昔は、銀行等の民間金融機関の監督、検査は、大蔵省が行っていて、大蔵検査(略して、蔵検)が、銀行の本支店で行われると、銀行員は、お客様そっちのけで、大蔵官僚の応対をしていた、らしい。
現在は、金融庁が、民間金融機関の監督、検査を行っている。金融庁の前身である金融監督庁の設置法は、橋本龍太郎内閣のときに、成立した。肥大化した官僚組織、大蔵省を分割することにより、政治家が、官僚を指揮、監督することを、可能な限り容易にするためである。
「自民党政治」から、何を連想しますかと、問われたら、まず、「政官癒着」を連想される方もおられると思うが、自民党と官僚が、常に一心同体だった訳ではない。
この国の政治家は、やれ政界再編だ、やれ新党だと言って、離合集散を繰り返してばかりいるが、政党は、政策を立案し実現するための集団であって、同好会ではない。
英国も議院内閣制の国であるが、英国の保守党や労働党の歴史を見れば、私は、自民党でさえ、未だ、新党に毛が生えた程度の歴史しか有していない政党であると、思っている。
政治家が、やれ政界再編だ、やれ新党だと言って、離合集散を繰り返すことを、誰よりも望んでいるのは、政治家の指揮、監督を受けたくない、つまり、政治家に主導権を握られたくないと、考えている官僚である。
官僚の手のひらの上で転がされていながら、走狗になっていることに気付かないような者を、これ以上、首相の座に座らせ続けてはならない。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則