あれから40年、変動相場制は、誰が得をする制度なのか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 たいていの人は、日々、お金を支払って、あれやこれやを買って、生活をする。生まれてから一度も、財布を持ち歩いたことがないという人は、あまりおられない。

 毎日のように、お金をやり繰りしているせいか、何を買うべきか、もしくは、何を売るべきかで、考え込む人は多くても、通貨という制度自体に疑念を感じ、「なぜ、この印刷物が、何事もないかのように通用するのだろうか」と、考え込む人は、少ない。

日本銀行法46条1項
日本銀行は、銀行券を発行する。
日本銀行法46条2項
前項の規定により日本銀行が発行する銀行券(以下「日本銀行券」という。)は、法貨として無制限に通用する


 印刷物が、何事もないかのように通用する拠り所は、この日銀法46条2項のみである。そして、現在、円高とやらが進んでいるそうだけれど、元々は、1ドル=360円である。充分、話し合いをした上で、条約等を締結して、今のように、実需に基づかない者にまで、好き勝手に円を売り買いすることを、許すようになった訳ではない。

 今から40年前の1971(昭和46)年の夏、リチャード・ニクソン米国大統領が、勝手に、金とドルの交換の停止を決めた。いわゆる、ニクソンショックである。その後、円は、基軸通貨ではなく日本一国の通貨であるにも関わらず、米国に言われるがまま、為されるがまま、実需に基づかない者が好き勝手に売り買いをする対象、つまり、投機の対象にされた。

 その結果、円ドルの交換レートは、「円とドルの購買力が等価(=平価)になるように、為替レートは収斂される」という購買力平価説などとは、全く関係なく、誰よりも多くの投機マネーを市場に投入できる者の思惑によって、動いている。そうやって、先に交換レートが動き、そのレートに基づいて、輸入品と輸出品の物価が変動し、その結果、円とドルの購買力が等しくなる

 ニクソンショックから40年、そのカラクリに、もう気付くべきである。


神奈川県にて
佐藤 政則