JR久里浜駅前発着、もしくは、京急久里浜駅前発着の、京急の路線バスの運賃は、近距離に限り、大人100円である。残念ながら、消費税非課税の取引を13箇条に分類して掲げている消費税法別表第一に、「旅客運送に係る、運賃を対価とする役務の提供」は含まれていないので、この100円は、消費税及び地方消費税込みの金額である。
単純に計算すると、
京急バスの取り分、売上げは、95.24円、国庫に入る政府の取り分、消費税は、3.81円、地方消費税は、0.95円である。
消費税及び地方消費税の税率が、2度に渡り引き上げられた後、運賃が、変わらず大人100円の場合、
京急バスの取り分、売上げは、90.91円、国庫に入る政府の取り分、消費税は、7.09円、地方消費税は、2.00円である。
日本で生活している人の可処分所得が増えないまま、消費税率を引き上げれば、つまり、政府の取り分を増やせば、どうなるか。事業者の取り分が減る、つまり、売上げが落ち込む。
1997(平成9)年度の初日に消費税率を引き上げて以降、消費税の税収は、ほぼ10兆円で推移している。ということは、地方消費税の税収が2.5兆円、事業者の、最終財及び最終サービスの売上げのうち、消費税が課税される売上げが250兆円、ということである。
日本で生活している人の可処分所得が増えないまま、消費税率を引き上げれば、この250兆円は、95.24分の90.91になる、つまり、239兆円になる、ということである。
確実に、法人税と所得税の税収が減る、失業率が上がる、厚生年金保険と国民年金の保険料収入が減る、雇用保険の基本手当などの社会保障費が増える、そして、治安が悪化する。「行って来い」どころか、損失のほうが大きいのではないか。
それでも、例の方は、古谷一之財務省主税局長が言われることを鵜呑みにしたまま、いや、信じ続けて、政治生命をお懸けになるのだろうか。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則