スタートダッシュに失敗し、そして梅雨、そしてW杯。・・W杯はついでだが。
全国に数名いるとかいないとかいうコアなあもるファンにとって、イヤな予感しかしないこの時期!
そんなイヤな予感を裏切らないのがこのわたくしであります。
ぜ〜んぜん、読んでなーい!!
あははは〜笑
・・って笑ってる場合か。
発表まであと10日だぞ。・・・さーーーー ←青ざめる顔色。
梅雨も早々に明けたっていうのに、なんか調子わる〜い。
いつものことではあるが、今回はこれまで以上に候補作の描く世界の幅が広すぎる!!
社内外で奔走する新聞記者たちの戦いを読んだかと思えば、本を開いて開始早々2頁目でおっぱじめる(言い方!)作品がでてきたり・・・。
なんだか目眩がしてきた・・・
そんな目眩がする中、愛する我が無敵艦隊スペインはあっけなく敗れるしさ〜。
ま、ポルトガルとの初戦を見たときから優勝できるとは思ってませんでしたけど。
延長で苦しくても最後まで走り抜けや!
カウンター攻撃なのに守りのロシアに追い抜かれてる場合か!
(ロシアは素晴らしかったです)
おっさんJAPAN以上のおっさんSPAINだから仕方ないけども、それにしてもヒドイ。
まあ何より、W杯開幕前日に監督が交代するというドタバタ劇が一番の敗因でしょうな・・・
そんなドタバタスペインに寄り添っていたら(という名のタダのずる休み)、あれよあれよと時間が過ぎ去り、気付けばあと10日!やっべーぞ!
こっからエンジンかけてターボで駆け抜けたいと思います!多分。
さあさ、コアなあもるファンの皆様、18日の本物の選考会のPKで見事外してしまうまで、メッシことあもると手に手を取ってともに進もうではありませんか!!
そんなわけで、あもる一人直木賞選考会途中経過である。
※一部、内容に詳しく触れている部分があります。
1位
2位
3位 本城雅人「傍流の記者」(新潮社)
4位
5位 窪美澄「じっと手を見る」(幻冬舎)
6位
である。
1位は未読の木下殿(あもるのノロイがかかった作家)の「宇喜多の楽土」が鎮座ましますことを祈って空位にしておいた。
2位には今読んでいる作品が入りそうなので空位。
6位には未読のあの人が入るかもしれないので空位。
傍流の記者
1,728円
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そんなわけで、暫定3位の作品がこちらである。
開始早々、文章がとても読みにくく
「これは作家さんの作品じゃないな」
と裏表紙に書かれた作者の本城雅人さんについての紹介を読みましたらば、産經新聞の記者さんだった、とのこと。
どうりで納得〜。
しかしこの文体に慣れれば次々に起こる社内の出世闘争、そして社外では世間で日々起きる事件を巡る各々の葛藤などにグイグイ引き込まれていった。
この作品を読んだ後は世の中で起こる事件について見方が少し変った気がする。
昨日オウム事件の麻原彰晃ら以下7人の死刑が執行されたが、そういう事件についても新聞記者たちは部署内で連携しあいながら飛び回っているんだろうなあ・・と事件そのものへの関心だけではなく、それらを報じるマスコミ側についても考えるようになった。
さて続きまして
問題作の登場です。
じっと手を見る
1,512円
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一言で言うと、
同じ恋愛エロ小説なら前の『ふがいない僕は空を見た』の方がよかった
です。
本を開いて早々、2頁目でおっぱじめるシーンが出てきたときはちょうど通勤電車の中だった私、思わず本を閉じて周囲の視線を気にしてしまいました(汗)
電車でエロ本読んでるような気分よ・・・
と言っても、ただの恋愛小説でもなければただのエロ小説でもなく、しっかり読める作品ではあるのでご心配なく。
4人の男女が誰かを愛し、誰かを求め、それぞれの生きる場所をもがきながら見つけていき、そして見失う・・そんな話。
でも登場人物の誰にも共感できなかったのが私としては残念。
