主役のお二人、綾瀬はるかさんも西島秀俊さんも以前から大好きな役者さんで、日本テレビの水曜ドラマ枠で2017年10月から放送されたときも、1クール、 全エピソードを欠かさず鑑賞していました。
本来ならば昨2020年の6月に劇場版公開される予定でしたから、映画館で新作が紹介されるのを見ながらとても楽しみにしていたのですが、武漢ウィルス禍のせいで上映が延期と決まった時はとても残念に思ったものです。
それがようやく 本日 TOHOシネマズ・スクリーン11の午前9時10分からの回で鑑賞できました。
スタッフ
監督 … 佐藤東弥
脚本 … まなべゆきこ
音楽 … 得田真裕
撮影 … 柳島克己(J.S.C.)
照明 … 鈴木康介
美術 … 清水剛
アクション監督 … 栗田政明
編集 … 宮島竜治(J.S.E.)
選曲 … 近藤隆史
音響効果 … 大河原将
VFXスーパーバイザー … 小坂一順、渡邊祐示
キャスト
伊佐山菜美(桜井久実) … 綾瀬はるか
伊佐山勇輝(桜井裕司) … 西島秀俊
矢部真二 … 鈴木浩介
岩尾珠里 … 岡田健史
三枝礼子 … 前田敦子
横尾義文 … みのすけ
ドラグノフ … セルゲイ・ヴラソフ
小林大吾 … 浅利陽介
小林果穂 … やしろ優
カイ … 渕野右登
神岡恭平 … 鶴見辰吾
五十嵐晴夫 … 六平直政
浅沼信雄 … 佐野史郎
坂上洋子 … 檀れい
池辺章 … 小日向文世
しかし、あまりにも私の期待が高まり過ぎていたせいか、それとも劇場版が話を膨らまし過ぎだと感じたためか、「ムチャ、面白かった」とまではなりませんでした。
テレビドラマから視線をすこし映画風に変えようという努力は判るのですが、海外の諜報組織まで含めてドンパチするような話が好みならば『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観れば済む話ですからね。
正直言えば、劇場版の後半(クライマックス?)は 余りにも漫画チックになり過ぎていたと思います。
いくら伝説と呼ばれるほど凄腕の元特殊工作員の妻と、エリート公安の夫だと言っても、あれほど大勢の(しかも自動小銃で武装した)敵を相手にして、弾丸が二人の身体を掠りもしないのは、ドラマからファンだった私でもさすがに 『ど~贔屓目で見てもおかしいやん!』 と、白けてしまうのでした。
刀剣による戦闘でも、1人に3人がかりで来られると十中八割は殺されるといいますからね、それが4人の敵から自動小銃の乱射を浴びながら拳銃で応戦するだけで生き延びてるってのがどうもね、主人公をスーパーヒーローにしたい気持ちもわからないではありませんが、あの状況ではジェームズ・ボンドでも拳銃を投げ捨ててから両手を挙げていることでしょう。
綾瀬さんと西島さんのファンだと言いながら、主演された映画をけなしてばかりだと申し訳ないので、映画の中で好きだったところを挙げてみます。
映画は中央アジアのとある国の武装組織もしくは諜報機関の基地のような建物に菜美(綾瀬はるかさん)が単身乗り込むシーンから始まります。 そこでは菜美に実兄を殺された敵方のロシア人戦闘員ドラグノフが待ち受けていました。
個人技の戦闘武術を尽くして闘う二人。菜美は あわや というところでドラグノフの顔を割れたガラスの欠片で切りつけ、味方の救助ヘリによって救出されるのでした。
綾瀬さん、そして多分スタントウーマンの方も、敵方の俳優さん達も頑張ってます。それは良く判ります。でもねぇ、007のオープニングのド派手さを見慣れている観客には💛惚れてまうやろぉ~💛というほどのものではありませんコラコラ、好きだったところを挙げてみるんとちゃうんかい~?
