さて、旅行の最終日は高松でうどん巡りだ。

やはり香川と言えばうどんだろう。

これを堪能せずには帰れない。

 

「讃岐うどんなんてどこでも食べられるじゃん」

などとのたまう輩がいるが、笑止!

郷土料理はやはりその土地で食べてこそ!

うどんはうどん県で食べてこそ讃岐うどんなのだ!

 

と、高松へ住む知人にグルメ情報を取材するとこの店をおすすめしてくれた。

曰く「この店でうどんを食べずして、讃岐うどんを語ることはできない」。

 

さか枝

さかえだ

 

県庁裏の本店のほか、商店街などにも支店を出しているそうだが、本店では地元民と混じって本場のセルフうどんを体験できるとのことで本店へ。

素人が行くと店や常連への迷惑になるだろうから、と知人がわざわざ付き添ってくれた。

え…そんなにレベルの高い店なの?

と期待と不安を胸にいざ入店だ。

 

 

時刻は繁忙期をずらした11時前。とはいえ、既に途切れない客足で店内は賑わっていた。

 

そして、はじめに言っておこう。

素人のみで昼前後に利用するべからず

と。

 

この店はセルフ形式だ。

注文からの止まることない流れが既に出来上がっている。

厨房に向かって右手のレジで注文と会計をすませる。

後ろには続々と客が続く。悩んでいる暇などない。

「あっ…と、うどん小!天ぷらひとつ!」

「はいっ、かけ天小!330円ね。」

 

玄人はここで、スタバの注文よろしくかけ中だのかけ天大だの、専門用語を使って注文する。

注文時に素人だとバレる。

だが、バレたからといって、助けはこない。

覚悟しておけ。

 

左へずれる。

「湯切りしてねっ」

ヘルプはこの一言のみだ。

目の前には横に広がる業務用茹で麺器と麺切り、目の前の配膳台には私の注文した「うどん小」の入れられた丼。

右には玄人客がドコドコと続く。

左を見る。高松市民の友人を見る。助けはない。

見よう見まねだ!やるしかない!

ユーゴッタドゥーイット!

 

左手に丼を持ち、茹で麺器のお湯で丼を温める。

と同時に麺切りでうどんを湯切りする。

右を見れば玄人客は既にその作業を終えている。

ま、まずい!流れを滞らせてはならない!

早足に左へ移動する。

 

目の前の配膳台には大きな天ぷらがずらっと並ぶ。

待ってくれ、どれを選んだらいいんだ?

知人「どれ選んでもいいんだよ」とササっと天ぷらを選び姿を消す。

天ぷらの種類は多かった。ホント、もう、泣きそうなくらいに多かった。そして大きかった。

どれ選んでもいいの?選んでいいの?

右にはやはり玄人客が続々並んでいる。

止まれないのだ。悩めないのだ。

目の前のよく分からない天ぷらを選んだ。

 

後ろへ方向転換する。

次は薬味だ。ネギ、天かす、生姜エトセトラ。

これが出汁の入ったタンクの上に用意されている。

玄人客が次々にここへ向かってくる。

もう、迷ってる暇などないのだ。

とりあえずのせる。

タンクからジョボボと出汁を注ぐ。

なんて緊張感だ!焦りで手が震えるぜ。

 

半泣きで出来上がった私のかけ天小がこれだ。

天ぷらはごぼう天だった。

それにしても丼を覆うがごとしのサイズ感である。

バットに並べられた天ぷらはどれも同じようなサイズ感で、具材も様々だった。

ちなみに奥、紫吹が同様に焦りと半泣きの様相で選んだのがかき揚だ。

慣れた知人たちは鶏天、イカ天と各々の好みの天ぷらをチョイスしていた。

 

利用してみて「店や常連への迷惑になる」という知人の言葉に納得した。

高松市民の知人がいても、だ、勝手が分からぬゆえに戸惑い、流れを滞らせてしまう。

後ろに続く一般客へのプレッシャーは強かった。

いや〜焦った焦った。まいったよ。

 

 

うどんはつるっとコシがありながら柔らかく喉越しが良い。

ごぼう天はホックホクに揚がっていておいしい。

そして何より、お出汁が美味い。

どうしてこんなにお出汁がおいしいんだろう。

お出汁だけお代わりしたいくらいだ。

上品ながらも存在感あり、淡白なうどんと良い相性だ。

胃袋に染み渡るぜ…。

これは関東で食べられる味ではない。

やはり本場で食べる讃岐うどんは美味い。

 

なんて言ってるけど、

セルフうどんの真剣なる体験に緊張しすぎて、おうどんをじっくりと堪能できなかったのが正直なところだ。

 

とはいえ、セルフうどんを体験できたことはとても良かったし楽しかった。

湯切りもそうだけれど、出汁がタンクに入ってるところなんか面白い。

天ぷらの大きさと種類には驚いたし、これで ¥330 とはコスパ良すぎるじゃないか。

 

 

最後、紫吹の作り上げたかき揚げうどんの写真をば。

紫吹も「選んでる余裕なんてなかったよ。かき揚げゲットできて満足。おいしい。」と感想を述べていた。

本当は湯切りの様子や居並ぶ天ぷらの壮観な図を写真に収めたかったのだけれど、「そんな余裕なかったよね」。

 

はーー、楽しかった!

ライブリーな地元グルメを体験できたと思う。

怒らずに私たちの存在を受容してくれたお店とお客さん、付き添ってくれた知人に感謝。

とても楽しい経験をすることができました。

2度目はもっとずっとスムーズに利用できるはず。

高松に立ち寄ったらきっと利用します。

ごちそうさま!

 

 

まとめ

・繁忙期に素人は利用すべからず。

・地元に人気のうどん店。

・お出汁が美味い。

・天ぷらはどれを選んでもいいんだってよ!

・本場で食べる讃岐うどんはやっぱり違う。

 

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さか枝 食べログページ

 

2017年から毎年、食べログ百名店に選出されている。

 

四国新聞社 讃岐うどん遍路 さか枝ページ

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文責:雨吉

 

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