いい歳をした大人達が、毎日、「あの人は、いつ辞めるんだ」「○○したら、辞めるんじゃないのか」などと、口々に言って、騒いでいる。私も、いい歳をした大人である。大人のうちの一人として、情けなく思っている。
法律論だけを申し上げるならば、この国の内閣総理大臣が、いつ、職を辞するかは、基本的には、本人が決める。内閣総理大臣の職を辞すべき時期の判断ができないような人は、そもそも、国会議員になれないし、内閣総理大臣になれない(法律論だけを申し上げています)。
万が一、内閣総理大臣が、とんでもない言動を繰り返すようであれば、衆議院で不信任決議案を可決することにより、総辞職させる。もしくは、本道から外れるが、議員辞職に追い込むことにより、必然的に、内閣総理大臣を辞めさせる。「徳のかけらも身に付けていない内閣総理大臣がいれば、どうする」などということを、書かざるを得ないのは、情けないとしか、言い様がない。
次の衆議院議員総選挙のことを考えれば、納得していただけると思うが、あの人は、辞める気はないし、民主党執行部も、辞めさせる気はない。内閣不信任決議案を否決した上で、会期を延長すれば、閉会するまでの間、通常の方法では、誰も、内閣総理大臣を辞めさせることはできない。6月2日の出来事は、そういう意味でも、茶番であったと、私は考えている。
民主党執行部にしてみれば、次の衆議院議員総選挙のことを考えれば、菅直人内閣を、可能な限り引っ張るしかない。今のままでは、民主党は、次の総選挙で確実に惨敗する。民主党への非難を、菅直人氏一人に、可能な限り背負わせておいて、今から2013年の夏までの間で、一瞬でも選挙で勝てそうな状況になれば、そのときに、解散総選挙を行うしかない。
この世では、騙す人は、何回も騙すし、騙される人は、何回も騙される。どうご説明申し上げれば、未だに、騙されていることに気付いていない国会議員の先生方に、気付いていただけるのだろうか。
兵庫県姫路市にて
佐藤 政則