僕は、相手を論破しようと思ったことがありません。実生活における話し合いというものは、決して、ディベート大会ではないのですから。
相手と話し合うのは、話し合って合意点を探り、合意を形成するためです。もちろん、なるべく自分に近いところに合意点がくるように、いいたとえ話や表現方法がないかを考え、言葉を尽くして、こちらの言い分を説明したり、相手の言い分の理解できないところについて質問したり、します。「何とか、これで、相手のご理解を賜(たまわ)れないものかな」と、思いながら。
もしも、論破をしてしまうと、相手はどうなりますでしょうか。「佐藤に、論破された、言い負かされた」と強く感じ、「あんな奴の顔は、金輪際、見たくもない」という風になるでしょう。そうなると、相手が「佐藤の言っていることにも、少し、耳を傾けてみようか」と思い始めるきっかけは、今後、皆無、ゼロということになります。
もちろん、僕は、器が大きくて包容力のある人間では決してないので、それゆえ、僕が論破しようとは思っていなくても、「佐藤に質問された、批判された、論破された」と感じる相手も、過去に居られただろうし、今後も、居られるかも知れません。それに関しては、「日々是修行、お迎えが来るまで、精進いたします」と申し上げることしかできません。
国会は、国の唯一の立法機関であり(憲法41条)、全国民を代表する選挙された国会議員が、衆参両議院を組織しています(憲法43条1項)が、国会は、「話し合って合意点を探り、合意を形成する」場であって、ディベート大会の会場でもなく、不意にクイズを出して相手に恥をかかせる場でも、もちろん、ないでしょう。
諸々の国会議員の、最近の院外での言動に関する報道が、漏れ伝わってくるに付けて、国会について、改めて、そのように思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則
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