あもん流 島の歩き方
それは「集落のぞき」である
観光地をひととおり回った後に行うこの「のぞき」の術
決して人様のお宅に入り込むことは無く
ジロジロ、ウロウロすることも無く
集落をブラブラ散歩する程度である
たまに地元民と仲良くなりいろんなお話を聞く
たまにそこの番犬とじゃれ合いいろんなお話をする
そんなあもんは同化の術を持っているのかどうか
よく観光客に道を聞かれる
「すみません 僕も旅のものなので…」
そんな会話が何故か心地よい
種子島は風の強い島だ
台風直撃は珍しくなく、この風と遊びたくて訪れるサーファーも多い
自然界から知恵を教えてもらう人間は
この島に防潮林というものを作った
名前の通り風から家を守るための林だ
自然に対抗できるのは自然しかないと
その林には人間の謙虚さを垣間見ることができる
種子島
この島では北限となるガジュマルの木がその役割を果たしていた
ガジュマルの木の語源は「かぜまもる」
別名 多幸の木と呼ばれるこのガジュマルは
沖縄では幸福をもたらす妖精「キジムナー」が棲むと言われる
奄美ではケンムンと言われるらしい
幸せを願うあもんは必死になって妖精を探した
何を持って幸せと言えるかなんて全く分かってない若輩者あもんは
「集落のぞき」の術を使い、幸せを探した
妖精要請なんて面白くもない洒落を言ってみたり
「俺も守ってくれ」というなんとも迷惑な注文を付けてみたりしたけど
全く妖精は姿を現してくれなかった
仕方が無いので、あもんは妖精を想像することにした
想像して出来た詩をあらためて読んでみて
いま 自分は幸せだ と思った
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『島国からの贈物』
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『たいせつなもの』
1997年2月15日 鹿児島県種子島ガジュマルの木の下で
ひとりで立っていられない
荒れくる風に飛ばされそう
そんな時もある
そんな時こそ
たよってもいいのだよ
そんな時こそ
守ってくれる
君が生まれる前から
島を守ってくれている まもり神
ひとりになるのが耐えられない
分かってくれる人はどこ
そんな時もある
そんな時こそ
語り合ってもいいのだよ
そんな時こそ
木霊がうなずいてくれる
君が生まれる前から
島を語ってくれている 語りべ
たいせつなものが
ごく自然にここにあって
たいせつなものと
共に暮らしていて
たいせつなものだから
絶対になくさない
あもんの一人旅も奄美大島に上陸です
ここでは「愛のささやき」を聴くことができました
次回更新 『海のささやき』