14日のニューヨーク外国為替市場、6月米小売売上高の数値は、ヘッドラインは自動車の好調な販売数を背景に前月比1.7%増加(前回 -0.3%)となり、エコノミスト予想の1.0%増を上回っています。また、その自動車を除いた数値も0.7%(前回0.0%)と米経済は引き続き底堅く、利上げが続行されるとの見方を示す軒並み堅調な結果。一方、6月CPI消費者物価指数は前月比変わらずとなり、エコノミスト予想の0.3%上昇を下回り、振れの大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.1%上昇と、アナリスト予想の0.2%上昇を下回り、前年比も2.0%と、前回の2.2%から下落。これだけでは金利の見通しに変更を加える要因とはならないですが、インフレ圧力の弱まりという観点から見れば、やや失望的な結果として認識される可能性が高いです。債券市場はその通りインフレ抑制示唆の可能性と認識し、米10年債は5日ぶりに反発。 インフレの低水準は、FRB米連邦準備理事会が金融政策の積極性を欠くものとなりドルに悪材料と思われますが、小売売上高の結果で米経済情勢の健全さが示され、まだドル相場は依然方向性が定まっていません。ニューヨークのマンハッタンで建設中のビルが一部崩壊しけが人が出たとの報道からドル売りとなる場面もありましたが、IEAや米投資銀行の需要減退観測や、メキシコ湾の台風通過などから原油価格が58ドル前半まで下落。原油下落は円にとっても好材料。原油や金など商品相場が総じて軟調に推移したことを要因に、ドル売りは一時的な反応となり、その後緩やかに回復。
ただ、一昨日の貿易収支の結果が当月の原油価格の下落によりもたらされた結果で中期的には引き続き大きなリスクとなっており、手放しではドルを買い進められない情勢。先週までのポジション調整がある程度まで進んだ観があるものの、やはり週末金曜日の相場は要注意。3連休前の5・10日に当たり、実需筋のドル売り/ドル買い注文が多く集まる可能性があります。ドル/円は、112円台では、実需筋のドル売りだけでなく、112~113円をレンジの上限と考える参加者や108円ぐらいからドルを買った参加者からの利益確定ドル売りもあり上値は鈍いようで、7月8日には112.60円まで上昇して、約1年2カ月ぶりのドル高/円安水準をつけましたが、その後は一時110.75円まで下落するなど伸び悩む展開です。テクニカルポイントが目前のペアもあることからアジア時間も気が抜けない商状です。一方、昨日のカナダ5月製造業出荷指数は、-0.1%。カナダの中央銀行は14日最新の金融政策報告書を発表、05年のGDP国内総生産伸び率を当初予測の2.6%から2.7%に引き上げて「経済はカナダドル高にうまく適応している」と、12日の金利据え置き決定時に強調した「金利は近い将来上昇する必要がある」との見方を改めて示しました。また、「カナダ経済は、05年の第1・四半期に生産性のピークに達した。第2・四半期の2.3%という低い成長率は、現在、景気に再び多少の緩みがあることを示しているが、これは、成長率が上向くにつれ、06年下半期までにはなくなる。カナダ経済は、生産の限度近くにあるが、今後の成長率予測について、第3・四半期は2.7%、第4・四半期は3.3%、また、06年の上半期は3.5%、下半期は3.3%になるとの見通しだ。一方、カナダドルの上昇は、今後も輸出の伸び鈍化や輸入促進をもたらすと予想されているが、輸出低迷が経済成長にもたらすマイナスの影響はすでにピークを超えており、06年にはほとんど影響がない状態になる。消費を中心とした内需の堅調な伸びが、06年末までの経済成長にとって重要となり、その時期までの見通しに関するリスクは均衡している。ただ、中期的なリスクは増しており、世界的な経常収支不均衡の是正が、世界的な総需要の低迷時期をもたらす可能性がある」としています。 カナダ銀行のドッジ総裁は14日「通貨高の影響は2005年に入ってから徐々に収まってきているというのが中銀の見解だ。カナダドル高が国内経済に最も悪影響を及ぼした時期は04年後半で、現在では悪影響の度合いは和らいできている」という認識を示しました。カナダドルは米ドルに対し、03年から04年にかけて30%程度上昇しています。
