ヨシカズへの好きという気持ち。



マサルに対してより、トオルに対してより、間違いなく大きかった。



ナンパで、まだ2回しか会ってないのに。







ヨシカズ達にナンパされて宅飲みした日。

私はヨシカズの彼女の存在を知った。

ヨシカズの部屋に貼ってあったプリクラを見たのだ。

飲み始めてすぐ。

サチと「誰~?彼女?!」と聞いたら

ヨシカズは否定することなく認めた。

ヨシカズと彼女も高校時代からの付き合いだと言っていた。

ヨシカズの地元にいるという彼女。

遠距離という状況も同じで親近感を覚えた。

「私も高校のときから続いてて」なんてマサルのことを少しだけ話していた。







ヨシカズに彼女がいてもいなくても、まずは私の中途半端な状況からなんとかしたかった。







宅飲みから数日後、マサルに別れ話をしようと

意を決して電話をかけた。
ヨシカズのことが好きになってしまった私。

ナンパされたくらいで流されない、なんて思っていたが

流されまくっていた。。。





マサルとは高校時代から付き合っていた。

当時マサルは隣の県の大学に通っていて遠距離だった。

付き合いも4年目に入り、倦怠期だなと感じていた私。

マサル以外に気になっている人がいた。

その人はマサルの友達、トオル。

マサルの友達含めてしょっちゅう遊んでいるうちに

いいな♪と思うようになっていた。



マサルがいないときでもトオルを含めた友達たちと遊んでいたし、

トオルと2人っきりで遊ぶこともあった。




私が就職して半月ほど経った4月半ば。

トオルと2人で遊んでいたとき、トオルから好きだと言われた。

私がマサルとの付き合いの中での不満を話したときもあったし、

何より私もトオルのことをいいかも、と思っていたから

告白されて嬉しかった。



が、彼氏の友達だ。

マサルと別れたからといって、トオルと付き合えるかというと

そういう困難を乗り越える気力は私にはなかった。

トオルは「マサルと縁を切ったっていい」とまで言っていたが

私的には複雑だった。





実際にトオルから好きだと言われたあとに2人で会っても

なんだか違う。。と違和感を覚えた。



トオルのことは好きだが友達として、のそれだった。



マサルとも中途半端。

トオルに対して付き合うまでの気持ちは持てない。

そんなときにヨシカズと出会った。

出会いはナンパでも、好きだと思う気持ちは

マサルに対してより、トオルに対してより、

上だった。。。
まだ友達たちは勉強しているけれど

帰るからと電話をくれたヨシカズ。



こんな風に言われて悪い気なんてまったくしない。



ヨシカズも私に会いたいのかな?と思って

むしろ嬉しくなった。





ヨシカズのマンションに着いた私は電話を入れた。

すると下まで迎えにきてくれた。





「お邪魔しま~す♪」

ヨシカズは本当に帰ってきたばかりだというのが部屋に入ってすぐにわかる雰囲気だった。





昨日の飲みのときは、ムーディーに照明も落とされていた部屋。

今日は普通に明るかった。

同じ部屋なのに全く違う雰囲気に恥ずかしくなった。




2人で座ったが、何を話して良いかさえ迷ってしまう。。。



「…友達、大丈夫なの?」

まずは聞いておこう。

「うん。

俺が勉強しなくてやばいかな?(^^;)」



会えることが嬉しくて楽しみでしょうがなかったのに

実際にヨシカズ本人を前にしたら、どうしたらいいかわからなかった。



昨日の今日だし、素面だし、イマイチ盛り上がらない会話。。。

ちょっと息苦しい。




それはヨシカズも同様だったみたいで

ヨシカズの部屋に入って1時間弱で

「俺、友達んとこ戻るわ。

あいつらより俺のがやらなきゃヤバいからさ。」

ヨシカズが言った。




Hな雰囲気になることなく、部屋をあとにした。



私…

期待してたんだ。



そんな期待があったこと、自分でわかってたはずなのに

改めて気付いて感じたこと。。。



私、ヨシカズのこと好きなんだ。





ヨシカズも一緒に部屋を出る。



「じゃまたね!

勉強頑張ってね♪」

私からキスした。



「またな☆」






ヨシカズとバイバイしてからの帰り道、

私はマサルと別れようと決心した。
友達の家でテスト勉強をするから今日のデートは無理だと言ったのに

帰ってこれたら会おう、だなんてあやふやなヨシカズ。



でも私は不信感を抱くどころか、会えるかもしれない期待でドキドキしていた。

ドキドキというよりも勝手に会える方向にばっかり考えて

嬉しくて仕方なかった。






時間をはっきり告げられずに確証もないまま

待つというのは結構面倒なものだ。



何もできない。





一旦帰った家を9時過ぎに出ることにする。





当てもなく車を走らせるが

結局本屋に行ったり、CDを見たり。

用もないのにコンビニに寄ったり。




普通ならこんな約束なんてしない。



なのに会いたい私は

ヨシカズが好きになってしまったんだろうか。。。



認めない自分がいたが、答えは明らかだった。








10時半頃になり、ヨシカズから電話が来た。

「遅くなってごめんな!
まだ友達ら勉強してるんだけど

俺これから帰るから(^^)」

「行っていいの?」

嬉しさを隠しながら冷静に言う。



「うん(^^)

マンション着いたら電話して!」




こうして今朝出てきたばかりのヨシカズの部屋へ

2度目の訪問をすることになった。
ヨシカズとデートする約束をしていた私。

日中にヨシカズから着歴はなかったので

私から電話することにした。







この時点で、マサルに対する罪悪感はほとんどなくて

ヨシカズに会って、もっとヨシカズのことを知りたいと思っていた。





ためらいなくヨシカズに電話する私。





「もしもし?」

すぐにヨシカズが出た。



「もしもし(^^)

ユカだよ。昨日はありがとね!」

一体なんのありがとうなのかよくわからないが

私はヨシカズにそう言った。



「ユカ、今日のデート無理っぽいかも。。。

友達んちで勉強する話あってさ。」



あれ?

無理って…デート出来ないの??

こんな風に言われると思っていなかったので

がっかりしてしまう。。



「そっかぁ…。

無理っぽいんだ。。。

…楽しみにしてたのにぃ。」

テストが近いとは聞いていたが、最初に誘ってきたのはヨシカズだったから

思わず本音が口から出てしまった。




「ごめんな。」

謝るヨシカズ。



「謝らないでよ。

テスト近いんじゃ、仕方ないよね。」



がっかりしながらも

良い女ぶりたくて(笑)理解を示す。






「…ユカ、

今日何時に帰ってこれるかわからないけど

俺んち来る?」



無理ってさっき言ったのに、前言撤回早すぎ!!(笑)






「んー…

じゃヨシカズが戻ってきたら電話して♪」



会えるかもしれないことが嬉しくて

テンションが上がるのがわかる。




私はヨシカズのあやふやな態度に踊らされていた。