佐渡裕&ケルン放送交響楽団 ベートーヴェン第九 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成26年12月11日(木)、
『佐渡裕&ケルン放送交響楽団 ベートーヴェン第九』(in 東京芸術劇場)を聴きに行く。



魂、震えず。

指揮:佐渡裕
演奏:ケルン放送交響楽団
ソプラノ:スザンネ・ベルンハルト
アルト:マリオン・エクシュタイン
テノール:西村悟
バス:アンドレアス・バウアー
合唱:東京オペラシンガーズ/晋友会合唱団
曲目:ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」

◇◆

第九を耳にするようになると、今年も終わるんだなあ、と思わされる今日この頃。

というわけで、(ほぼ)毎年恒例の第九を聴きに行く。
今年は、指揮棒でお尻をペンペンされたい、私の、世界の佐渡ちゃん指揮の第九である。
はー。楽しみ~。

前回の佐渡ちゃんの第九では、大いに感動して大いに泣いて大いに心を震わせた。
 →参考記事『創立100周年 東京フィルハーモニー交響楽団「第九」特別演奏会

今回も心をぶるんぶるん震わすで~。
と夫婦揃って意気込んでやってきた東京芸術劇場。

なが~い、いつか事故でも起こるんじゃないかと思うほどの、
なが~いなが~いエスカレーターを昇りきり、コンサート大ホールへ入った私たち。

はあ。お腹空いた・・・
実は翌日、夫婦で人間ドックを受けることになったのだ。
そんなわけで、本日朝から流動食チュルチュル・・・



朝も昼も夜も流動食・・・。

第九を聴いた後、豪華ディナーにしよう!!
とか言ってたのに、何がかなしゅうて流動食チュルチュルせにゃならんのじゃ、と。
誰だー!こんな日に人間ドックの予定を入れたのはーー!!!!
と人間ドックを予約してくれた夫にぷんすか憤る私であった。

そんな空腹のせいもあったのだろうか、今年の第九はイマイチであった><
前回の第九でハードルが上がり過ぎたのかなあ。
楽しみにし過ぎたのかなあ。

ケルン放送交響楽団の放つ若々しい音と、
佐渡ちゃんの目指す音の方向が少し違っていた気がするのは私だけだろうか。

唯一、じーん、としたのは、第4楽章の西村さんのテノール部分。
心が震えた。
相変わらずええ声しとります。
心のずーっと奥まで染み渡った。

それに対して、残念なことが。。。
ソプラノの一番大変な箇所(一番高い箇所)でソプラノのスザンヌさんの声が出なかった。
おおおおおおう。

前回の佐渡ちゃん指揮の第九では、
蛍光ドレスをまとったソプラノの横山恵子嬢がそれはもうすんごい声でうたいあげ、
私の度肝を抜いたのは今でも記憶に新しい。

そういう歌を期待していたので、ちょっとガッカリしちゃった。
残念。

第九はすごくインパクトのある曲だし、
ある程度ちゃんとした演奏なら感動できると思ってたのだが、
やっぱりそんなことなかった。
キッチリ仕上げて、演奏者と指揮者と聴衆が心を揃えて、
第九に真正面から向き合って取り組まないと、心を震わすことができないのだな、と
改めて第九の難しさを知ったのであった。

今年もあとちょっと。
来年もすばらしい演奏が聴ける一年でありますように。