「危ないから、独りで歩いて買い物に行かないで」 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 都市化が進み、過密化する地域においても、過疎化する地域においても、安心して歩ける公道が減っている。もちろん、地域により事情は様々でしょうけれども、我が国全体を見れば、そういう傾向があるように、僕は感じています。

 たまに、実家がある兵庫県姫路市に行く度に、新たに農地が農地以外に転用された事例に、出くわします。多くの場合、かつて農地だった場所に集合住宅が建てられるという事例です(農地法4条1項、5条1項)
過密化する地域で、自動車の往来が増える。公道が、自動車の通行に、より適したものへと、整備される。その結果、歩行者や自転車が安心して通行できる公道が、減る。過疎化すればするほど、自動車への依存が進み、過疎化する地域でも、同様に自動車の往来が増え、歩行者や自転車が安心して通行できる公道が、減る。

 僕は、行軍と称して、時々、三浦半島の海岸沿いで、10km、20km、走ったり歩いたりするのですが、そういうおっさんでさえ、徒歩や自転車で通行することが怖いと感じる公道が、多々あります。
もし、あなたが、あなたの年老いた父母や祖父母に、「歩いて買い物に行きたい、自転車で買い物に行きたい」と言われたら、どうされますか。もし、あなたが、あなたの子や孫に、「危ないから、独りで歩いて買い物に行かないで。独りで自転車に乗って買い物に行かないで」と言われたら、どうされますか。

 一昨日、僕は、近所のスーパーに歩いて行き、10kg入りの米を購入し、担いで帰ってきました。米は、「食べて健康に良し、担いでも健康に良し」です。瑞穂の国に住む日本国民が、祖国の公道で、安心して歩けず、安心して自転車に乗れず、前に進まない機械の上を歩き、前に進まない自転車を漕ぐ。
国土利用計画法2条の要旨、「国土の利用は、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることを基本理念として、行うものとする」というお題目が、泣いている。僕は、そう感じています。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則