昨日から神宮(伊勢)では月次祭が行われています。

このお祭りは、神宮の大切な三つのお祭りの内の一つでHPには以下のように書かれています。

12月の月次祭は、10月の神嘗祭・6月の月次祭と共に「三節祭」と呼ばれる神宮の最も 由緒深い祭典です。
浄闇の中、午後10時と午前2時の二度にわたって由貴大御饌の儀が、明くる正午には奉幣の儀が行われ、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。
祭典は、両正宮に引き続き12月25日まで、別宮をはじめ摂社、末社、所管社に至るすべてのお社において行われます。

 

大切なお祭りのため、実はお祭りは11月末から準備が始まっていて、その重要さがわかります。

 

大祓

12月の月次祭に先立ち、大宮司以下の神職・楽師を祓い清める儀式です。

11月30日午後3時

 

御酒殿祭(みさかどのさい)

内宮神楽殿の東側に隣接する御酒殿において、12月の月次祭の由貴大御饌にお供えする御料酒(白酒・黒酒・醴酒・清酒)がうるわしく醸成できるよう祈願し、あわせて全国酒造業の繁栄をお祈りします。

12月1日午前10時

 

興玉神祭(おきたまのかみさい)

月次祭の奉仕にあたり、御卜に先立ち内宮御垣内西北隅に鎮座する地主の神、興玉神をお祀りします。

12月15日

御卜(みうら):月次祭法師の神職が奉仕直前に神の御心に叶うかどうかをおうかがいする行事
皇大神宮(内宮)
12月15日午後4時
 
こうして昨夜から月次祭は始まっています。
 
豊受大神宮(外宮)
由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)
12月15日午後10時
 
由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)
12月16日午前2時
 
奉幣
12月16日正午
 
皇大神宮(内宮)
由貴夕大御饌
12月16日午後10時
 
由貴朝大御饌
12月17日午前2時
 
奉幣
12月17日正午

 

2017年、6月の月次祭を奉観する機会がありましたが、とても不思議な一時でした。


昨年12月15日の天皇陛下のご予定をみると12月15日に賢所御神楽の儀が行われていたことがわかります。時間は書かれていませんが、神宮と時間は合わせられていると推察いたします。そもそも神宮は宮中祭祀が特化してできたものだからです。そして、18日には神宮での斎主であられる妹君の黒田清子様からの奉告がありました。

令和4年12月15日(木)
お名前    ご日程
天皇陛下    賢所御神楽の儀(賢所)
皇后陛下    賢所御神楽の儀に当たりご遙拝・お慎み(御所)
天皇皇后両陛下    賢所御神楽の儀ご終了までお慎み(御所)

令和4年12月18日(日)
お名前    ご日程
天皇陛下    ご挨拶(神宮祭主 黒田清子様(12月月次祭ご奉仕終了につき))(御所)

 

 

 

寛平五年(893年)三月二日、宇多天皇の勅を奉じて下された太政官符にはこうあります。

右、案内を検するに、二月の祈念、六月、十二月の月次、十一月の新嘗祭等は国家の大事なり。

 

山口の萩藩の社家法度条々にはこうあります。

天下国家の祈祷を怠るべからざること

 

出雲の神魂神社の神魂御社頭掟にはこうです。

四季の御祭禮、時日にたがはずこれを勤行せしめ、天下国家の御祈祷、怠慢あるべからざること

 

北野天満神社の神職栗原家の栗原家掟証文にはこうあります。

奉仕の神社に参ては、清浄を専らにし、天下安泰の御祈祷、私なく相勤め、いよいよ神道の正道、真実に合い叶ひ候やうにと、心念怠るまじきこと

 

 

こうしたことを知ると、国がなくては人々の安寧な暮らしは維持できないことから、古来から天下安泰を祈ることが当たり前に行われてきたことがわかります。そして国の安定が重要である事は、国際情勢をみれば今も変わりません。

 

御歴代の天皇が神々についての歌を詠まれています。『歴代天皇の御製集』からそのいくつかを。

 

亀山天皇

ちはやぶる神のさだめむわが國は

動かじものをあらがねの土

 

そのあり方を神々がお定めになる我が国は、いかなることがあろうとも動揺することはないのだ、この大地のように。

 

後小松天皇

日とてらし土とかためてこの國を

内戸の神のまもるひさしさ

 

日本は伊勢神宮の天照大御神が日を照らしたまい、豊受大神が五穀を始め地上の暮らしを固め給い、いく久しくお守りになってきた国であることよ。

 

仁考天皇

天照すかみのめぐみに幾代代も

我あしらはの國は動かじ

 

天照大御神の有難き恵みによって守られている我が国は、たとえどれほどの時代を経ようとも決して動揺などしない。

 

 

 

月次祭は、古来毎月行われたお祭りでしたので名前が月次祭となっていて、日本全国の神社では、毎月行っている神社が多くあります。

 

例えば

明治神宮:毎月、1日、15日

靖国神社:毎月1の日、1日、11日、21日

諏訪大社:春宮は1日、本宮は15日、前宮は27日、恵比寿社は20日、秋宮子安社は22日

鹿島神宮:1月と9月を除く毎月1日

吉田神社:毎月1日、18日(1月1日と4月18日を除く)

出雲大社:1月を除く毎月1日

箱根神社:箱根神社は1日と15日、駒形神社は3日、九頭龍神社本宮は13日新宮は15日、箱根神社本宮は1日と24日

等々

 

この月次祭の時期に、多くの人が神社へお参りすることを願ってやみません。多くの人がお参りし祈ることにより日本の安寧度が増すことと思うからです。

 

日々、こうしたお祭りを続けられてきた神社がある日本に感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

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