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2005.7.15

 14日のニューヨーク外国為替市場、6月米小売売上高の数値は、ヘッドラインは自動車の好調な販売数を背景に前月比1.7%増加(前回 -0.3%)となり、エコノミスト予想の1.0%増を上回っています。また、その自動車を除いた数値も0.7%(前回0.0%)と米経済は引き続き底堅く、利上げが続行されるとの見方を示す軒並み堅調な結果。一方、6月CPI消費者物価指数は前月比変わらずとなり、エコノミスト予想の0.3%上昇を下回り、振れの大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.1%上昇と、アナリスト予想の0.2%上昇を下回り、前年比も2.0%と、前回の2.2%から下落。これだけでは金利の見通しに変更を加える要因とはならないですが、インフレ圧力の弱まりという観点から見れば、やや失望的な結果として認識される可能性が高いです。債券市場はその通りインフレ抑制示唆の可能性と認識し、米10年債は5日ぶりに反発。 インフレの低水準は、FRB米連邦準備理事会が金融政策の積極性を欠くものとなりドルに悪材料と思われますが、小売売上高の結果で米経済情勢の健全さが示され、まだドル相場は依然方向性が定まっていません。ニューヨークのマンハッタンで建設中のビルが一部崩壊しけが人が出たとの報道からドル売りとなる場面もありましたが、IEAや米投資銀行の需要減退観測や、メキシコ湾の台風通過などから原油価格が58ドル前半まで下落。原油下落は円にとっても好材料。原油や金など商品相場が総じて軟調に推移したことを要因に、ドル売りは一時的な反応となり、その後緩やかに回復。
 ただ、一昨日の貿易収支の結果が当月の原油価格の下落によりもたらされた結果で中期的には引き続き大きなリスクとなっており、手放しではドルを買い進められない情勢。先週までのポジション調整がある程度まで進んだ観があるものの、やはり週末金曜日の相場は要注意。3連休前の5・10日に当たり、実需筋のドル売り/ドル買い注文が多く集まる可能性があります。ドル/円は、112円台では、実需筋のドル売りだけでなく、112~113円をレンジの上限と考える参加者や108円ぐらいからドルを買った参加者からの利益確定ドル売りもあり上値は鈍いようで、7月8日には112.60円まで上昇して、約1年2カ月ぶりのドル高/円安水準をつけましたが、その後は一時110.75円まで下落するなど伸び悩む展開です。テクニカルポイントが目前のペアもあることからアジア時間も気が抜けない商状です。一方、昨日のカナダ5月製造業出荷指数は、-0.1%。カナダの中央銀行は14日最新の金融政策報告書を発表、05年のGDP国内総生産伸び率を当初予測の2.6%から2.7%に引き上げて「経済はカナダドル高にうまく適応している」と、12日の金利据え置き決定時に強調した「金利は近い将来上昇する必要がある」との見方を改めて示しました。また、「カナダ経済は、05年の第1・四半期に生産性のピークに達した。第2・四半期の2.3%という低い成長率は、現在、景気に再び多少の緩みがあることを示しているが、これは、成長率が上向くにつれ、06年下半期までにはなくなる。カナダ経済は、生産の限度近くにあるが、今後の成長率予測について、第3・四半期は2.7%、第4・四半期は3.3%、また、06年の上半期は3.5%、下半期は3.3%になるとの見通しだ。一方、カナダドルの上昇は、今後も輸出の伸び鈍化や輸入促進をもたらすと予想されているが、輸出低迷が経済成長にもたらすマイナスの影響はすでにピークを超えており、06年にはほとんど影響がない状態になる。消費を中心とした内需の堅調な伸びが、06年末までの経済成長にとって重要となり、その時期までの見通しに関するリスクは均衡している。ただ、中期的なリスクは増しており、世界的な経常収支不均衡の是正が、世界的な総需要の低迷時期をもたらす可能性がある」としています。 カナダ銀行のドッジ総裁は14日「通貨高の影響は2005年に入ってから徐々に収まってきているというのが中銀の見解だ。カナダドル高が国内経済に最も悪影響を及ぼした時期は04年後半で、現在では悪影響の度合いは和らいできている」という認識を示しました。カナダドルは米ドルに対し、03年から04年にかけて30%程度上昇しています。
 また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万628ドル89セントと、前日の終値に比べ、71ドル50セント高で取引を終了。寄り付きの東京株式市場は、米国株の上昇を好感した買いが先行し続伸。日経平均は、ザラ場では一時4月11日以来の1万1800円台回復。3連休を控えて現在伸び悩み、1万1800円を下回る水準で推移。トヨタなど主力株に米系年金とみられる買いがコア銘柄中心に入っています。
 尚、本日15日は6月PPI生産者物価指数が発表されますが、数日に渡る原油高を背景に0.4%に上昇する見通し。また、米卸売物価指数と米ミシガン大学消費者信頼感指数も発表されますが、市場の関心は来週のグリーンスパンFRB議長の議会証言に集まっています。昨日はユーロ/円の取引が高水準となり、全体の取引増につながっています。ユーロ/円は海外でECB幹部の発言による利下げ観測後退や、伊蘭の国債利払い償還による資金流出などで、もみ合いながらも一時136円近くまで上昇し、ユーロ/ドルとドル/円を支援。ユーロ/ドルは1.2000ドルから1.2200ドルの間でレンジ相場の様相。朝方の市場ではユーロ/円が上値試しの展開。5月下旬以来約2カ月ぶりユーロ高/円安水準を更新しており、ドル/円もつれ高。136.00円にはユーロ買い/円売りを誘発するストップロスがあり、136.10円にもストップがある模様。ユーロ/円は投機筋によるユーロ買い戻しが優勢で、前日海外では135.95円まで上昇していました。