また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万628ドル89セントと、前日の終値に比べ、71ドル50セント高で取引を終了。寄り付きの東京株式市場は、米国株の上昇を好感した買いが先行し続伸。日経平均は、ザラ場では一時4月11日以来の1万1800円台回復。3連休を控えて現在伸び悩み、1万1800円を下回る水準で推移。トヨタなど主力株に米系年金とみられる買いがコア銘柄中心に入っています。
尚、本日15日は6月PPI生産者物価指数が発表されますが、数日に渡る原油高を背景に0.4%に上昇する見通し。また、米卸売物価指数と米ミシガン大学消費者信頼感指数も発表されますが、市場の関心は来週のグリーンスパンFRB議長の議会証言に集まっています。昨日はユーロ/円の取引が高水準となり、全体の取引増につながっています。ユーロ/円は海外でECB幹部の発言による利下げ観測後退や、伊蘭の国債利払い償還による資金流出などで、もみ合いながらも一時136円近くまで上昇し、ユーロ/ドルとドル/円を支援。ユーロ/ドルは1.2000ドルから1.2200ドルの間でレンジ相場の様相。朝方の市場ではユーロ/円が上値試しの展開。5月下旬以来約2カ月ぶりユーロ高/円安水準を更新しており、ドル/円もつれ高。136.00円にはユーロ買い/円売りを誘発するストップロスがあり、136.10円にもストップがある模様。ユーロ/円は投機筋によるユーロ買い戻しが優勢で、前日海外では135.95円まで上昇していました。
谷垣財務相は今朝「福井日銀総裁と景気認識に違いはない。デフレは断固、克服にしっかり取り組む必要がある」と語っています。
また、竹中経済財政・郵政民営化担当相は、05年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を15日の閣議に提出し「インフレ期待が低下していることから、日銀は市場の動向や期待を踏まえつつ、デフレ脱却へ向けて実効性のある金融政策運営を行っていくことが重要だ。デフレ克服までは量的緩和政策を堅持していくことが期待される」と指摘。「緩やかながら依然としてデフレが継続するなかで、物価の先行きの見方には、量的緩和政策を含む金融政策運営に対する評価が影響を持ちうることから、物価に対する先行きの予想が高まりデフレ克服に資するよう、日銀においては、市場の動向や期待を踏まえつつ、実効性のある金融政策運営を行っていくことが重要である。デフレからの出口がみえる段階では、長期金利の過度の上昇を防ぎながら、量的緩和政策に代わるフレームワークの構築が鍵になる。金融政策が中長期的に目標とすべき方向性について一定のコミットメントを示すこと等が議論の対象となろう」と位置づけました。白書が今回新しく指摘したのは、CPI消費者物価指数が前年比プラスに転じると市場が予測する時期が先送りされていることを背景に「物価に対する先行きの予想が高まりデフレ克服に資するよう」という部分です。6月のESPフォーキャスト調査では、CPIのプラス転化予想は06年1~3月期に後ずれしており、短観の販売価格DIや法人企業景気予測調査の販売価格判断BSIでも足踏み状態を確認。総じてみるとデフレ解消テンポがやや鈍っているように窺われます。また、中長期の物価見通しを把握するために、物価連動国債と名目固定金利国債(10年物国債)の利回り格差を計算すると、「格差は04年秋以降、10年平均でおおむね0.8%程度であったが、6月には0.6%程度まで低下した」としています。そして、「安定的なマクロ経済運営を担う金融政策には、デフレ回避だけではなくゼロインフレも回避することが求められる。具体的なコミットメントの手法としては、一定の物価上昇率あるいは物価水準という目標を示すことなど様々な議論がみられるが、いずれにせよ、市場の期待を安定化し、市場における過度の変動を抑制するための方策については、幅広い検討が必要になろう。その上で、重点強化期間におけるデフレ脱却を確実にするために、政府は日銀と一体となって政策努力を強化・拡充することが必要である」と、前回の白書と同じニュアンスを示しています。