あ、そうでした、スミマセン。でも、実はこのオープニングのシーンは菜美が見ている夢の中の話なのでして、 しばらくすると、テレビドラマの最終回でこの夫婦が元工作員と公安のエリートだとわかったあたりで発生した戦闘時において、菜美が敵の銃弾によってその前側頭部に銃創を負ったことで現在は記憶を失っているのだということが判ります。
で、その記憶を失っている間の菜美と勇輝の夫婦二人の家庭の様子がなかなか微笑ましいのですよ。 NHKの大河ドラマ「八重の桜」では兄さまと妹を演じていた西島さんと綾瀬さんの印象も私には強く残っているので、不思議な微笑ましさとでも言うのでしょうか、奥様がつくる料理も凝ったもので、その映像も美しかったですね。
壊れるんだろうなぁ、儚いなぁ…とわかっているからこそ、余計にこの家庭の幸せ描写が私にはとてもイイ感じでした~ できれば アクション映画よりも恋愛映画にウェイトを重く置いて作ってもらった方が 私としては好みだったかもしれません。
”公安の協力者にならないのならば、あの女を殺せ”と勇輝に命じる池辺でした
菜美が銃撃によって頭を負傷した後、公安における伊佐山勇輝(西島秀俊さん)の上司である池辺章(小日向文世さん)は、公安と敵対する側で活躍する特殊工作員だった菜美が記憶喪失になっているのを幸いに、勇輝に新しい任務を与えます。
その任地は珠海(たまみ)という美しい海沿いの地方都市でした。
勇輝は記憶喪失の菜美を連れて、桜井久美・裕司夫妻として珠海市に赴任します
公安は珠海市長選での争点にもなっている「メタンハイドレード(深海において氷化したメタンガス、日本を取り巻く海の底にある新エネルギー)の発掘事業」推進の裏側で、ロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事を察知しており、そこに勇輝を潜入させ、真相究明する計画を立てたのですね。
テレビドラマでは千切りキャベツが繋がってた菜美も料理の腕前が上がってきます
公安が勇輝に調査をさせるにあたり、地方都市では「妻帯者」として赴任する方が周囲も違和感を感じずに済むだろうということで、菜美の監視ができる事に加えて捜査のカモフラージュともなる夫婦としての赴任の形をチョイスしたのでした。
記憶を失くした菜美は「桜井久実」として夫婦二人で喫茶店を営む夢を持ちます
勇輝が現在務める高校の同僚、矢部真二( 鈴木浩介さん)は、現在の珠海市で争われている新エネルギー「メタンハイドレード」開発反対派に属していましたが、 実は「メタンハイドレード」開発推進派である坂上洋子現市長(檀れいさん)の元夫でもあるのでした。
今の幸せはホンモノなのか?不安を感じる久実(菜美)でした
市長選挙戦でも開発反対は新市長候補として五十嵐晴夫(六平直政さん)を立てて現市長を取り組もうとする開発賛成派と闘っていました。 現市長を取り込もうと画策する新エネルギー源調査会社の横尾義文(みのすけさん)はヤクザ者をやとって新市長立候補者の五十嵐をリーダーとする調査基地建設反対派のメンバーを暴力を使って引き下がらせようとするのでした。
五十嵐候補自らも暴漢に襲われて負傷した際、無意識に救助しようとした菜美はバットで身体を打たれた痛みによってとうとう自分の過去を思い出してしまいます。
ヤクザとの闘いで負傷をした菜美は、銃弾で頭を負傷した時の記憶を取り戻す
『戦闘行為に快感を感じる』菜美本来の記憶を取り戻した彼女は、街角で知り合った岩尾珠里(岡田健史さん)とともに、メタンハイドレード調査吉建設反対派を黙らせるために横尾が操っているヤクザ者を退治してしまうのでした。
撫で肩の西島秀俊さんと比べて男らしい肩幅(?)の綾瀬はるかさん
珠里は勇輝が勤務する高校の卒業生であり、しかも矢部が顧問をしていた空手部の部員でもあり、空手の強さではトップの生徒だったのです。 そして彼はアニメなどのコスプレをするのが大好きで、自分好みの内装に凝ったお店の経営をしていました。
珠里のお店を観て、自分のお店のイメージを膨らます久実(菜美)
そして、彼は自分がヤクザ退治をする夜の間だけ 店番をしてもらおうと菜美に「パートで勤務してほしい」と依頼するのでした。
月をバックに立つ姿がイカスぜ!