大抵、物事には、例外が付き物だが、私の知る限りにおいて、例外なく全ての制度は、必要以上に複雑に作られている。敢えて言うならば、故意に、つまり、わざと、必要以上に複雑に作られている。
必要以上に複雑にすることの利点、うまみを、いわゆる官僚は、十二分に心得ている。もちろん、国民みんなにとって、必要以上に複雑にすることは、利点ではない。しかし、官僚にとって、それは、利点である。
法律や制度を徹底的に複雑にすることによって、官僚以外の国民(の中に、国会議員も含まれる)が、その法律や制度の全体像を、理解できないようにする。
そうすることによって、表面的には、全国民を代表する国会議員が、国会で審議して、予算や法律を成立させているが、実質的には、官僚は、官僚にとって最善の法律や制度を量産することに、成功してきた。
例えば、公的な医療保険制度。私は、元社会保険労務士なので、この国の、民間人向けの公的医療保険制度(国民健康保険と健康保険)を一通り、事細かく勉強したことがある。そして、個人的に興味があり、公務員向けのそれも、ある程度は勉強し、この国の公的医療保険制度の全体像を、私なりに、つかんでいる積もりである。
その上で、はっきりと申し上げるが、体や心の治療費などに関する公的な保険制度を、職域に基づいて、いくつも乱立させることに、必然性は全くない。
公的な医療保険制度を乱立させて、得するのは、官僚だけである。膨大な数の天下り先と、膨大な額の予算(の中身の多くは、人件費)の確保。一事が万事、彼らは全くぶれない。
公債特例法と特別会計、公債特例法と公務員共済組合について書くための前置きが、長くなってしまいました。今回は、ここまでにいたします。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則