三木露風は、「夕焼け小焼けの赤とんぼ、負われて見たのはいつの日か」から始まる童謡『赤とんぼ』の作詞者です。詩人、北原白秋と同じ時期に、活躍されていたこともあり、「白露時代」という言葉もあるそうです。北原白秋は、『からたちの花』という童謡の作詞者で、からたちは、春に、白い花を咲かせ、秋に、球形の実が黄熟するそうです。
少々、強引な展開ですが、からたちと言えば、島倉千代子さんの『からたち日記』、そして、『からたちの小径』。昨年、島倉さんが他界されてから、間もなく、一年。生前、島倉さんは、自衛隊の基地を訪れ、自衛隊員を慰問する活動も、されていたそうです。
芸能界に限らず、人気が物を言う世界に身を置いている人は、どうしても、"政治の色"が付かないような言動をしがちにならざるを得ないと思いますが、そんな中、自衛隊の基地での慰問活動もされていた島倉さんは、希有な歌い手のように思います。
流されてばかりで不甲斐ない我が身を振り返れば、情けない限りです。

(2012年の春、兵庫県たつの市。揖保川のほとりにて)
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則