝鮮を2―0(前半0―0)で降し、勝ち点3を加えて通算4勝1敗、勝ち点12としてB組2位以内が決定、上位2位以内に与えられるW杯出場権を獲得しました。中田英寿(フィオレンティナ)、中村俊輔(レッジーナ)ら主力選手を出場停止処分や故障で欠くも、柳沢敦(メッシーナ)が後半28分に先制ゴール、試合終了間際にも大黒将志(ガンバ大阪)が追加点を挙げました。
 本来は平壌で行われるはずでしたが、3月のホーム連戦で観客が騒ぐなど不祥事を起こした北朝鮮に対するFIFA国際サッカー連盟の「第三国、無観客試合」の処分により当地で試合が行われました。
 また、W杯ドイツ大会は、来年6月9日にミュンヘンで開幕し、7月9日の決勝(ベルリン)までドイツ国内12都市を会場に、32カ国・地域が出場。ドイツ開催は、東西分裂時代の74年に西ドイツで開催して以来。90年10月の東西統一後、初の開催です。

 8日のニューヨーク外国為替市場は、ユーロが、1ドル1.2350ドルを上回る水準を維持できなかったことから、テクニカル主導でドルが対ユーロの下げ幅を取り戻し、幅広く上昇。
 米政府がこの日発表した中間財政報告で、第4・四半期のCPI消費者物価指数見通しを、エネルギー価格の動向を理由に、12月に予測した前年比2%から2.9%に引き上げたこと(2005年の実質GDP国内総生産伸び率見通しは、従来の3.5%から3.4%に下方修正)もユーロの売り材料となり、報告発表直後にはユーロがこの日の安値となる1.2207ドルまで下落。1.23ドル半ばからはユーロ売りポジションの損切りを誘発するストップロスが並んでいたので、1.24ドル台までのユーロの回復を予想する声もあるも、上昇が限られました。

 ポンド/ドルは一時、1ポンド1.8403ドルと3週間ぶり高値をつけてやや押し戻されています。
 また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0476ドル86セントと、前日の終値に比べ、6ドル21セント安で取引を終了。

フランスのドビルパン首相は8日、国民議会(下院)で施政方針演説し「先月29日の国民投票で欧州憲法批准が否決されたのは、仏国民が欧州の急な拡大に驚き、経済、社会福祉への影響を危惧したのだ。EUは、強力な経済政策や、欧州権益の保護、加盟国間の税制調整、そしてドイツとの連携強化などが必要である。仏は統合欧州の創設者としてEUにとどまり、責務を果たして行く」と強調しました。
 クォールズ米財務次官代行は、サミット財務相会合(G8財務相会合)を前に記者団に「日本と欧州はともにより高い成長に向けた地位につくため積極的な構造改革を必要としている。また、莫大な米国の経常赤字のような世界的な不均衡を是正することは共通の責務であり続けている。2005会計年度の米財政赤字は、見通しの4270億ドルを十分に下回る予想だ」と語っています。

 ダラス地区連銀のフィッシャー総裁が1日、FRBの引き締めサイクルを野球の試合に例えて「現在は8回で、6月のFOMCは最終回となる9回にあたる」と発言したことを受けて、市場では利上げ頭打ち観測が浮上。グリーンスパンFRB議長の6日(現地時間7日)の発言で、米金融引き締めが終わりに差し掛かっているのではないかという憶測が過熱し、ドルに対するユーロの支援材料となっています。同議長は9日、1400GMT(日本時間午後11時)から上下両院合同経済委員会で証言を予定。
10日に発表される3月の550億ドルから580億ドルに拡大する見込みの4月の米貿易収支にも注目。貿易赤字と財政赤字の悪化は、昨年末までの3年間にドル指数を30%下げた主要材料。

 米ガソリン在庫は10万バレル減の2億1660万バレル。ガソリン生産は日量900万バレル強に減少した。ガソリン需要は先週の946万バレルから945万バレルに減少したものの、OPEC石油輸出国機構の生産量は25年ぶりの高水準。にもかかわらず、原油相場は50ドルを超す高値が続いているため、OPECはウィーンで来週開く総会で生産枠を引き上げる見通し。OPECのアハマド議長は、「原油相場の高止まりが続けば、総会で日量50万バレルの生産枠引き上げを提案する」と言明しています。また、85年度以降、UAEアラブ首長国連邦がトップを維持していた04年度の国別原油輸入量で、サウジアラビア6338万キロリットル、シェアは26.2%(前年度22.8%)で20年ぶりに首位に返り咲きました。UAEは6045万6000キロリットル、シェアは25.0%(前年24.3%)。04年にサウジの国営石油会社サウジ・アラムコ社が昭和シェル石油に出資したことで、同社がサウジ産原油の調達を増やしたのが大きな要因。  

