『私の夫と結婚して 내 남편과 결혼해줘』第11話～起こることは必ず起こる：その５

パク・ミンファン（演者：イ・イギョンさん　이이경씨）との結婚式や新婚旅行等の計画については、将来の姑になるキム・ジャオク(演者：チョン・ギョンスンさん 정경순씨)が悉く口出しをして来て、自分の希望がひとつも叶わないことに憤懣やるかたないチョン・スミン（演者：ソン・ハユンさん 송하윤씨）。

何とかしてほしいと頼んだ婚約者のミンファンはマザコンで、スミンの言葉に耳を傾けることもなくネットゲームに夢中。

そこでスミンがとった行動は…。

自分が解雇されたU＆Kフードの職場で働き続けているカン・ジウォン代理（演者：パク・ミニョンさん 박민영씨）のハンドフォンに

「私たち結婚します　ミンファン、スミン」と書いた結婚式の招待状メールを送信することでした。

自分が狙った通りの動きを見せるスミンのメールを見て満足のほほえみを浮かべたジウォンは、結婚式招待状のメールを、現状報告としてユ・ジヒョク部長（演者：ナ・イヌさん 나인우씨）のハンドフォンへと転送します。

受け取ったユ・ジヒョク部長は、それをジウォンには相談せずに、「これは社員であるパク代理の御祝い事の報告だから」という体で、かっての社員だったチョン・スミンとパク・ミンファン代理が「結婚します」というメールを人事部のイ・ソクジュン室長(演者：ハ・ドグォンさん 하도권씨)　を使って、全社員に向けて社内メールで送信するのでした。

職場のジウォンの周り、ヤン・ジュラン課長（演者：コン・ミンジョンさん 공민정씨）や、ユ・ヒヨン（演者：チェ・ギュリさん 최규리씨）をはじめ、人事部から転送されて来たチョン・スミンとパク・ミンファン代理の「結婚招待状メール」を見て驚き、ざわついています。

その驚く社員たちの中の一人、チョン・スミンとの結婚を夢見ていたキム・ギョンウク代理(演者：キム・ジュンヒさん 김중희씨)は、思わず自分の席で立ちあがって、隣の部署の離れた席に座っている当事者のパク・ミンファン代理を見つめます。

当のパク・ミンファン本人は社内メールを確認していない様子で、周りの社員たちが変な顔をして自分の方を見ている意味が分かりません。　気を利かした同じ部署の向かいのデスクに居る社員が

「パク代理、社内メールを見た方が…（いいですよ）」と注意を促します。

メールを見るなり驚いたパク代理は一目散に「人事部」のイ室長の部屋へと駆け込み、

「あのメールはなんですか！なぜ勝手に…、全員に送らなくても」と抗議をします。

ここで面白いのは…イ室長が

「この人は誰です？」なんて隣に立つ部下に訊くんですね。すると部下は

「パク代理が結婚報告の件で来たようです」なんて普通に答えるんですね。

それを聞いたイ室長は　パク代理には目もくれず書類に目を落としながら

「（社員が）結婚するのに、（社内報告すると）何か問題でも？」と、パク・ミンファンがスミンと結婚する本当の目的が母親からお金を引き出す事…にあるのが分かっていて尋ねます。イ室長の言葉を聞いたパク・ミンファンは急に勢いがなくなって

「結婚はしますが…」と続けると、　改まったイ室長が、

「（人事部では）通常、社内メールで報告し、ご祝儀を渡しています。結婚式参列のための有給休暇の取得も奨励している。新婚旅行は事前に休暇手続きをしないと…」と、人事部とおりいっぺんの解説をつづけますが、それでもパク・ミンファンは割り込んで、

「それは分かってます。（でも）当事者が頼んでないのに全員に送信するなんて、ひどすぎますよ」と、腹立ちがぶり返した様子で大声を上げると、あきらめたようにイ室長に背を向けます。

またここで面白いのは…イ室長の隣に立つ部下が

「（パク代理は）カン代理との婚約を破棄して、その友人と結婚するようです。バツが悪いのでしょう」なんて、パク代理の痛いところを、イ室長が何も知らないと思って聞かせるんです。

イ室長は全部、何もかも知ってて芝居してるのにね～

パク代理が彼の部署に戻って行ったあと、社内エレベーターでイ室長はユ・ジヒョク部長と乗り合わせます。ユ部長が乗り込んできてドアが閉まると、イ室長のほうから、

「彼女（カン・ジウォンさん）を好きなのはいい。…だがなぜパク代理とチョンさんに関わるんだ？（パク代理が）浮気するのは悪いが、君には関係ないだろ」と、自分がどうしても分からないところをユ・ジヒョク部長に訊ねます。すると彼は、

「ジウォンさんに関係あるなら私にも（関係あるんです）」と答えるのですが、余計に訳が分からなくなったイ室長は横のジヒョクを見て溜息をつくのでした。

つづく場面は、U＆Kフードのユ・ハンイル会長 (演者：ムン・ソングンさん 문성근씨)の邸宅へと変わります。孫のユ・ジヒョクの監視をさせているイ室長が、先日ジヒョクとカン・ジウォンが釜山でデートをしていた時の写真を数枚持参して、ユ会長に見せて経過報告をしているようです。

すると、海辺の食堂でテーブルをはさんでカン・ジウォンと向かい合った孫の顔が映った写真をまじまじと見たユ会長は、

「（このジヒョクは）笑ってるのか？」とイ室長に訊ねます。

するとイ室長は、微笑みながら

「こんな（ジヒョクの）笑顔は初めてでグッときました」なんて答えるのですね。

このイ室長の台詞はとても良くて、そのお顔といい、仕事への取り組み方と言い、どうしても「堅物」に見えてしまっていたイ室長が、実は根の部分では「シャレッ気」もあれば、憎からず思っている人物に対しては彼なりの「愛情」を感じながら接しているのだ…と言うことが、私たち視聴者に分かってくるシーンでした。

だから、それを聞いたユ会長でさえ、

「君が？（グッときただって？）珍しいな」なんて言葉を漏らすんですね。ユ会長からそう言われたイ室長は、

「（ジヒョクに）こんな一面があるとは。会長もご存じのとおり…以前は人間味がなくつまらなかった。感情を表に出さず自己主張もしませんでした。私の助けは必要ないくらいでしたから。でも最近の彼は…人間らしくなりました。ようやくです」と、ちょっと嬉しそうな表情でユ会長に現在のユ・ジヒョク部長の佇まいを報告し、それを聞いたユ会長も微笑みを浮かべます。