本年の1月20日は日曜日だったので、就任に関する各種の行事は翌日以降に行われ、バラク・オバマ政権の2期目が始まった。順次、各行政官庁の新しい長官が、オバマ大統領によって指名され、記者会見が開かれている。オバマ大統領が、大統領官邸で記者会見を開くときは、オバマ氏の背後に、米国の国旗と国章旗が恭しく置かれ、オバマ氏が手を置く演台の聴衆側には、国章(*)が、しっかり取り付けられている。
(*)正確に申し上げれば、大統領が使用する国章(= Seal of the President of the U.S.)
国としての歴史が浅いため、また、そもそも連邦国家であるため、しっかりと米国を象徴するものを掲げないと、国としての一体感が醸成されにくいという事情もあるのだろうが、国旗の柄や国章旗の「E PLURIBUS UNUM」の文字がきれいに見えるように、細心の注意を払って設置されている。
米国の国旗は、星条旗とも呼ばれ、多くの方がご承知である通り、13の縞と50の星が描かれている。13と50は、州の数である。
国章旗は、前述の「E PLURIBUS UNUM」の文字が書かれた幕をくわえた鷲が、真ん中に描かれ、それ以外に、13の矢、13のオリーブの葉と実、13の縦縞が入った盾、13の雲、13の小さい星、外周を囲む50の大きい星なども描かれ、13と50が強調されている。
日本においては、どうか。自民党が、党として記者会見を開くときは、背後に国旗と党旗を配しているようだが、首相が首相として記者会見を開くときは、国旗のみのようであり、私は、「控えめ過ぎるのでは」と、感じている。
自国を大切にすることと、夜郎自大であることは、別物である。余談だが、皮肉なことに、現在、夜郎自大という言葉を生んだ地の政府こそが、「夜郎」そのものである。
自国を大切にせずして、他国に敬意を払うことなど、できるだろうか。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則