 谷垣財務相は今朝「福井日銀総裁と景気認識に違いはない。デフレは断固、克服にしっかり取り組む必要がある」と語っています。
 また、竹中経済財政・郵政民営化担当相は、05年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を15日の閣議に提出し「インフレ期待が低下していることから、日銀は市場の動向や期待を踏まえつつ、デフレ脱却へ向けて実効性のある金融政策運営を行っていくことが重要だ。デフレ克服までは量的緩和政策を堅持していくことが期待される」と指摘。「緩やかながら依然としてデフレが継続するなかで、物価の先行きの見方には、量的緩和政策を含む金融政策運営に対する評価が影響を持ちうることから、物価に対する先行きの予想が高まりデフレ克服に資するよう、日銀においては、市場の動向や期待を踏まえつつ、実効性のある金融政策運営を行っていくことが重要である。デフレからの出口がみえる段階では、長期金利の過度の上昇を防ぎながら、量的緩和政策に代わるフレームワークの構築が鍵になる。金融政策が中長期的に目標とすべき方向性について一定のコミットメントを示すこと等が議論の対象となろう」と位置づけました。白書が今回新しく指摘したのは、CPI消費者物価指数が前年比プラスに転じると市場が予測する時期が先送りされていることを背景に「物価に対する先行きの予想が高まりデフレ克服に資するよう」という部分です。6月のESPフォーキャスト調査では、CPIのプラス転化予想は06年1~3月期に後ずれしており、短観の販売価格DIや法人企業景気予測調査の販売価格判断BSIでも足踏み状態を確認。総じてみるとデフレ解消テンポがやや鈍っているように窺われます。また、中長期の物価見通しを把握するために、物価連動国債と名目固定金利国債(10年物国債)の利回り格差を計算すると、「格差は04年秋以降、10年平均でおおむね0.8%程度であったが、6月には0.6%程度まで低下した」としています。そして、「安定的なマクロ経済運営を担う金融政策には、デフレ回避だけではなくゼロインフレも回避することが求められる。具体的なコミットメントの手法としては、一定の物価上昇率あるいは物価水準という目標を示すことなど様々な議論がみられるが、いずれにせよ、市場の期待を安定化し、市場における過度の変動を抑制するための方策については、幅広い検討が必要になろう。その上で、重点強化期間におけるデフレ脱却を確実にするために、政府は日銀と一体となって政策努力を強化・拡充することが必要である」と、前回の白書と同じニュアンスを示しています。
 日本経済については、02年初からの回復局面にあるなか、「緩やかな回復を続けている」とし、今後は「原油高や輸出の伸び悩み等の懸念材料はあるものの、それらが景気後退の直接的な契機となる可能性は低く、景気は今後も緩やかな回復を続けていく可能性が高い」との展望を示しました。景気の持続性を高める要因としては、企業部門の財務体質の強化や、企業部門の収益回復の家計所得や消費への波及を挙げ、他方でリスク要因としては、米国や中国など海外経済の予想以上の減速や国際的な資金の流れが急速に変化する可能性、財政政策や金融政策といった国内政策要因を挙げています。特に金融政策については、「将来的に量的緩和が解除されるような状況に至った際には、金融政策の枠組みの変更が長期金利に与える影響については十分注意する必要がある」とし、配慮が欠かせないと指摘。
 01年度に経済白書から衣替えした経済財政白書は、「改革なくして成長なし」との副題を掲げて、今回で5回目の発表。竹中経済財政・郵政民営化担当相は、白書のあいさつ文で、民需中心の自律的回復の姿が実現しつつあることから、「日本経済はバブル後と呼ばれた時期を確実に抜け出したといえるだろう」と記しています。
 
