周りの人から、変わり者だと思われている者の多くは、「我こそは、常識人のなかの常識人」と、思っているものである。
ここ20年、この国の名目GDPは、ほぼ横ばいで推移しているのに、一般会計税収の総額は、減り続けている。
2010年度の数値は、名目GDPがで479.2兆円、一般会計税収が41.5兆円。赤字国債の残高は、本予算ベースで、2012年度末に450兆円になることが、見込まれている。
かなりざっくりと言うなら、この国の政府の懐具合、財政状況は、年収が415万円であるにも関わらず、消費者金融から4500万円を借りていて、更に、それ以外のところから、
5261万円( = 9761万 - 4500万)を借りているようなものである。
あなたの大切な友人が、年収が400万円で、消費者金融から4000万円を借りていて、更に、銀行、信金、信組、社内融資制度等々から5000万円を借りていたら、あなたは、どうされますか。
個人や法人には、破産法に基づく破産という救済制度があるが、国を救済する制度など、無い。国は個人や法人ではなく、国は国だが、仮に、国が法人であっても、国を救済することができる者は、存在しない。
私は、先々月に書かせていただいた通り、「赤字国債の残高を、28年かけて0円にするために、一般会計税収を、恒常的に80兆円にすべきである」と考える、増税論者である。
多くの国民の担税力が低下し続けていることを放置したままで、税率を引き上げても、「税収総額が恒常的に本年度の額を上回る」ようには、絶対に、ならない。「人口比において、中流層を可能な限り拡大させる」とは、国民の担税力を向上させるということである。
「消費税率を引き上げても、法人税、所得税の税収が落ち込むことはなく、税収総額は増える」と思い込むほうが、非常識ではないかと、変わり者の私は、思っている。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則