消費税は、最終財の購入者に税の負担をお願いし、事業者に納税をお願いする税金である。
現在、消費税の税収額は、年間、約10兆円である。消費税率は4%(地方消費税込みの税率は、5%)であるから、消費税等が課税される取引における、最終財購入者の支払い総額は、消費税等込みで約262.5兆円ということになる。
消費税率を4%から8%(地方消費税込みの税率は、10%)にしても、消費税収は、2倍の約20兆円にはならない。約262.5兆円というパイに、
( 1 + 地方消費税込みの税率) 分の消費税率 を掛けて得た値が、消費税の税収額である。
262.5兆円 x 4/105 = 10兆円
262.5兆円 x 8/110 = 19.09兆円
そして、消費税率を引き上げることにより、必然的に、企業の売上が減って企業の業績が悪化し、人件費が削られる。約262.5兆円あったパイが、仮に4%減れば、約252兆円になる。
252兆円 x 8/110 = 18.33兆円
結局、現在約10兆円である消費税収は、2倍ではなく、1.8倍前後にしかならない。それでもって、国民の生活は、確実に劣化する。だから、私はずっと、消費税率を引き上げることに反対している。富裕税法を再導入し、個人金融資産の偏在を是正し、その結果、約262.5兆円であるパイを大きくすれば、消費税率を引き上げなくても、確実に、消費税収は増える。
パイが大きくなり消費税収が増えるという状況は、国民にとっても企業にとっても国にとっても、悪い状況ではないはずだ。だから、私は、富裕税法を再導入すべきであると、申し上げ続けている。
神奈川県にて
佐藤 政則