 そして人民元に関連して、米下院でペロシ民主党院内総務や下院歳入委員会のランゲル議員など民主党の有力議員らが14日、声明で「いっこうに減る気配もない巨額の対中貿易赤字は、ブッシュ政権が米国の労働者、企業、農家の利益を促進する通商政策を打ち出せていないことを反映している。われわれは、赤字を無視することはできない。赤字は米国経済に悪影響を及ぼし、雇用喪失の原因でもある」と表明し、中国が為替操作をしているとして、米政府が90日以内にWTO世界貿易機関に提訴し、事実上補助金を受けているとする中国からの輸入品に制裁関税を科すよう米企業や労働者が要求できるようにした内容の中国に対する制裁法案を提出。中国製品への制裁関税は、中国から安価な製品が流入し、米国の雇用が悪影響を受けている、と主張するNAM全米製造業者協会などの団体が、強く求めていたもの。米国の対中貿易赤字は、04年に1620億ドルで過去最高を記録、05年も2000億ドルを超える可能性。米議会では、対中貿易赤字が巨額に上っているのは、人民元レートが対ドルで不当に安く維持されていることが主な要因との批判が多くなっています。
 ブッシュ政権は、中国の為替制度をめぐりWTO世界貿易機関提訴を求める声を繰り返し拒否していますが、中国にはより柔軟な為替制度に移行するよう要請しています。スノー米財務長官は14日CNBCテレビのインタビューで「中国の人民元の決定は、主権国が行う。中国がより柔軟な人民元相場に移行する準備ができている。中国が実際にそのような措置をとる時期については不明。また、米国は財政赤字縮小への強いトレンド上にある」と語っています。一方、15日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、スノー米財務長官が6月末、グリーンスパンFRB米連邦準備理事会議長と共に米上院のシューマー議員とグラハム議員と会った際、中国が8月に人民元切り上げに動くと確信していると述べたことを、関係筋が明らかにしたことで「ブッシュ政権が、対中制裁法案を提出した有力上院議員らに対し、中国が9月に予定される胡錦濤・国家主席の訪米に先立ち、8月に人民元を切り上げるとの見通しを示した」と伝えました。。米上院のシューマー議員とグラハム議員は、中国が人民元改革を行わなければ中国製品に一律27.5%の制裁関税を科すという制裁法案を提出。両議員は、ブッシュ政権が8月の人民元切り上げを保証したものとみなし、法案の採決延期に同意した模様です。

2005.7.14

 13日のニューヨーク外国為替市場では、5月米貿易赤字が553億5000万ドル(4月改定値569億ドル)と予想の570億ドルから予想外に縮小したことや、米政府のOMB行政管理予算局が、過去数カ月の税収が予想以上に拡大したことを踏まえ、05年会計年度(9月30日に終わる1年間)の財政赤字見通しを当初予測より940億ドル減少の3330億ドルと下方修正したことで、ドルが上昇。赤字額は今年の2月時点で4270億ドルと予想されていた。また、04年度には過去最大となる4120億ドルを記録。米国の双子の赤字拡大・米経常赤字の穴埋めに対する懸念が多少緩和され、第2・四半期の成長率に対する明るい見方が広がっています。経常赤字の大部分を占める貿易赤字の拡大は米経済成長の足を引っ張り、04年末まで3年にわたってドルがユーロに対して約30%下落する主因。しかし、05年には、金利上昇がドル相場を押し上げました。
 原油価格は4~5月に安定し米国の原油輸入額は減少したかもしれないが、その後の原油価格の反発は、輸入の減少が6月か7月の数字が出るまでの一時的なものだということを示しており、6月、7月の貿易赤字は、600億ドルを上回る可能性があります。

 ドルの買い持ちポジションの調整が活発化したため12日に一時110.75円まで下落していたドル/円は112円台を回復し、8日に付けた1年2カ月ぶり高値の112.60円が視野に入る展開。本日発表の6月米小売売上高や6月米CPI消費者物価指数が一段のドル買いを誘発するか注目。ロイター通信が市場参加者から聞き取り調査したところ、6月米CPI消費者物価指数は、総合が前月比プラス0.3%と5月のマイナス0.1%から上昇すると予想され、コア指数では、前月比プラス0.2%(5月プラス0.1%)。6月小売売上高についても前月比プラス1.0%と5月のマイナス0.5%に比べて上昇する見込みです。ユーロ/ドルも12日には1.2256ドルまで上昇し、前週につけた約1年2カ月ぶり安値の1.1868ドルから大きく値を回復していたものの、前日のNY市場では1.2073ドルまで再び売られ、朝方の東京市場では、一時1.2065ドル付近まで下げ幅を広げています
 今朝方発表のニュージーランド第二四半期消費者物価指数は0.9%(予想0.9%)。

