国債の金利が2倍になれば、消費税5%分など吹き飛ぶ | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 赤字国債を発行するということは、そもそも、倫理、人の道に反することである。例えて言うならば、本年度の食費の一部を、将来の納税者に払わせて、己は、その分、ただ食いをするということである。

 公債特例法に関して、「どうせ通さなければならないのだから」と、おっしゃった自民党の長老が、おられるそうである。今は、たまたま、金利が低い時期なので、なんとか、毎年度の国債の利払費が、10兆円未満で済んでいる。金利が上がれば、どうするお積もりなのか。

 新規の建設国債と赤字国債とは別に、特別会計に関する法律46条1項に基づいて、毎年度、借換債を、ばんばん発行している。同法62条1項に基づいて、財投債を発行している。上昇した金利は、国債の現在高のうちの、多くの国債に、すぐに反映される。国債の利払費は、本年度は9.9兆円であるが、金利が2倍になれば、約20兆円になる。それだけで、消費税5%分が吹き飛んでしまう。

 金利が5%になれば、前述の自民党の長老は、どうおっしゃるのだろうか。最も瀬戸際にあるのは、ギリシャ政府の財政でも、イタリア政府のそれでも、スペイン政府のそれでも、米国政府のそれでもない。日本政府の財政である。

 当ブログでは、2月下旬以降、赤字国債の問題を、執拗に採り上げている。目の前の政局のためではない。もちろん、杞憂であれば、それに越したことはないが、更なる国難が近づいているとしか、思えないからだ。


神奈川県にて
佐藤 政則