文明の衝突ではなく思想の衝突。優生学思想と大東亜共栄圏(その1) | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 結論を、先に申し上げますと、「先の大戦で勝った側が、その思想を修正するでしょうか。戦術、戦略の修正なら、いざ知らず、勝った側が、わざわざ、その思想を修正したりはしない」、歳だけは人並みに重ねて、僕は、そう確信するに至っています。

 

 1492年、クリストファー・コロンブス(イタリア生まれの探検家であるCristoforo Colomboの、英語名)が、スペインのパロスを出港し大西洋を横断しました。いわゆる大航海時代の始まりです。

1549年、「東洋の使徒(Apostle of the Indies)」と呼ばれたフランシスコ・ザビエルが、日本での布教のために鹿児島に上陸しました。大航海時代の幕開けと共に、今に続く、ヨーロッパ諸勢力による、ヨーロッパ以外の土地の本格的な奪取、支配が、始まりました。彼ら言うところの極東(the Far East)の地にある日本も、他の非ヨーロッパ地域のほとんどが、彼らの手に落ちていった後、黒船と呼ばれる、当時最新鋭の軍艦(battleship)の来訪を受け、大砲で脅されながら、一方的な要求を突き付けられました(砲艦外交、gunboat diplomacy)。

 

 米ソの冷戦が終焉を迎えた後、政治学者のサミュエル・P・ハンティントンが、『文明の衝突(The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order)』という著作を上梓し、話題になりましたが、僕は、「衝突しているのは、文明ではなく、思想である」と思っています。日本語に、「下らない」という言葉がありますが、都で人気のある事物が、周りに伝播していく(=下っていく)ように、文明は、有用であれば伝播していき、無用であれば伝播せず、あまり、衝突はしないのではないでしょうか。

 

 で、ようやく、思想についてです。前回の投稿で、ハーグ陸戦条約に言及し、ボブ・ディランの『With God On Our Side』を引っ張り出してまで、長々と、74年前の3月10日から8月14日までの空襲、空爆について書かせていただいたのは、思想について、特に、彼らと私達、彼我の思想の違いについて、触れたかったからです。

長くなってしまいましたので、続きは、次回、書かせていただきます。

 

 

神奈川県横須賀市にて

佐藤 政則

 

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