7.13 午後

 ドル/円は5月の貿易黒字が7カ月連続で縮小していたことなどを手掛かりに、短期筋がドルの押し目買いに動きました。ドル/円が112.60円まで上昇する過程で輸出企業は為替予約のドル売りを進めており、ドル/円に対する取引興味はあまり強くないまま。中国の貿易黒字改善や、カルフォルニア州ロング・ビーチの内国向けコンテナ出荷は若干減少していることなど、米輸入の鈍化を示唆しています。1週間物で110円をストライクとするオプションが取引されるなど、前日あたりからドル/円のダウンサイド(ドル安/円高方向)を見る向きが増えていることなど、貿易赤字額が予想されている570億ドルよりも大きければ、すでに始まっているポジション調整のドル売りがさらに進む可能性もありますが、値動きが比較的早く、ポジション調整もやや進んだため、一部でドルを買い戻す動きが出ています。ただ、一段のドル買いには5月米貿易収支の発表を見る必要があります。
 ユーロ/円の136.00円にはユーロ買い/円売りを誘発するストップロスが観測。しかし国内輸出企業のユーロ売りが上昇圧力を抑えています。
5月日本鉱工業生産指数確報値は、-2.8%(予想-2.3%)前年比0.3%(予想0.9%) 設備稼働率確報値103.8(前回106.2)。
日銀はきょうの金融政策決定会合で、現行の金融政策維持を賛成多数で可決し、7月金融経済月報で「基調としては」との文言を削除し、景気の総括判断を上方修正しました。
福井日銀総裁は「政策決定は7対2の賛成多数。景気は踊り場を脱却しつつあり、今年の末からCPIがプラスに転じる可能性、少しずつ見えてきている。IT調整は尾を引いているが、景気回復は広がりをもっている。ただ、原油など不確定要因あり、CPIは、なお幅を持って見ることが必要で、景気は踊り場を脱却したとは明確には言い切れない。物価の基本的判断は、他の物価指標や経済動向を総合的に検討。量的緩和枠組み修正での当預減額、3条件満たすまで行わない。政策決定への反対票、当預目標減額してはどうかという意見。景気は全般的に基本シナリオに沿って動いている。原油価格の上昇がなにがしかCPIに影響している。家計の動きを少し小さく見ていた、輸出の伸びが遅くとも相補っていく」等と語っています。
また、6月仏消費者物価指数0.2%(予想0.2%)。英失業率2.8%(予想2.7%)失業者数8800人(予想8000人)。となっています。

2005.7.13

 12日のニューヨーク外国為替市場では、先週発表された6月米雇用統計の数字が予想を下回ったことや、13日発表の米貿易収支に対する警戒感から、長期間のドルのロングポジション巻き戻しや利益確定でドルが大幅下落し、ユーロに対しほぼ1カ月ぶり安値。ユーロ/ドルは4月以降の下落局面からテクニカル的には脱してきており、1.2350ドルから1.2400ドルぐらいまで反発余地が広がっています。ユーロ/ドルの上昇の仕方次第ではドル円110円割れの可能性もまた、11日に発表された中国の6月の貿易黒字が5倍に拡大したことを受け、5月の米貿易赤字額が拡大するとの見方が広がっています。米貿易赤字は、2004年末まで3年にわたってドルが30%下落するおもな要因。しかし、2005年前半は、金利上昇でドル上昇。5月米貿易収支は、赤字額が4月とほぼ同水準の570億ドルになるとロイターでは予想されています。赤字額は2月に過去最大の601億ドル。ECB欧州中央銀行の理事会メンバーであるガルガナス・ギリシャ中銀総裁が「このところの原油価格の上昇で、ECBはインフレ率予想の引き上げを迫られる可能性がある」との見方を示したことから、ユーロ圏の利下げ観測が後退、これもユーロの支援材料となりました。そして、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0513ドル89セントと、前日の終値に比べ、5ドル83セント安で取引を終了。
 また、この日、カナダの中央銀行は金利据え置きを決定しましたが、近い将来の利上げを示唆したことから、カナダドルが上昇。
 今朝日本時間7:45発表のニュージーランド5月小売売上高は、前月比-0.6%で予想の0.4%を下回りました。
 一方、日銀は金融政策決定会合の結果を発表し、午後には7月日銀金融経済月報を公表。福井日銀総裁の会見も予定されています。財務省が午前8時50分に発表した国際収支状況速報によると、5月の経常黒字は前年比19.5%減の1兆3776億円。貿易黒字は前年比57.4%減の4743億円。ロイターの調査では、民間調査機関25社による経常黒字額の予測中央値は1兆2500億円程度で、前年比27.0%程度の減少。発表された数字は、予測を上回っています。

2005.7.11

 今週の外為市場で、ドルの下値では引き続き金利差や景況感格差に着目した買い地合いが続き、ドル/円は底堅い動きとなりそうです。下値が底堅いことでドルがじり高展開となり、ドル/円は1年1カ月ぶりの高値となる113円台に乗せる可能性もあります。ただ、円ショートが溜まってきていますので、ドルブルには調整リスクはあります。

