複雑系において単に税率を引き上げるだけ、という愚策 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 昨年の9月18日付けのCNNのニュース記事を読んで、特に、

Obama wants to end Bush-era tax cuts on families earning more than $250,000 a year, but Republicans have blocked his efforts, arguing that it will hinder investment.

この部分を読んで、改めて、米国の政治家に失望したことを、当時、書かせていただいた。

 今、「消費税非課税取引の分類を見直すなどして、税率をいじらずに税収を増やすよう知恵を絞ることもなく、只々、税率を引き上げるという、何の創意工夫もない愚策」を、民自公が手を組んで推し進めている状況を目の当たりにして、愕然としている。

 人の社会は、多くの変数が複雑に関連し合って、影響を及ぼし合って、形成されている。いわゆる複雑系である。人として可能な限り、全体を眺めるようにしなければ、予測や判断を誤る。もちろん、人は全能の神ではないので、全体を完璧に眺めることなど、できない。
なので、人の限界をわきまえた上で、全体を眺めるよう努めることが大切だと、私は思っている。

 米国共和党は、「富裕層の所得税を増税することは、投資に悪影響を与える」と主張している。果たして、そうだろうか。「投資ではなく、投機(speculative buying and selling in the hope of gain)に、悪影響を与える」と、言うべきではないか。

 そのことを書こうと思って書き始めましたが、前置きばかり長くなりました。「富裕層への課税を強化した結果、富裕層が他国に移住し国籍変更を行ったら、国内での投資が減り、GDPが減少するのか」については、後日、書かせていただきます。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則