習近平氏は、なぜ、香港で宿泊せず、夜だけ深圳市に移動するのか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 昨日の朝、出勤する直前に、たまたま、香港の新聞「South China Morning Post」の見出しを、ざっと見ていたら、不可思議な見出しを目にし、夜、帰宅して確認するまで、なんだか、頭の中のもやが晴れませんでした。

 

 

「Chinese President Xi Jinping expected to begin 2-day trip to Hong Kong on Thursday ‘but will not stay in the city overnight’」

 

「習近平国家主席、木曜日から、2日間の日程で、香港へ。しかし、香港には宿泊せず」

 

 

 「0泊2日」の香港旅行って、一体、何。帰宅後、確認したら、30日(木)の午後に、習氏の一行は、広深港(広ー深港)高速鉄道の西九龍駅に到着。その日は、セントラル地区にある香港禮賓府(Government House)において、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の主催で催される晩餐会に出席。その日、香港の宿には泊まらず、西九龍駅から高速鉄道を利用して、深圳市に戻り、翌日、7月1日(金)の朝、また、高速鉄道を利用して、西九龍駅に移動。そして、湾仔地区にある香港会議展覧中心(HKCEC)において、香港返還25周年の式典を執り行い、李家超氏の行政長官宣誓就任式を見届けるそうです。

 

 習氏は、2020年1月にミャンマーを訪問して以降、国外に出ておらず、今回、2年半ぶりに、中国本土から離れる、とのこと。政争が激しい国の場合、不用意に外遊をして、国を空けると、権力がどうなるか、分かりません。そういう意味でも、驚いています。

 

 実質的に次に国家主席になる人物が発表されると思われる、今秋、開催される中国共産党第20回全国代表大会。その大会を前に、2日間の日程なら、「外遊」ができるぐらい、3期目に向けて、権力基盤を固めたと、見るべきか。もしくは、2日間しか、「外遊」ができないと、見るべきか。

また、なぜ、香港で宿泊せず、夜だけ、深圳市に移動するのか。香港で宿泊すると、習氏を、暗殺の危険から守ることが難しい、ということなのか。かの国は、不可思議なことが、いっぱいです。

 

 鉄道ネタになってしまいますが、そもそも、広深港高速鉄道の西九龍駅も、不可思議なことが、いっぱいです。3年前の秋に、生まれて初めて香港を訪れた際、僕は、この駅の周辺も、かなり歩きました。駅自体は、地下駅なのですが、その地上部分は、国外に向けて、「金(かね)あるぞ」と言わんばかりの、見た目になっています。プラットフォームは、地下4階

この駅に関し、最も不可思議なことは、次の駅である福田駅まで、36km、延々、地下を走ることです。福田駅は、深圳市にあります。つまり、香港特別行政区内は、全線地下線です。政治的な意図を、もっと踏み込んで申し上げれば、軍事的な意図を感じてしまうのは、僕だけでしょうか。

 

 普通選挙を実施しない国からの輸入には、制限を設けるべきであると、僕は考えています。

 

 

神奈川県横須賀市にて

佐藤 政則