消費税率を2倍にしても、税収は2倍にはならない | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 消費税は、最終財の購入者に税の負担をお願いし、事業者に納税をお願いする税金である。
現在、消費税の税収額は、年間、約10兆円である。消費税率は4%(地方消費税込みの税率は、5%)であるから、消費税等が課税される取引における、最終財購入者の支払い総額は、消費税等込みで約262.5兆円ということになる。

 消費税率を4%から8%(地方消費税込みの税率は、10%)にしても、消費税収は、2倍の約20兆円にはならない。約262.5兆円というパイに、
( 1 + 地方消費税込みの税率) 分の消費税率 を掛けて得た値が、消費税の税収額である。

262.5兆円 x 4/105 = 10兆円
262.5兆円 x 8/110 = 19.09兆円

そして、消費税率を引き上げることにより、必然的に、企業の売上が減って企業の業績が悪化し、人件費が削られる。約262.5兆円あったパイが、仮に4%減れば、約252兆円になる。

252兆円 x 8/110 = 18.33兆円

結局、現在約10兆円である消費税収は、2倍ではなく、1.8倍前後にしかならない。それでもって、国民の生活は、確実に劣化する。だから、私はずっと、消費税率を引き上げることに反対している。富裕税法を再導入し、個人金融資産の偏在を是正し、その結果、約262.5兆円であるパイを大きくすれば、消費税率を引き上げなくても、確実に、消費税収は増える。

 パイが大きくなり消費税収が増えるという状況は、国民にとっても企業にとっても国にとっても、悪い状況ではないはずだ。だから、私は、富裕税法を再導入すべきであると、申し上げ続けている。


神奈川県にて
佐藤 政則