次から次へと、部署の新設や統廃合を行なう。また、人事を、どんどんいじる。焦って、そういうことをするのは、業績が傾きかけた大企業である。内閣改造をした結果、内閣が、改造する前よりも安定したことは、無い。
「首相や外相がころころ替わることは、国益を損なう」と、民主党幹部の国会議員の方々が、しきりにおっしゃっている。おっしゃっている意味が、よく分からない。毎日、分からないことばかりである。
国益を損なっているのは、「在任期間僅かで辞めざるを得なくなるような者、つまり、その職に就く資質が備わっていない者が、首相や外相の就任し、当然の結果として、在任期間僅かで辞めること」である。決して、首相や外相がころころ替わること自体が、国益を損なうわけではない。
それなりの政治手腕を持った政治家が首相や外相を務め、病気療養のために、在任期間僅かで辞める。そういうことが、たまたま、二人三人続いても、しっかりと引き継ぎをした上で、政治手腕を発揮していただければ、何の問題もない。いや、むしろ、この国の人材の豊富さを実証することになり、国益を損なうどころか、国益に適う。
「首相や外相がころころ替わることは、国益を損なう」とおっしゃる方々は、ひょっとすると、物事の表面だけをさらっと見て、「問1の答えはア、問2の答えはウ」というのと同じ要領で、国政という大きな問題に取り組んでいるのではなかろうか。
もしそうなら、やはり、国政を担う資質があるとは、思えない。資質がない者が、交替せずにその職にとどまるほうが、より一層、国益を損なう。