 前週末の主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)も特段の材料とはならず、米労働省が発表した6月雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが14万6000人と事前予想18万8500人を下回った上、景気拡大の目安となる15万人にさえ届かなかった半面、失業率が5.0%と前月の5.1%から改善して2001年9月以来の低水準を記録したことや、4~5月の雇用者数の伸びが上方修正されたことで、ドルは上下に振れる展開となりました。しかし、米雇用の緩やかな伸びは、円債の上値を抑える可能性もあり(12日に5年利付国債入札)、日本国内投資家の外貨買い/円売りが相次いでいるほか、ドル/円の上昇を受けて、日本へ投資した海外投資家のヘッジに伴うドル買い/円売りもあって、金利差や景況感格差を材料にしたドル買い地合いが続いているだけに、今のままでいけば110円を割り込むようなムードはなく、下値には買い遅れている輸入企業を始め、短期筋の注文も多いみたいです。ドル/円は、決済通貨としての値動き。さらに郵政民営化法案をめぐる政治面の不透明感も、特に海外勢には不安材料です。
 郵政民営化法案は、11日に特別委員会の設置が決まれば、13日の参院本会議で趣旨説明と質疑が行われる見通し。5日の衆院採決では、賛成票を投じなかった自民党議員が51人にのぼっており、参議院での採決は波乱含みが予想されています。小泉首相は8日、郵政民営化法案の継続審議の可能性を否定したほか、仮に否決された場合は、内閣不信任とみなすと言明。参院否決でも衆院を解散する決意をあらためて示しています。5票差で衆院を通過した郵政民営化関連法案は、13日にも参院で審議です。小泉純一郎首相にとって最も好ましいのが、8月13日の会期末までに法案が成立すること。仮に、秋の臨時国会に先送りされて参院が法案を可決した場合、再び衆院に戻して再議決の手続きが必要になります。首相が「今国会中に成立を」と訴えている以上、継続審議は事実上の廃案。臨時国会で採決しても否決、廃案となり、首相はそのまま退陣というケースも考えられます。 
 5月機械受注が予想を下回り、原油価格の高騰が続くなど、依然として先行き不透明な要因が残る状況の中で、12~13日の日銀政策決定会合や、「展望リポート」の中間評価なども予定されていますが、特段の注目を集めていません。日銀金融政策決定会合では、4月展望リポートの中間評価を含め景気判断が焦点。先行きを占う上で、輸出が伸び悩み、雇用・個人消費などが堅調であることの評価が注目。踊り場脱却への動きは進んでいますが、ロンドン連続爆破事件、弱い5月機械受注統計などを受け、見極めにくい景気に関する日銀の判断が焦点。金融政策については、現行政策を維持する見通し。なお、政府は12日に月例経済報告を公表。加えて、福井総裁の会見などで、当座預金残高目標の引き下げやその先の量的緩和解除のメドがいつごろになるのかがポイントです。
 
 ドル買い地合いが継続となれば、利下げ観測の後退から買い戻されていたユーロ/ドルも再び下値を試す可能性があります。7日の欧州中銀理事会では利下げは行われなかったものの、折からの景況感の減速に加え、英国で発生した連続爆破事件の長期的な影響を懸念する声もあります。10日にルクセンブルクで行われた欧州憲法の批准の是非を問う国民投票が賛成56.52%、反対43.48%という大差の賛成多数で可決され、ユーロはやや買い戻しが入っているものの、通貨統合から政治統合への道のりが遠いことは既に明らかなため、一段の買い戻しには動きづらいままです。また、ユーロ/ドルでは今週以降も、米国籍企業の海外子会社が本国に利益を送金する際にかかる税が軽減される「HIAホームランド・インベストメント・アクト」法に基づく米国へのリパトリエーション(資金の本国還流)が続く見込みで、需給面からもドル買いが優勢になり、ユーロ/ドルは1年2カ月ぶり安値となる1.1800ドルが下値メドとして意識されています。
 一方で、ドル高地合いが崩れる可能性もあります。その契機となり得るのが、ロンドン連続爆破事件や、13日発表の5月米貿易収支です。連続爆破事件の影響は当面限定的との見方が大勢を占めているものの、事件の解明長期化や心理的な影響による資金フローの滞りなど、様々なリスクは残っています。巨額の経常赤字を抱える米国にとって、世界的な資金フローの停滞は米国への資金流入の減少にあたり、ドルのリスク要因となりかねません。18日発表の対米証券投資を前に資金フローに注目が集まれば、米貿易赤字にもこれまで以上に関心が集まるのではないでしょうか。5月貿易収支の市場予想は575億ドルの赤字。また、日米ともに株価の上値が重くなってきており、ボックス相場。ボラティリティの低下から、投機筋のマネーは原油などの商品、さらにドル本体に流入していますが、短期筋は大きな流れになる前に、利益確定の行動に出ています。

2005.7.7

 6日のニューヨーク外国為替市場では、ISM米供給管理協会が米朝方発表した6月の非製造業部門の景気指数は62.2と、前月の58.5から上昇。市場予想の58.0を上回ったことや、原油先物が史上最高値を再び更新したことで、原油高が石油輸入に依存する日本の景気回復に悪影響を及ぼすのではないかという懸念が出てドル高/円安の流れが進み、ドル/円は一時112.29円11カ月ぶりの高値に上昇。他通貨に比べて円は原油高が弱材料になりやすいです。112.50円と113.00円の水準にはバリアオプションがあり、ドルの上値抵抗線。長期物のドル/円オプションに対する需要があり、120円にノックアウトが付いた2年物のドル/円オプションが112円の水準で5億ドル買われた模様。
 カナダドルは、中央銀行の金融政策決定会合を来週に控え、利上げ期待が一部で広がっ
たことを受けて上昇。対ドルではテクニカル的な要因もあり、1ドル1.2350カナダドルに上昇したほか、対ユーロでも1ユーロ1.4713カナダドルと、3年ぶりの高値を更新。
また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0270ドル68セントと、前日の終値に比べ、101ドル12セント安で取引を終了。
ドル買い地合いが続いているものの、112円台では利益確定や実需筋の売り注文が増えるため、一時調整も予想されます。しかし、最高値を更新し続ける原油価格をにらみ、円が売られやすい。現在、米原油先物が時間外取引で過去最高値、1バレル61.40ドルを上回り61.47ドルに。

