在外邦人等救出に関し、法整備をし部隊を持つことの意義 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 僅か1週間ほど前に、アフリカ西部のマリで、フランスがマリの要請に基づき軍事介入を始め、アフリカ東部のソマリアで、フランス軍が実行した在外フランス人救出の作戦(operation)が失敗したことを、報道で知ったとき、「在外邦人等の日本への輸送は、その前段階である在外邦人等の救出と一体のものとして、遂行しなければ、緊急事態に巻き込まれた在外邦人等の命を救うことは難しい」と、書かせていただいた。

 まさか、こんなに早く、そういう事態にぶつかるとは思っていなかった。改めて、日本にいて安全はタダだと、少し、心のどこかで思っていたようで、反省している。

 緊急事態に巻き込まれた在外邦人等に対し、「イナメナスの空港まで来てください」と案内し、自衛隊機をイナメナスの空港に待機させるだけで、緊急事態に巻き込まれた在外邦人等の命を救えるだろうか。そういう意味で、この国の政府が、アルジェリア軍の今回の作戦や、フランス軍のソマリアでの作戦を、批判することは難しいと、私は思っている。

 在外邦人等を救出するための法整備を行い、在外邦人等を救出するための部隊を持ち、在外邦人等を救出するための技術を磨くことは、とても重要である。
もし、様々な情報収集活動の結果、北朝鮮に誘拐されたままである同胞の所在が確認され、同胞の即時保護を外交ルートで要求する場合、今の法令と部隊のままでは、要求は無視されるだろう。然るべき法整備をし、然るべき部隊を持ち、「必要な作戦は、いつでも実行するぞ」という姿勢で、外交交渉をすべきである。

 「外交と国防は、車の両輪だ」というのは、そういうことである。残念ながら、我が国の国会議員の中にも、抑止力の意味を理解しない人がいる。町の治安悪化を抑止するために、警察官は拳銃を携帯している。「拳銃は危ないから、警察官が携帯する武器は、警棒だけにしましょう」とは、ならない。

 安全が保障された場所にいて、安全保障に寄与している部隊に対し、反対を唱える人がいる。対価を得て、つまり、まるで職業としてそうしているかのように、反対を唱える者もいる。安全は、決してタダではない。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則