今般の小渕優子衆議院議員の事案の問題点を、浮き彫りにするためには、他の事案と比較すればよいのではないか。そう思い、1週間ほど前の10月23日の投稿で、2011年3月6日(日曜日)に前原誠司外相が、突如、外相を辞任した事案に、触れました。
その際、「国会議員でもある国務大臣が、公職選挙法第199条の2第1項(公職の候補者等の寄附の禁止)に違反したとしても、直ちに、国務大臣としての資質が否定される訳ではない」旨を、申し上げました。
公職選挙法第199条の2第1項(公職の候補者等の寄附の禁止)に違反した国会議員でもある国務大臣が、もしも、余人を以て代え難い国務大臣であれば、議員を辞職した上で、国務大臣としての任務を全うすべきであると、僕は考えます。公職選挙法第199条の2第1項の冒頭を簡潔にすれば、次のようになります。
公職選挙法第199条の2第1項の冒頭(要約)
公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む)は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。
主語の部分を赤字にしましたが、その中にある「公職」は、「衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の職」(公職選挙法3条)のみを指し、国務大臣の職は指しません。
では、続いて、政治資金規正法第22条の5第1項の冒頭です。同じく、簡潔にすれば、次のようになります。
政治資金規正法第22条の5第1項の冒頭(要約)
何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。
同じく、主語の部分を赤字にしました。何人(なんぴと)というのは、「全ての人」ということです。国会議員でもある国務大臣が、もしも、政治資金規正法第22条の5第1項に違反したら、どうなるか。まず、日本国民としての資質が問われる訳だから、当然のことながら、国会議員としての資質も、国務大臣としての資質も、問われます。
今国会の会期末日は、11月30日の日曜日なので、今のところ、閉会まで、実質、あと28日。些細なことが気になる性分なので、「2011年2月2日に、自由民主党群馬県第五選挙区支部が、政治団体である小渕優子後援会に、500万円を寄附している」ことを、東京地検特捜部が、どのように取り扱うのかが、ほんの少し、気になっています。東京地検特捜部は、群馬で、一体、何を集めているのでしょう。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則