下水汚泥の焼却灰や、一般ごみの焼却灰から、焼却灰1kg当たり8000ベクレル超の放射性セシウムが検出される事態が、各地で報告されている。なにぶん素人なので、放射性セシウムを含む汚泥や一般ごみを焼却して、灰になっても、変わらず有害であることに、少し驚きを感じている。
生産の現場では、野菜、茶葉、魚介類、牛肉などから、法定の値を超える放射性セシウムが、検出されている。放射性セシウム、セシウム137の半減期というのは、約30年だそうである。詳しいことは、よく分からないが、焼却しても有害だということは、煮ても炊いても、押しても引いても、何をしても無害化することはできないのだろう。
散らばらないように、密閉した容器の中で保存し、ひたすら時が過ぎるのを待つしかないのだろうか。万が一、散らばって拡散させてしまった場合は、下水汚泥や一般ごみの焼却灰という形で、セシウム137を"収集"し、その焼却灰を密閉した容器の中で保存し、ひたすら時が過ぎるのを待つしかないのだろうか。
30年で半減ということは、半分の半分、つまり、4分の1になるのに、約60年かかるということなのだろうか。そうではなく、もっと複雑な式に、様々な値を代入して計算するのだろうか。いずれにせよ、人類が、前世紀の中葉に、爆弾という形で、その実用化に成功してしまった原子力というのは、人類にとって大き過ぎる代償を伴う技術である。
私は、今秋の米の収穫を、ずっと心配している。配給制に移行する準備をしておくために、食糧管理法を復活させるべきであるとさえ、申し上げてきた。大地震と大津波により、本年の水稲の作付面積は、減るだろう。加えて、放射性セシウムの値が基準値を超え、相当の量の米が出荷できない事態になれば、どうするのか。
農水省は、1959年から2001年までのデータを基にして、稲の作付制限を行っている。が、1959年から2001年までの間に、今回の原発事故と同等の原子力事故が、日本及び日本の周辺で、あった訳ではない。1959年から2001年までのデータは、どれくらい参考になるのだろうか。
神奈川県にて
佐藤 政則