2005.6.8 am

 7日のニューヨーク外国為替市場では、グリーンスパン議長が、先週のフィッシャー米ダラス地区連銀総裁の発言(「FRBが利上げ局面の終わりに近付きつつある)」に反論しなかった事で、米利上げが近く休止する可能性が高まり、ドルは特に豪ドルやポンドなど高金利通貨に対して下落。
また、EU憲法の混乱や、トリシェ総裁がロイター通信とのインタビューで、ユーロに否定的な見解を示し、ECBが景気回復の為に利下げを検討する可能性などが圧迫要因となり、ユーロ/ドルやクロスユーロの上値を抑えています。ユーロは、対円で11カ月ぶり安値となる1ユーロ130.69円に、対ポンドでも9カ月ぶり安値の1ユーロ66.85ペンスに下落。
ECBは政策金利をほぼ2年間に渡って2%に維持。一方で、FRBは昨年6月以来、8回の利上げで3%に引き上げました。しかし、その間も長期金利は低下。米10年債利回りは4.6%から3.9%付近まで下がっています。
 ユーロ/ドルの1週間物オプション取引では、ストライクプライスが1.22ドルのほかに、1.24~1.25ドルのエリアにもあり、ユーロはオプションの防戦からこのレンジ内に留まるのではないでしょうか。1カ月のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は8.7%程度に低下してますので、ユーロが目先、戻す可能性があります。
 FRBが発表した4月の米消費者信用残高は、季節調整済で前月比13億ドル増の2兆1310億ドルとなり、市場予想の70億ドル増を大幅に下回りました。クレジットカードによる借り入れは2カ月連続して減少。3月の残高は、当初発表の55億ドル増から、69億ドル増に上方修正。
 また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万483ドル7セントと、前日の終値に比べ、16ドル4セント高で取引を終了。
 また、EIA米エネルギー情報局の月例予測は、第3・四半期の米原油価格の予測を1バレル平均51.58ドルから52.83ドルに上方修正。第4・四半期の予測も、従来の53.00ドルから55.00ドルに上方修正。年内および来年の月間平均価格が、引き続き50ドルを上回るとの見通し。ガソリン小売価格については、来年まで1ガロン2ドルを上回る水準で推移すると予測。ガソリン需要が高まる夏季の平均小売価格の予測は、前回と同水準の2.17ドルで、前年同期の小売価格を0.26ドル上回る水準。WTI原油価格は、昨日1バレル53.61ドル。

 東京時間ではドル・ユーロ共に上値が重いため、消去法から短期筋中心の円買い。ドル/円は、ユーロ売りが加速した5月半ばころから、ユーロ売りのトレンドのために材料がないまま上昇。ドルの上値が重くなったこととユーロ/円の下落につれる形で、円買いに向く事も考えられます。

 ブラウン英財務相は、EU財務相会議で「ユーロ採択の条件としていた5つ条件は、まだ満たされていない。ユーロ圏の経済成長は加速する必要がある。英国が昨年ユーロを採用しなかったという判断は正しかった。が、欧州経済の成長が加速するのを見たい。ユーロ圏が現状より速く成長すれば、われわれ全員にとって間違いなく利益となるだろう」と語りました。会合では英国がEUからのリベート廃止を拒否していることが争点。ブラウン財務相は従来からの立場に変化はなく、1984年に導入された年間約46億ユーロに上るリベートは変更させない姿勢を示しています。
 一方、オーストラリア準備銀行は政策決定会合で、声明を出さなかったということは、オフィシャルキャッシュレートを3カ月連続5.50%で据え置くことで決定。据え置きは、経済活動停滞の兆候から市場予想の範囲内。前回の3月利上げは労働市場の引き締まりに伴う賃金引き上げ要求が、インフレリスクにつながるという懸念から、5.5%に引き上げられていました。