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1人の男性を巡るそれぞれの立場の人間、そして国の立場、それら全てを激しいタッチで描いていて、一見すると雑にも見えかねないものすごく荒っぽい作品ではあったが、その激流の中にときおり見える光とその影が印象的で、大変いい作品であった。
私、呼吸をすることすら忘れるほど真剣に見てしまったよ。
あらすじはものすごくシンプルで
北朝鮮の寒村の漁師のナム・チョルが漁に出かけたある朝、魚網がエンジンに絡まったことから偶発的に国境を越えてしまい、韓国警察からスパイ容疑を着せられ、執拗に自白を強いられる。
そこで親切にされたり、激しい取り調べを受けたり、自由主義国家の繁栄を直視させて亡命を促されたり。
その際に偶然見かけたのは、うらぶれた路地裏を下着のまま逃走する金で買われた娼婦の惨めな姿だった。自由とは何と酷く不公平なものか!?
韓国側は独裁国家の北朝鮮に住む国民はかわいそうだ、と亡命を促すが、どっちが幸せかなんてわからないじゃないか。と観る側に提示する、そんな映画。
じゃあこの映画は、北朝鮮マンセー!なのか、と言えばそうじゃなくて、ラストのラスト、結局どっちもどっち・・・という哀しく皮肉な結末をこの監督は描き、たまたまのアクシデントで、立場の違う国を一艘の小舟で行き来しただけで、二国に人生を振り回され、そして心も体も大きく狂ってしまった人間のやるせなさが描かれていた。
監督の思想とかあまり感じなくて、とにかく今目の前にあるものをドラマティックに映し描こうとする意思だけが強く感じられる作品であった。そういうの、私は好きです。
思想なんてあとからついてくる。おもしろければなんだっていいと思うの。
文在寅大統領にはぜひこの映画を見てもらいたいものです。なんとなく。
そしてこの作品のキム・ギドク監督をいたくお気に召したあもちゃん、すぐGoogle先生に聞いてみましたらば・・左とん平みたいな顔がでてきた・・
えー。もっとシュッとした監督だと思ってたのに・・勝手に。
しかもさらにキム・ギドク監督について調べると・・・
韓国のキム・ギドク監督、ベッドシーン強要・暴行疑惑を釈明 「約4年前のことで...」(全文)
(huffingtonpostより)
あの映画の感じからすると、まあやりかねんって感じはする・・・
◇◆
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絶望的なオンチな歌手、という前提のわりに、そこまで「絶望」するほど下手じゃないじゃん。・・まあ下手ではあるけど・・
と思いながら、最後のカーネギーホールでのコンサートのメリルストリープの歌声を聞いていたのだが、モーツァルトの「夜の女王のアリア」の絶望的な下手さに大爆笑しました(笑)
音域、せまっっっ!!!!!
音程、あまっっっ!!!!!
作品の感想としては、なんかこう複雑な思いで見ておりました。
だって〜そんなにオンチなくせして、みんなが私を絶賛してる、って思いこめるってどんだけポジティブやねん!って思ったし、何よりヒューグラント演じる旦那ほか、周りの人間が新聞記者を買収したり、して嘘八百の評論を書かせたり、皆が彼女をおだてて「裸の王様」にしているんだもの・・それってすごく罪なことだと思ったり・・
結局「金持ちの道楽」という感想以上のものが出なかったのが残念でありました。
私は一緒に見ていた汗かき夫に
「私がこうなったら、絶対に指摘してね」
とお願いしときました。そんでもってお願いされてもいないのに
「汗かき夫が加齢臭がひどくなったら、指摘してあげるからね。ありがたく思ってね。」
と恩着せがましく言っておきました。
しかし年くってもヒューグラントってああいうすけこましっていうか、ダメ男っていうか、そういう男を演じさせられちゃうんだねえ。。。
もはや鉄板って感じでかまぼこ並みにそういう役が板についてて全く違和感なかったけど、やっぱりヒュー・グラントのあのニヤケ顔が苦手〜。
ピアニスト役のサイモン・ヘルバーグのびみょーな感じはすてきでおもしろかったなあ。
あ、そうそう。
このピアニストとマダムがショパンの前奏曲ホ短調を演奏するシーンはステキで切なかった。
その時間、夫であるヒューグラントは愛人とよろしくやってるってところがなかなか・・・
本当はこういう時間を夫と過ごしたいだけだろうに・・・とマダムの孤独感が少しだけわかる気がしたシーンでありました。
ショパンの曲ってあまり好きじゃないのだが、この曲は例外的に好き。
私「この曲、いいんだよね〜。」
汗「いい曲だよね。」
私「あ、私たちもこういう感じで一緒に弾こうよ!汗かき夫もピアノ習って〜。」
汗「い・や・だ!!!」
スヴャトスラフ・リヒテルの音は心の奥深くまで染みてくる。
マルタ・アルゲリッチのピアノは少し激しい。私の心を強く叩くのです。
それにしてもメリルストリープってカメレオンなのだろうか・・
今までこの人に注目していなかったのだが、出演映画を観るたび同じ人間と思えない・・
そして今、映画をやっているようだが、これは見てみたいと思いました。
マダム・フローレンスの時はめっちゃおばあちゃんだったが、この映画は全然そうじゃない。
この人、一体何歳なの・・・?