作者の窪さんはあえてそうしているのだと思うが、とにかく作家さんと登場人物との線引きがちゃんとしていてそこが残念に思うと同時にすごいなあ、と感心した。
登場人物皆を平等に扱っていて、じゃあ誰をも愛してるのか、と言ったらそうではなくむしろ誰に対しても距離をとっていて、あえていうなら冷淡であった。
どいつもこいつも・・こういう人いるわあ・・私の知ってる人にもいるいる・・まあわからないでもない・・なんだいいやつなんじゃん・・と思ったけどそうでもなかった!とかそういう人たちが平等にきっちりと描かれている。
主人公の日奈のか細い性格と優柔不断な既婚者宮澤の性格がもつれて絡み合って、そして散っていく様子はよかった。
この宮澤の奥さんが登場シーンは少ないものの、なかなかのキャラで度肝を抜きました笑
宮澤夫妻は夫婦でデザイン事務所を細々経営していて、旦那は結婚生活に窮屈を感じている中、経営が傾いてきて、なんかにげだしたーいとか考えているような浮き草タイプ。
で奥さんは浮き草と真反対のリアリストで、実家もお金持ちだからいざってときは援助してもらえるから、旦那さんを上から押さえてる(ように見える)人。配偶者を君って呼んじゃうタイプ。介護士をしていた日奈たちの職業を「あんなことよくできるわ」と蔑むすげーイヤなやつなのだが、誰よりも一番地に足をつけていきていて、現実的で、実は誰にも距離をとっていた作者だったが、実はこの人には一番重きを置いて書いていたように思う。
自分がそのタイプなのか、はたまたこういうタイプに嫌がらせをされたか笑
思えばもう一人、日奈の近所に住むひきこもりの若い男性もなかなかのキャラだった。
主役より脇役を(色々な意味で)輝かせるのがうまいのかもしれない。
前回の『ふがいない僕は空を見た』は、恋愛という物語が「産院」という命が生まれ出る場所を舞台としていたが、今回は老人介護という、命が消えていく場所を中心に物語が進んでいた。
命が産まれて、そして消えて行く。
恋も愛もくるくる回って、形を変えて、そして消えていく。
シングルマザーが出てくるのだが、若い&頭も悪いせいもあって、自分の実の子どもとの接し方がわからず、色々あって子どもを一時手放すことになるのだが、またあれこれあって手元に戻ってくる。親や親族の都合で居場所を転々とさせられてきたその子が、心を通わせた海斗とのシーンはちょっと切なくて、でもちょっと幸せになる。
しかし結局遠くに行ってしまい、別れのシーンも後味悪く、そのままこの親子の結末がわからずじまい・・この描写だけはこの作品の中でもちょっと異質。悪い予感しかしないのだがどうか幸せになっていてほしい・・と思う私も結局他人事なのだ。
そういう点も含んでちょっとした問題提起にもなっていると思う。
イヤミスという言葉があるのなら、こちらはイヤ・・なんでしょう。あまり後味のいい小説ではなかったなあ・・
以前つきあっていた日奈と海斗(ストーカー笑)はまた寂しく再会したところで物語は終わるのだが、未来を見据えた時、多分またつき合っては別れるのだろうなあ・・と思ってしまう。
どこから見てもハッピーエンド!!なんて人生を誰もが送っているわけではないが、とにかくみんな暗い!!!介護という仕事が横に描かれていることでそうでなくても暗いとこにさらに陰鬱な影を落とす・・・
ハッ!気付けばたくさん書いてしまった笑
思わず話したくなるような話しはいい作品、と私はよく言うが、じゃあこの作品がよかったか・・と言われると、ムムム・・・。悪くはなかったと思います。
そしてエロ描写はなかなかよかったです笑
湿度が高い話であるのに、そこをあえて冷淡に書いたのは読みやすくてよかったのだろうが、私としてはうっとうしいくらいに、湿気ムンムンで書いてほしかった。
日奈を含めて出てくる人がほぼ皆頭が悪いから、共感するうんぬんの前になんだかイライラが先にたちました・・・悪くてもいいんだけど、それならそれで一所懸命いきてほしいのだが、漂うごとく生きている感じもまた中途半端・・・
よく書けているのだが、1つ2つ何かが足りない気がする。空白を埋める何か、は何なのかなあ。愛情かな・・?
そんなわけで愛情不足により暫定5位であります。
さあ、引き続き頑張るよー!