【起稿2026年6月4日記事】
さてさて、「障害との付き合い方」シリーズです。
今回は、私のように身体機能が低下した者には有難く
、「相棒」とも呼ぶべき装具や杖の重要性の話をしたいと思います。
私のような脳卒中後遺症は、いつも記事に書いていますが、同じ罹患者であっても、主に「脳損傷部位と程度」により、その後の回復状態は変わります。(勿論、自分の回復可能範囲の最大に、自分の状態を近づけたり、現在の状態を維持する為に、リハビリ努力をする意味があるとは思っています。)
...なので、装具や杖の必要性や種類についても、それぞれの罹患者によって適否はあるはずです。
因みに私が、装具や杖を選んだ経緯はこちら👇
まず杖について私は、私のような脳卒中片麻痺者に使用の多いT字1本杖(ヒューゴステッキ)を使っています。

(www.taketora-web.com)
著作権は引用元に帰属します。
私は、回復期病院退院後、在宅生活となり自宅内では最初から杖無しで、自宅外もゴミ出し時や店舗内の買い物では杖無し歩行で、ほとんど杖に頼って歩いてはいないのですが、先日急遽杖無しで約400m歩行したところ、筋肉を痛め、まだ正しい姿勢維持に杖が必要だと痛感しました。
次に上肢装具ですが、私は急性期病院と回復期病院の療法士からの勧めに従い数百メートル以上の歩行時には装具を装着しています。
上肢装具も色々種類が有りますが、私は麻痺側肩の亜脱臼が完治していない事と、肩甲骨内転(肩外旋)・前腕回外の維持による歩容矯正に効果があるので、上肢懸垂装具(オモニュー・レクサ・プラス)を装着しています。
マイ装具を着用した姿

①肘の痙縮を助長する
②腕の屈筋優位を助長する
③歩行姿勢の前屈
...といったデメリットがあり、私は回復期病院転院直後に購入したアームスリングを退院後在宅生活では使用していません。
オモニュー・レクサ・プラスは前述の効果に加え、肩サポーター付きで亜脱臼痛を軽減してくれる等、メリットが多いのですが、デメリットとして、装着困難性があり、障害者(患者)自身による一人での装着は勿論、介助者による装着も難しい装具です。
私は高次脳機能障害の構成障害が時々発現するので、更に苦労しましたが、回復期病院入院中より特訓を実施し...
①正しい位置の目安を覚える。
②装着部品をずらし、何回か付け直し、少しずつ①の位置に近づける。
③肩サポーターを「物差し」を利用して、しっかり肩にはめ込む。
...というコツを掴み、今は療法士、看護師、介護士も関心する位上手になりました。
ところで、前に記事に書きましたが、上肢装具を記事に取り上げている脳卒中片麻痺者は相変わらず数少なく、今では私は、上肢装具は脳卒中罹患者に、あまり使用されていないと推測しています🤔
最後は下肢装具です。
下肢装具について脳卒中罹患者の方々は、下肢状態に合わせて様々なタイプの装具を使用されていて、ブログ記事でも、新調されると画像をアップされる方を多く見かけます。
前述のように下肢状態から選ぶ主な下肢装具を適応する障害の重い順番にすると...
①両金属支柱長下肢装具(LLB)~回復期病院退院後の自立生活環境での使用者はほぼいない(私は事例を知りません。)
②両金属支柱継手固定短下肢装具(SLB)
③硬質プラスチック製継手無し短下肢装具(SHB)
④継手遊動短下肢装具(ゲイトソリューション・タマラック等)
⑤足首装具(オルトップ等)
⑥足首サポーター
...となりますが、私は、最初(治療用装具)から現在(更生用装具)まで一環して③のSHBです。
因みにSHBは、着脱が簡単で軽い上に、トリミング加工する事で支持強度を変化させられるというメリットは有りますが、これからの暑い季節、脹ら脛に汗をかくと、プラスチックで蒸れて汗疹が出来るデメリットがあり、私は、これまた回復期病院入院中に練習して靴下は常にハイソックスを履いています。
ハイソな足


革ベルトはしっかり締めましょう

尚、この話の背景には、私のように装具や杖を必要とする者にとって、専門家による定期的な装具等評価を受けられる環境が望ましいものの、必ずしもそうした環境を得難いという「装具難民」とも言うべき現実が有ります。
さて、私と同じように装具装着杖歩行をしている方々のブログを拝見すると、一部に、「いつまでも装具や杖に頼るのは良くない。」とか、「なるべく早く、杖無し独歩をしたり、装具を外すべきだ。」とのご意見かと思われる記事が散見されます。
しかし、リハビリテーション医学において装具の目的は、単に歩けるようにする事だけでは無く、「転倒予防」・「関節変形の予防」 ・「異常歩行の抑制」・「歩行効率の改善」・「疲労軽減」等の役割があるとされます。
(「脳卒中治療ガイドライン2009、2015、2021」に基づく解説がネット上に沢山あります。例:「日本義肢装具学会誌」2022 年 38 巻 3 号 「特集 脳卒中歩行障害に対する装具療法 これからの装具療法」勝谷 将史医師[西宮協立リハビリテーション病院])
つまり、装具を外した状態で歩ける事と、装具無しで安全かつ効率的な正しい歩行ができることは同じでは無いのです。
勿論、リハビリにおいて装具を外す訓練が全て誤りというわけではありません。
療法士等専門家のいる環境下では、装具なしでの筋活動や身体機能を確認する目的で行う事は有用と考えます。
また私自身、足底への感覚入力の為に、安全に配慮して屋内で、装具無し立位リハビリや装具無し独歩をしています。
しかし、屋外歩行訓練や散歩等は別です。
私のように専門家のいない環境で生活したり自主リハビリを繰り返している者は、装具を外すタイミングをより慎重に見極める事が大切で、「障害受容」の中で、装具をきちんと装着して歩行訓練等を行い、足らない機能の回復を目指すべきと思います。
私も中途障害者ですから、「早く発病前のように、装具や杖に頼らず、元通りにスタスタ歩きたい。」という願望は有ります。
また、真面目にリハビリすればするだけ、「成果」が欲しいのは人情です。
しかし、折角リハビリしても、転倒したり、悪い歩容により身体を痛めては逆効果となります。
今日6月5日は、ちょうど「ロコモ予防の日」です。
「ロコモ=ロコモティブ(運動器症候群)」は「膝変形性関節症」等の整形外科的要因による骨・関節・筋肉等運動器機能低下状態を指しますが、私のような脳卒中罹患者は特に注意が必要で、現在リハビリテーション医学において、脳卒中片麻痺患者(障害者)が異常歩行等に起因してロコモを合併する事が多いのは広く知られています。
私が入院していた回復期病院の理学療法士の一部は、歩行訓練より、歩容を重視して、姿勢トレーニングを
繰り返す介入をしました👇
今思うと、あの理学療法士は、数年後、数十年後のスパンで考えた介入をしてくれたのかと思います。
「装具難民」の皆さん、やむを得ず、自分の判断で装具を外すなら、私は健常者並みの「安全安定」・「高効率」・「身体に良い姿勢」で歩けるようになってからにするべきではないかと考えています。
装具、杖を使っても正しい歩容が大事というイメージ

ガシガシトレーニングするのは、正しい歩容を固めてからの方が良いのでは?