2005.7.5

 ドル/円は、昨日衆議院本会議で優勢民営化法案が僅差で可決された事を受け、海外勢の仕掛け的な買いで一時112.13円まで上昇し11カ月ぶり高値を付けた事で、目先的な達成感が出ていますので、週末にかけて相次ぐ主要イベントを前にドル買いやユーロ売り、円売りポジションの調整、特にドル売り戻しが先行する可能性があります。MNSI(マーケットニュースインターナショナル)が「ECBが利下げしそうにない」と報じた事などから、ユーロ/ドルは1.1868ドルまで下落し1年1カ月ぶりの安値、英ポンド/ドルは1年2カ月ぶりの安値をつけました。その後に、ドルが利益確定の売りなどで111.50付近まで急速に戻されました。しかし、MNSIからの報が「3ヶ月前のニュースソースを蒸し返しただけだった」と判明、再度ドル買いで値を戻しています。ユーロ圏小売売上高(予想0.4%)の結果(1.1%)が噂されていた事などからも、ユーロ回復の要因。1.1900を回復したユーロ/ドルがNY時間午前、昨日のトリシェECB総裁が提出した04年ECB年次報告書が欧州議会において296対287(内41は棄権)の僅差で否決されたことを受けてかユーロが下落する場面があったものの、その後再び同水準を回復し1.19前半での小動きでした。ほぼ予想通りの結果となった米5月製造業受注(2.9%、前月分は0.9%→0.7%へと下方修正)が発表された後、市場の焦点は米雇用統計に移りました。8日金曜日の6月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが18万8500人と、5月の7万8000人から大幅拡大すると予想されている雇用統計の発表を前に、雇用統計に対する警戒感からの利益確定売りが出ています。ドル/円は、112.50円と113.00円にバリアオプションがあり、ユーロ/ドルでは、5日に1.1875ドルのバリアは破られ、1.1850ドル、1.1825ドル、1.1800ドルの各水準にバリアオプションがあり、短期的には1.1850ドルが目処。一方、6日からのサミットでは、人民元の切り上げリスクについて、市場ではまだ織り込まれていません。
また、軟調推移を続けているオセアニア通貨は原油をはじめとする商品相場が上昇に転じたこともあり下げ渋る展開。

 米連休明け5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続伸し、指標となるWTI米国産標準油種8月渡しは、石油精製施設などが集積するメキシコ湾岸が熱帯暴風雨に見舞われている事などから、一時前週末終値比1.35ドル高の1バレル60.10ドルまで上昇し、6月28日以来、再び60ドル台をつけました。終値は0.84ドル高の59.59ドル。また、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は1万0371ドル80セントと、前週末の終値に比べ、68ドル36セント高で取引を終了。

 豪準備銀行は(RBA、中央銀行)は、金利政策決定の月例会合でオフィシャル・キャッシュレートを4ヶ月連続5.50%に据え置き。7日には豪雇用統計が発表。

2005.7.5

 昨日は海外で、ECBメンバーであるノワイエ仏中銀総裁の6月29日の下院国民議会での発言が、下院公聴会のサマリーで、この日7月4日に明らかにされ「加盟国がユーロ圏を離脱することは可能」との見解が伝えられたことを受け、ユーロが対ドルで約14カ月ぶりに1.19ドルを下回って下落。ノワイエ総裁は「国家は主権を有するため、ある国がユーロ圏を脱退することは可能だが、そのような動きは、その国がEUの加盟国にとどまる実力があるかどうかについて疑問を呼び、リスクなしには行えないだろう。ユーロ圏の金融政策は、極めて緩和的であり、ユーロ圏各国が財政規律を強化することが必要だ。中央銀行の政策理事会とユーログループ・ユーロ圏財務相会合の事前調整が難しいとすれば、かえって両者間で永続的な情報交換が必要だということだ。現在のユーロ相場が、1986~2005年の対ドルまたは先進工業国バスケット通貨に対する平均をそれほど大幅に上回っているわけではない。為替相場変動が競争力を決める唯一の要因ではない。また、特に中国について、中国の競争力が為替相場だけにリンクしているわけではない。」と述べたようです。イタリアのロベルト・マロニ労働社会政策相が6月に、イタリアはリラの復活を検討すべきだとして市場を動揺させた際、ECBはそのような考えは「馬鹿げている」と述べていました。
 一方、BOEイングランド銀行の利下げ観測が高まっていることから、ポンドがドルに対して1年2カぶりの安値水準近くまで下落。対ユーロでは、1日につけた1カ月ぶり安値付近。一時2004年5月中旬につけた1.7571ドル近辺まで下落。対ユーロでは、1日につけた1カ月ぶり安値となる67.98ペンスからほぼ変わらずの67.61ペンスで推移。
 4日のニューヨーク市場は、独立記念日のため休場。全般的には薄商いでした。

 CIPS/NTCリサーチがまとめた6月のユーロ圏サービス部門業況指数は、景気判断の分かれ目となる50を依然として上回って53.1となり、前月の53.5から低下。予想中央値は53.4(レンジは52.4~54.0)。期待指数も前月の64.4から63.1へと低下、2004年11月以来の低水準。
また、6月PMIサービス部門購買担当者景気指数も50を上回って55.8となり、前月の55.1から上昇。予想は54.6。
一方、6月ドイツPMIサービス部門購買担当者景気指数季節調整済は50を依然として上回っているものの52.3となり、前月の52.6から低下。
指数は当初、5日に配信する予定だったものの、手違いにより4日に配信。

