新党を乱立させても、官僚を指揮できる政治家は生まれない | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 昔は、銀行等の民間金融機関の監督、検査は、大蔵省が行っていて、大蔵検査(略して、蔵検が、銀行の本支店で行われると、銀行員は、お客様そっちのけで、大蔵官僚の応対をしていた、らしい。

 現在は、金融庁が、民間金融機関の監督、検査を行っている。金融庁の前身である金融監督庁の設置法は、橋本龍太郎内閣のときに、成立した。肥大化した官僚組織、大蔵省を分割することにより、政治家が、官僚を指揮、監督することを、可能な限り容易にするためである。

 「自民党政治」から、何を連想しますかと、問われたら、まず、「政官癒着」を連想される方もおられると思うが、自民党と官僚が、常に一心同体だった訳ではない。

 この国の政治家は、やれ政界再編だ、やれ新党だと言って、離合集散を繰り返してばかりいるが、政党は、政策を立案し実現するための集団であって、同好会ではない。
英国も議院内閣制の国であるが、英国の保守党や労働党の歴史を見れば、私は、自民党でさえ、未だ、新党に毛が生えた程度の歴史しか有していない政党であると、思っている。

 政治家が、やれ政界再編だ、やれ新党だと言って、離合集散を繰り返すことを、誰よりも望んでいるのは、政治家の指揮、監督を受けたくない、つまり、政治家に主導権を握られたくないと、考えている官僚である。

 官僚の手のひらの上で転がされていながら、走狗になっていることに気付かないような者を、これ以上、首相の座に座らせ続けてはならない。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則