読書感想文なんかこわくない!〜中級編〜 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

下手でもいい、オリジナルの読書感想文を書いてほしい、と始めた読書感想文応援企画。

本日は中級編である。

 →初級編はこちら『読書感想文なんかこわくない!〜初級編〜

 

 

『初級編』では課題図書の表紙を見つめるだけでも感想文は書ける、と言ったわけだが、表紙をいつまで見つめたところで1200字は埋まらない。いよいよ読まねばならないので、さっさとまずは読んでください笑

 

※今回も、第64回青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部(5、6年生)の課題図書であるこちらを使って解説していきやす。

私もちゃんと読み終えました!書評は後日アップ予定。下記に例文として一部書いてます笑

 

 

そして読み終わったところで中級編である。

 

『読書感想文は感想を書く場所ではない。』

 

えーーーー!?と思ったそこの大人のあなた!!!

驚いた?

 

読書感想文なのに感想を書かないの?という疑問はよくわかる。

しかしよく考えてみてほしい。

初級編でも食レポに喩えて話したが、中級編でも同じことが言える。

 

「うわーーおいしい〜。すごくおいしい〜。」

 

テレビを見ていると、これしか言わない人が時々いますわな。

そしたらそんな人に対して同席しているタレントさんたち、どう言ってます?

 

「へたくそか!」

「食レポ、向いてないなあ」

 

などと散々貶しているではありませんか。

 

本当にそのご飯はおいしいんだろうとは思う。

おいしいんだからおいしいって言って何が悪い。

確かにおっしゃるとおりである。

けれどテレビを見ているだけの私たちは、どうおいしいのか、食感はどうなのか、どういう味なのか、それだけじゃさっぱりわからない。

よく知らん人がおいしいおいしいと食べているだけの映像・・・なんかの拷問か!!

 

それと読書感想文は全く同じと考えていい。

 

おもしろかった。

すごく感動した。

とても哀しかった。

 

そらそうでしょうよ!だから課題図書になったんだろうよ。

読書感想文を読む人は罰ゲームを受けているかのごとく感じるであろう。

 

だからもう一度言おう。

読書感想文は感想をだらだら垂れ流す場所ではない。

あなたの読書感想文を読んでくれる人は視聴者である。

読書感想文とはそんな視聴者にあなたが読んだ本の「おもしろポイント」をレポートしてあげる場所なのである。

極論を言えば、「おもしろい」という言葉を一切使わず書いてみる、というのも一つの方法なのである。

 

 

(「おもしろかった」を使わない例文)

・昔実在した「こんぴら狗」という風習をこの本を読んで初めて知りました。それはリレーのバトンのように「こんぴら犬」が金比羅山までの往復の道のりを旅する人の手から手にわたって旅する風習で、この物語に出てくるムツキも犬一匹で江戸から金比羅山に旅に出た時は、本当に戻ってこられるのだろうかとドキドキしました。

・ムツキの住んでいる江戸から金比羅山というのは今の東京から香川県で、往復1340キロだそうです。ムツキや旅の人たちがどれくらい長い距離を旅をしたのかと思うと足が痛くなってきました。しかも昔の人は靴じゃなく草履を履いていたはずだから、余計に大変だったんじゃないかと思いました。

・ムツキと一緒に旅をしていたご隠居さんが体調を崩し、そして亡くなるまでの間、ムツキはずっとご隠居さんのそばを離れず、ご隠居さんをずっと温めていて、ご隠居さんが亡くなったことは哀しかったし、この先のムツキのことを思うととても心ぼそくなったけれど、ご隠居さんは最期の瞬間まで淋しくなかったのかもしれないと思うと少しだけ救われました。

・ムツキは4月8日に金比羅山に向かって出発し、江戸に戻ってきたときはもう6月になっていました。江戸になんとか戻ってきて、ムツキが飼い主の弥生さんの家に向かって走り出し、弥生さんも何かの気配に気付いて家の外に飛び出した時、早く会わせてあげたい、と私は金比羅山に祈ってしまいました。そしてムツキが弥生さんの胸に飛び込んだ時、私はムツキのこれまでの3か月間を思いだしてしまって、泣いてしまいました。

 

 

ほら!!!これだけでも読んでみたくなったでしょ!?

私ったら読書感想文の天才じゃないかしら(ザ・自画自賛)。

 

さらに「おもしろい」を使わないだけじゃなく、上記のように「どこがどうおもしろかったか」の「どこが」を具体的に説明すると文字数も稼げるYO!!

 

以上、中級編でした。

例文がちょっと小難しくて(小学生に寄せる気ゼロ笑)ハードルが超絶高くなったように感じるかもしれないが、大したことは言うとりません。

というわけで、次回最終回『上級編』に続く。