 ドイツ経済労働省のプファフェンバッハ次官は、今月6~8日にスコットランドで開催されるG8首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)について「中国の為替制度が議題に上るかもしれないが、為替は主要な議題とはならない」との見通しを示しました。
 また、ドイツ経済労働省のプファフェンバッハ次官によると、シュレーダー首相は「サミットでヘッジファンドの透明性向上と国際的な規制について提議する。ただ、ヘッジファンドについての声明は発表しない」と語った模様です。

 スペイン中央銀行は4日、月報を公表し「ユーロ圏の最新の経済指標によると、ユーロ圏では第2・四半期に経済活動が低迷した。物価については、強いインフレ圧力はない。また、ECBが6月の理事会で政策金利を据え置いたことは、ユーロ圏に強いインフレ圧力が存在せず、経済活動が緩やかな基調を維持するとの見通しに基づく決定だった」との認識を示しました。

ECBのトリシェ総裁は04年ECB年次報告書を欧州議会本会議に提出。↓
「最近の経済指標は、潜在的な成長力は2005年前半は低迷したままで、総合的には依然下向きであることを示している。今後、実質経済成長が緩やかに回復するという見通しは、ECBが2005年6月に示した予想に反映されている。ただ、内需の短期的見通しに関する不透明感は増した。とりわけ、原油価格の上昇は成長見通しに対する下方リスクとなる。また、ECB予測に対するインフレ上向きリスクが依然として存在する。リスクは、ここ数年同様、主に原油価格、間接税、公共料金の動向に関するものだ。マネー分析の結果についても警戒が必要だ。過去数カ月、ユーロ圏のマネー・信用は、主に低金利の刺激効果を反映して、引き続き力強く拡大している。経済分析の結果を総合すると、域内の基調的なインフレ圧力は、中期的には依然抑制されている。ただ、マネー分析とあわせて考慮した場合、引き続き警戒が必要との主張が裏付けられる」とし、利下げに関する言及や、緩和的というセリフなどから早期利下げ観測が後退する可能性も出てきました。

 一方、IMF国際通貨基金のラト専務理事は5日付の独フランクフルター・アルゲマイネ紙とのインタビューで「景気が万一悪化するような場合には利下げは有効な手段となり得るものの、ECBとして現時点で利下げを行う必要はないものの、選択の自由は確保しておくべきだ。何らかのバイアスを示すべきでない」という考えを示しました。

 本日は、グレンイーグルズ・サミットや英国・欧州の金融政策会議、米雇用統計などのイベントラッシュで、手控えムード。ただ、大型イベントを前に思惑も広がり易く、短期筋や投機筋が取引量の減少したタイミングを見計らって仕掛け的な売買を行う可能性があります。
 先ほど5日付の金融時報によると、中国人民銀行の金融政策委員会の余永定委員は「金融政策は近い将来にわたって安定を維持すべき。さらなる信用引き締めは不要、おそらく有害だ。人民元相場をめぐる不透明感で投機が減退し、その投機の減退が、人民元改革の環境を整える。経済成長とインフレは現在、最適な状態でつり合っている」と述べたようです。

2005.7.4

 前週末は、過去の推移を見ると、50を割り込んだときにFRBは利上げを行っていないISMが発表した6月製造業景気指数が53.8と、事前予想の51.5を上回ったことなどをきっかけにドル買いの流れが勢いづき、11カ月ぶりドルは軒並み主要なチャートポイントを突破して高値。

 今週は、FOMCが、早期の利上げ打ち止め観測払拭や、金利差や景況感格差によってドルは堅調な推移となる見通し。欧州圏の利下げ観測も継続しており、ユーロは上値の重い地合いを引き継ぐでしょう。しかし、米国の明確な景気回復を見極めるまで、ドルを一段と買い上がるには力不足。6月米雇用統計の発表までは、ドルは底堅くなりそうです。今日は米国が独立記念日で休日で閑散。しかし、前週末のドル大幅高から、投機・短期筋などのドルの上値を試したい向きが仕掛け的に買い込んでくる可能性はあります。高値圏で利益確定の売りも出やすいものの、材料もなく大きな下落も見込みにくいので、やはり底堅い値動きが続きそうです。

 本日は10:30に豪5月貿易収支が発表。-15.6億豪ドル。予想は-14億豪ドル、前回-13.25億豪ドルから若干増加予想。原油などの商品価格や航空機の輸入問題などが影響しています。

