硬い投稿ばかり続けるのも、あまりに芸がないことなので、前回の投稿の続きは、次回以降に先送りさせていただいて、今回は、ボブ・ディラン絡みの話題です。ボブ・ディランの『With God On Our Side』の最後の節に
The words fill my head
And fall to the floor
という表現があり、直訳すれば、「その言葉、一節が、頭の中を埋め尽くし床にこぼれ落ちる」というところでしょうか。
不意に、「そうだ、頭の中の言葉が、床にこぼれ落ちそうなら、とりあえず、書き出せばいい」と思いました。なので、第19回みうらじゅん賞受賞者であり、ノーベル賞受賞者(Nobel laureate)でもあるボブ・ディラン氏が、もしも日本語が話せたら、『With God On Our Side』の歌詞は、こうなっていたのではないかと、僕が一人で勝手に思う意訳を、床にこぼれ落ちる前に、書き出してみました。
米国は若い国で、米国の歴史は、そう長い訳ではありませんが、若かりし日のボブ・ディラン氏(1941年ミネソタ州生まれ)にとっての米国史の一端を、一人でも多くの方々に感じていただくことに繋がるのではと思い、ディラン氏に敬意を表して(in homage to Mr. Bob Dylan)、拙訳を書かせていただきます。
拙訳:
僕は無名だし、何年生きてきたかなんて大して重要じゃない
中西部生まれの田舎者
そこで、生きていく上で守んなきゃならない決まり事や
この国が神に守られていることを、教えられて育ったんだ
歴史の教科書を読むと、
あちらで騎兵隊が突撃しては、先住民が倒れ
こちらで騎兵隊が突撃しては、先住民が殺され、そんな事の繰り返し
この国は、まだ若かったし、神に守られていた
米西戦争ではスペインをやっつけたし
国を分けた内戦も、あっという間に過去の出来事になり
授業で、戦争の英雄達の名を暗記させられたよ
英雄達は銃を持ち、神に守られていた
次は、第一次世界大戦
始めから終わりまで、何のために戦ったのか、よく分からなかったけど
この国は正しかったんだと、誇りを持って思うようにした
正義の戦いでは、犠牲者の数なんて誰も気にしないものだから
第二次世界大戦が終わった時
この国はドイツ人を許し、我々は友人になった
彼らは、加熱したオーブンで600万人を焼き殺したそうなんだけど
今では、ドイツ人も神に守られている
そして、今度は、ロシア人が敵だということになった
僕が生まれてから今まで、ずっとそう
次に戦争が始まれば、この国が戦う相手は彼らだし
彼らを憎み彼らを恐れ、避難訓練の時のように走っては隠れ
そういう事全てを、勇気を持って受け止めるだろう
この国は、神に守られているのだから
でも、今、この国は、とってもやばい武器を手にしている
その武器を発射するように命じられたら発射しなくちゃならない
ボタン一押しで、世界中が火の海になる
我こそは正義と思っている時は
誰も、「それっておかしいんじゃないか」なんて言わない
暗い時間の中で、僕は考えて考えてきた
イエスが、イスカリオテのユダの接吻によって裏切られた事を
でも、君のために考えてきた訳じゃない
だから、イスカリオテのユダが正しかったかどうか
君も自分で考えて欲しい
そろそろ、僕は出かけなきゃならない
疲れ切ってヘトヘトだけどね
言い様がないほど頭の中が混乱してて、フラフラだ
言葉が頭の中で湧き上がり、床にこぼれ落ちている
「この国が、本当に、神に守られているのなら
神は、次の戦争こそ、止めてくれるはず」という言葉が
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則
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