日本経済については、02年初からの回復局面にあるなか、「緩やかな回復を続けている」とし、今後は「原油高や輸出の伸び悩み等の懸念材料はあるものの、それらが景気後退の直接的な契機となる可能性は低く、景気は今後も緩やかな回復を続けていく可能性が高い」との展望を示しました。景気の持続性を高める要因としては、企業部門の財務体質の強化や、企業部門の収益回復の家計所得や消費への波及を挙げ、他方でリスク要因としては、米国や中国など海外経済の予想以上の減速や国際的な資金の流れが急速に変化する可能性、財政政策や金融政策といった国内政策要因を挙げています。特に金融政策については、「将来的に量的緩和が解除されるような状況に至った際には、金融政策の枠組みの変更が長期金利に与える影響については十分注意する必要がある」とし、配慮が欠かせないと指摘。
01年度に経済白書から衣替えした経済財政白書は、「改革なくして成長なし」との副題を掲げて、今回で5回目の発表。竹中経済財政・郵政民営化担当相は、白書のあいさつ文で、民需中心の自律的回復の姿が実現しつつあることから、「日本経済はバブル後と呼ばれた時期を確実に抜け出したといえるだろう」と記しています。
そして人民元に関連して、米下院でペロシ民主党院内総務や下院歳入委員会のランゲル議員など民主党の有力議員らが14日、声明で「いっこうに減る気配もない巨額の対中貿易赤字は、ブッシュ政権が米国の労働者、企業、農家の利益を促進する通商政策を打ち出せていないことを反映している。われわれは、赤字を無視することはできない。赤字は米国経済に悪影響を及ぼし、雇用喪失の原因でもある」と表明し、中国が為替操作をしているとして、米政府が90日以内にWTO世界貿易機関に提訴し、事実上補助金を受けているとする中国からの輸入品に制裁関税を科すよう米企業や労働者が要求できるようにした内容の中国に対する制裁法案を提出。中国製品への制裁関税は、中国から安価な製品が流入し、米国の雇用が悪影響を受けている、と主張するNAM全米製造業者協会などの団体が、強く求めていたもの。米国の対中貿易赤字は、04年に1620億ドルで過去最高を記録、05年も2000億ドルを超える可能性。米議会では、対中貿易赤字が巨額に上っているのは、人民元レートが対ドルで不当に安く維持されていることが主な要因との批判が多くなっています。
ブッシュ政権は、中国の為替制度をめぐりWTO世界貿易機関提訴を求める声を繰り返し拒否していますが、中国にはより柔軟な為替制度に移行するよう要請しています。スノー米財務長官は14日CNBCテレビのインタビューで「中国の人民元の決定は、主権国が行う。中国がより柔軟な人民元相場に移行する準備ができている。中国が実際にそのような措置をとる時期については不明。また、米国は財政赤字縮小への強いトレンド上にある」と語っています。一方、15日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、スノー米財務長官が6月末、グリーンスパンFRB米連邦準備理事会議長と共に米上院のシューマー議員とグラハム議員と会った際、中国が8月に人民元切り上げに動くと確信していると述べたことを、関係筋が明らかにしたことで「ブッシュ政権が、対中制裁法案を提出した有力上院議員らに対し、中国が9月に予定される胡錦濤・国家主席の訪米に先立ち、8月に人民元を切り上げるとの見通しを示した」と伝えました。。米上院のシューマー議員とグラハム議員は、中国が人民元改革を行わなければ中国製品に一律27.5%の制裁関税を科すという制裁法案を提出。両議員は、ブッシュ政権が8月の人民元切り上げを保証したものとみなし、法案の採決延期に同意した模様です。