 6日はISM米供給管理協会が6月の非製造業景気指数(予想58.0と、前月の58.5から悪化)を発表。8日は、ドルにとって押し上げ要因となる可能性もある6月米雇用統計(非農業部門雇用者数予想は18万8500人の増加。前月は一時的な低迷で7万8000人増加。失業率予想は5.1%と横ばい)での米景況に注目。
 そして、6~8日にスコットランドで開催されるG8首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)では、原油高や世界経済、そしてブッシュ米大統領も、サミットで為替問題が話し合われるとの見通しを示している上、中国の胡錦濤国家主席も参加しているため、人民元改革の問題が議題に上がるとみられ、円高圧力になる可能性などにも注目。6月26日のASEMアジア欧州会議財務相会議で、中国側が人民元改革の必要性を認めながらも、中国自身の判断による実施を強調したことや、具体的な時期を示さなかったことが円売り材料になりました。しかし、6月日銀短観が良かったこともあり、市場の焦点が人民元を中心としたアジア通貨に戻る可能性はあります。
 また、6~7日にはBOEイングランド銀行、7日にはECB欧州中銀がそれぞれ理事会で金融政策の決定を行う予定。BOEは6月22日に公表した6月8~9日の金融政策委員会議事録で、2人の委員が消費回復のための利下げを求めていたことが明らかになり、同中銀の利下げ観測が一気に高まっています。ECBについては、トリシェ総裁をはじめ当局者からは「現行の金融政策に問題はない」との発言が相次いでいますが、景気の改善は見られず、利下げの思惑は強まっています。また、10日にはルクセンブルクで、EU憲法批准の是非を問う国民投票。フランス、オランダでの否決がユーロ売りになっただけに、ルクセンブルクでは今のところ、賛成多数のようですが、再び否決という方向になると、ユーロ売りの手がかり。

2005.7.1

 前日のFOMC米連邦公開市場委員会は、0.25%の利上げを決め、緩和政策の「慎重な」解除という声明文を踏襲。ドル/円はFOMCまでの間に大幅に買われ、111円直前まで上昇していましたが、FOMCが今後の利上げについての市場の見通しを覆す内容ではなかったことから、FOMC後の相場はレンジに。米国3連休を控え、ポジション調整のドル売りも考えられます。しかし、円のポジションが大幅にショートになっていないので、新しく円・ショートを作る余力ができています。しかし、下は110.60/50付近にビッドがありサポートされており、111円付近にはオプションなどがあって売り買いが攻防し、上値は引き続き111.00が重そうですが、111円半ばあたりまでの上値余地はあります。一方、FOMCの結果を受けても、ユーロ/ドルはレンジ内での値動きに終始。ユーロ/円は昨日急騰の起点となった133.40付近を維持できるかがポイント。現状は133.80付近でサポートされています。

 今朝方発表の指標は、失業率5月は4.4% 、有効求人倍率5月は0.94 、全国消費者物価指数5月は±0.0%。そして、日銀短観は、大企業製造業DI-Q2は18(予想16)、大企業製造業・業況判断指数の9月予測は+17 、中小製造業・業況判断指数+2、9月予測+1 、大企業非製造業・業況判断指数+15、9月予測+14 、05年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+9.4% 、05年度大企業・製造業の経常利益計画は前年度比+2.4% 、中小非製造業・業況判断指数-12、9月予測-13 、05年度中小企業・全産業の設備投資計画は前年度比-8.0% 、大企業・製造業の販売価格判断指数-7、9月予測-9 、05年度大企業・製造業の売上計画は前年度比+3.1% 、大企業・全産業の雇用判断指数0、過剰感が縮小 、大企業・製造業の仕入れ価格判断指数+37、9月予測+27 、大企業・全産業の生産・営業用設備判断は+2、過剰感が縮小 、05年度大企業・製造業の想定為替レートは1ドル103.95円、上期1ドル104.09円。
 谷垣財務相は「日本経済は基本的に堅調な状況が続いている。原油価格の高止まりを注意深くみていく。円安傾向が経済実態に即しているか軽々に発言できない。円安傾向は、日米金利差の拡大が一因」とし、竹中担当相は「日銀短観で、企業収益の底堅さが確認された」、田谷前日銀委員は「日銀短観の結果は、ポジティブサプライズだ。設備投資計画も予想以上に強い」としており、また、細田官房長官「日銀短観は、手堅く、底堅い動き。上昇気流とまでは言えず依然踊り場。7月下旬にも六カ国協議が再開されることを期待している」と述べています。
 短観を受け、ドル円はポジション調整で、一時110.62円を付けました。実需筋の売買が一巡したドル不足気味の仲値公示後に、邦銀や短期筋の仕掛け的ながいで、111.10付近のストップも巻き込み、一時111.13円まで上昇。04年10月8日以来、約9カ月ぶりの高値をつけました。輸入企業のドル買いは、月末を過ぎて少なくなっていますが、110.50付近には散発的に買い意欲がみられます。

 一方、10:30に発表された豪5月小売売上高は天候の影響に早めのWinter Salesや減税による支出も早々と見られ始めた事もあり、予想+0.4%のところ、結果+0.9%と前回の-0.5%から反発。また、5月住宅建設許可件数も(予想±0.0%、結果+4.5%)共に好結果。ただ、7月6日のRBAキャッシュターゲットでの利上げには十分でなく、5.50%据え置きをほぼ織り込み済み。この指標結果を受けたAUD/USDは0.7595から07615レベルへと戻りを見せ、AUD/JPYも84円半ばに回復を窺い堅調に推移しています。